守大助さんは29才だった。

2000年12月4日 突然呼び出され退職して欲しいと懇願された。

採用してくれた教授から頭を下げられれば断ることは

出来ない。まして彼は逮捕された後も「教授が迎えに来てくれる。

警察の誤解を解いてくれる」とお人好しにも信じていたような

青年なのだ。

突然の解雇、身の回りの整理をするためにクリニックへ足を踏み入れた

守さんに仕掛けられた「証拠隠滅」「逃走」の罠。

検察は「犯行に使った筋弛緩剤の空アンプルを入れた赤い針箱を

紙袋に隠し、走って逃走した」と言う。

現場に居合わせた同僚は「普通に歩いて刑事を案内してきた」と語るが

その証言は無視された。

守さんは片付けをした後に積み重ねておいた大小の針箱のうち、

一杯になっていた小さい針箱のみを小脇に抱え、帰り際に外にある

医療廃棄物を入れておくゴミ箱に捨てようと思い、職員通用口から

出たところを、刑事に押し戻され、理事長室で赤い針箱を開けて

中身を見せ、所持品検査を受けた後に帰宅を許されている。

守さんは、その際、通用口から入ってきた県警警部とすれ違い、

警部が刑事に「どうだった?」と聞き、刑事が「間違いみたいです」

と答える会話を聞き、護送車のような車が駐車しているのを目撃している。

弁護側は、県警が退職を告げられた守さんが薬品を持ち出す現場を押さえ、

別件逮捕か、証拠隠滅の行動を押え逮捕しようと待ち構えていたと考えている。

守さんが逮捕されたのは翌年2001年1月6日とされているが、深夜に及ぶ

取調べは未明まで続き、供述調書の日付は1月7日になっている。

結婚を約束していた婚約者と暮らすアパートから任意同行され、警察に協力する

つもりが密室に長時間拘禁され、自白を強要された結果だった。

女医の妄想から犯人とされた守大助さんは、現在千葉刑務所で服役中。

nekomanekiの妄想的女医の告白は今回でおしまい。

次は、検察の妄想的暴走とそれを検証もせずに恣意的な迷文で追認する

裁判官の判決文・・。

裁判記録を読むまでは信じられないレベル低~い判決文の数々をご紹介します。


◆検察論告より

午後2時過ぎころ,被告人と共に近くのホテルの喫茶室で,被告人に,
北陵クリニックで原因不明の容体急変患者が多発し,それが被告人の
当直の際に多発することが多く,郁子医師がノイローゼ状態であること
などを話し,暗に被告人に退職を求めたところ,被告人が,「じゃ,
私が辞めればいいんですね。」と言って,不満も言わずに退職を承諾し
たので,半田教授は,12月分の給料及びボーナスを被告人に支払うと
ともに,S神経外科病院への就職の斡旋も努力する旨話して被告
人と別れ,高橋警部,郁子医師及び婦長に電話で被告人が退職を承諾し
た旨を伝え,北陵クリニックに戻った。


◆弁護側最終弁論より

「教授は『守君の当直のときに急変が多く、うちのがノイローゼになっ

ちゃって。守君、ちょっと仕事を休んでくれないか、本当はうちのを

休ませるといいんだが、知ってのとおり赤字経営だからうちのを休ま

せるわけにいかないんだ』と切り出し、何度も何度も頭を下げられた。

12月給料とボーナス全額、郁子医師がよくなって被告人が復帰するまでの

期間はS神経外科病院に勤務できるよう半田教授から依頼してく

れることを条件として休職扱いを承諾すると、つぎは退職届を書いて

くれと頼まれた。何度も頭を下げられて断れなかった。」


◆仙台地裁判決より

被告人の供述には,次のような明らかに不自然,不合理な点があることを指摘する
ことができる。
まず,退職をめぐる被告人と半田教授とのやり取りに関して,被告
人の供述を前提とすると,被告人は,半田教授から,まず,仕事を休
んでくれと言われ,これを承諾すると,次に,退職届を出してくれと
言われ,さらに,その日付けの退職届を提出するように言われたとい
うことになり,しかも,被告人は,これらの要求に対して,特段強く
抵抗するわけでもなく応じたということになる。
しかし,当初仕事を休むように話してきた半田教授が,被告人がこ
れに応じるや,いきなりその日付けの退職届を提出するように言って
きたというのは極めて唐突で不自然である上に,半田教授から休職や
退職の話をされると予期していなかった被告人が,休職することだけ
でなく,退職することについてまで,特段に強い抵抗もせずに短時間
で応じるに至ったという事実経過は,それ自体あまりに不自然,不合
理といわなければならない。しかも,この時に,被告人が半田教授か
ら伝えられた理由も,休職や退職の話を予期していなかった人間を納
得させられるといえるかどうか甚だ疑問の残る内容であるし,当時の
心境に関する被告人の供述内容も,自己に非がないのに突然退職の話
を持ち出された者のそれとしては,少なくとも感情の変化が読み取れ
ず,不自然の感を免れない。

nekomanekiのブログ

「不自然なのは裁判官、お前さんの頭の方さ。

突然「解雇!辞表を書け」なんて言われる理不尽さ

知らないからそんなことを言うんでがしょ?

パワハラって知らないんで?

あっしは慣れっこでさぁ。

親方日の丸はいいねー」と語る通りすがりの猫。

そうですねー。猫さん。

不自然なのは警察のシナリオと、それをおかしいと思わない

裁判所の方だよね。