外界と、曖昧な徘徊 | dottles

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僕自身を繋ぎ止めて、突き放すために。

肌を露出させないから外傷なんてあるはずもなく、一見キレイで、でもしっかり内臓が壊死していく。
そんな感覚を12年間味わってきた。
診断書さえ、口の中を切りながらも食べてしまう。
嫌な胸焼けがする。

ときどき、アプリの通知を全て切るかiPhoneの電源を落とすかして、外に出ずに過ごす日がある。
陽の光が出ているのに、外に出ずに過ごす日がある。
消えてしまいたい一心で1日中ずっと布団に潜って、外に出ずに過ごす日がある。

それをしたからといって、精神状態が回復するわけでもないし、何の逃げにもならない。
むしろ精神衛生的には逆効果で、1年間死んでいたあの頃に近い。
どんどん指先のささくれが増えていく。

塩基配列みたく規則正しい正確な生活は清開な性格の人間がするべきであって、
自分のような人間にはできない。

目の焦点も耳の焦点も外したまま夜の町を歩くような毎日を送りたいと、そう思うほど過敏になって、自分の呼吸音にさえも耳鳴りしてしまう。

誰かを思って何かに感情移入して涙がじわじわ滲んでくる、そんなことほとんどなくて。

いつも決まってこんな日に、自分のまわりを取り囲んでゆっくり伸びていくテキリスゲに埋もれながら、垂れ落ちる冷や汗で汗疹ができて、土の匂いに泣けてくる。

いつも決まってこんな日に、夕暮れ時に伸びる影が自分の首を絞める。

消えてしまいたい。

伸び放題のテキリスゲは、僕のアキレス腱を切り、雑菌を運び、僕の身動きを封じる。
それが生き地獄。

この肉の器に、他の人格が入っていれば良かったのに。
悪魔のような直射日光を浴び続けるほど冷や汗をかいて多湿になっていって、肉が腐る。
そんな実感もう懲り懲りだ。

寒い。寒い。寒い。寒い。寒い。
直射日光が嫌に寒い。

チューニングの合っていないピアノの音に乗って雲の上まで行きたい。
この世の全てを信じないまま受け入れてしまっているから、どの音が基準か分からない。

いっそのこと通り魔が僕を刺してくれたらいい。
一瞬で殺してくれよな。

何が僕をそうさせるのか分からないけど、何でそうしなくちゃいけないのか分からないけど、通知を元に戻す。
iPhoneの電源を入れる。

中途半端に破壊された塩基配列が、仕方なく修復されていく。
もういいよ。