* 妄想話です

 

違う世界線のこと、所詮妄想、と寛容に許容してくださる方にご笑読いただければ。

遅ればせながらのJ 誕です

 

 

 

 

 

今日お誕生日だよね? ちょっと飲んで行かない? お祝いしようよ、といろんな人が入れ替わりに誘ってくれたが、

 

「うーーん、今日は…ごめん」なんかまだ少し疲れやすいし、明日も早いから、と断ってまっすぐ帰る。

 

 

 

… なんも言われてないんだけどね。なんか予感があってさ。

 

買い物もパスして そそくさと帰ってるから、これ外れてたらすげー寂しい夜になること決定。

すねすねに拗ねて、近所に飲みに行ってやる。

ちょっとでいいから来てよ ってムロくん呼び出して、絡み酒してやる。

 

 

 

でも、どきどきしながら 玄関をあけると。

 

… ビンゴ。

リビングから漏れる淡いひかり。

 

 

 

そっと入った俺を待っていたのは、

 

あとは揚げるだけに準備されてる カニクリームコロッケと お約束のソース

いつものさかなやさんの包み (きっと穴子)

テレビからは俺らのライブ映像

 

そして流れる映像に照らされて ソファーに丸まっているのは、一番会いたかった人。

待ちくたびれたのかな、

クッション抱いて うっすら口開けて、気持ちよさそうに眠っているよ。

 

 

FC向けには『忙しいだろうから、時間がある時 連絡してね』みたいな奥ゆかしいことを言ってたのにね。

壮大な「フリ」のつもりだったのかな って笑けてくる。

 

 

なにか楽しい夢でも見てるのか、少し口角をあげて すぅすぅと穏やかな寝息をたててる脇に座り込んで 髪をなでる。

平和だなぁ、ずっと見ていられるなぁ、としあわせが胸にどんどん広がっていくのがわかる。

 

さんざんとんがってるって言われてきた俺も、こんな穏やかさを愛するアラフォーですよ。

 

 

 

襟足にするりと指を通すと、少しカールしたやわらかい髪は 大型犬をなでてるみたい。

 

「ほんと、伸びたな」

思わず出た声は 思いのほか大きく響いて、

 

『う…んん』

 

… 残念。 王子さまはキングのキスを待たずに目覚めちゃったね。

 

 

 

わぁ帰ってきてたのー、おかえりぃ~、とにこにこ首に巻き付いて、

『誕生日おめでと、』と寝起きのあったかい息で耳に吹き込んでくる反則技。

 

こっちをどきどきさせておきながら、抱きしめ返そうとしたら 『コロッケ揚げるね!』するりとキッチンに立った。

この 天然もののコアクマサキめ。

 

 

 

手のひらで転がされてるみたいなのが なんかちょっと癪。

 

油の鍋に菜箸をつっこんで温度をみてるところを後ろからハグしにいったら、

 

『もーっ! あぶないだろ』

『じゅんはそっちでシャンパンでも開けてて!』

フンッ て鼻息でお兄ちゃんカゼを吹かせて、至極真っ当にいなされた。

 

なんだよー、俺だって油にはちゃんと気を付けて 邪魔しないようにそっと近付いたし。

そもそも今日からしばらくは同い年だろうが!

 

 

 意地になって 腰に廻した手が離せなくなってる俺。

 

 わかってる、こういうとこが子供っぽいって。

雅紀に 可愛い可愛い言われちゃうって。 

 

 

「なぁ、いろんな人から お祝いしよ、飲んでこう、っていーっぱい誘われてたんだぞ。

 

帰ってこなかったらどうするつもりだったのさ?

なんも連絡くれなかったしさ、」

 

 柔らかい後ろ髪に鼻をこすりつける。

 

 

まぁは ちゃっちゃとコロッケを油に落としてタイマーを押すと、

 

うーん、えーじくんに電話した かなぁ?、なんて可愛くないことを言ったが、

 

 …でも、と振り返って

「… 帰ってきたじゃん」

ずきゅんとくる きれいな大人の笑顔を見せた。

 

 

 

 

 …ピピピ ピピピ

 

やがてタイマーが鳴り、『揚げものは揚げたてが一番』という名言に従い、

まずはキッチンで乾杯して アツアツのコロッケをほおばった。

 

 

 

 

まぁが一緒だと おいしくて楽しくて ついつい食べ過ぎる。

しばらくはまだ太っちゃだめだから、今日だけ特別。

でも幕府さえ立ち上げたら、そしたら 少し貫禄付けてもいいと思ってる。むしろ貫禄、あったほうがよくね?

その時はまた協力してもらおう。

 

 

〆めに、と手際よく穴子を握ってくれたのには超々カンゲキした。

うめー、超うめー、とぱくつく俺を 『全部じゅんのだよ』とにこにこと見ていたが、

 

やがて 本日のお役目終了~ って感じで くいくいお酒もすすみ始めて、

甘い喋り方で

『ねえ~ じゅんのなら、うるとらなんちゃらぶるーれい見られるんでしょぉ?』

15んちはここで みんなで見ようよ、おれ、うるとらんちゃらなんて初耳だったけど、じゅんの顔がもっときれいに見えるってことだよねえ…

なんてくしくし笑って ぺったりもたれかかってくる頃には、少し眠そうだった。

 

 

普段の しゃきしゃきせっかちに動いて、表情がくるくる変わる雅紀もよいけれど、

うるうるした目で『じゅーーん、だぁいすきぃー』なんて密着度高めのこの時間帯は 

世の中でもごくごく限られた人間しか味わうことができない・ほかの人には決して見せたくないスイート雅紀だ。

 

外で飲んでる時や 密着取材中なんかにとろんとし始めると、メンバー全員 慌てて『相葉くんおねむだから!』って帰り支度を始める保護案件なんだけど、

 

今夜は家でふたりだし、

俺誕生日だし。

 

うまいモルトをもらったから もう少し飲むでしょ? とすすめて。

ゆっくり堪能しようと思う。

 

 

 

 

 

「それにしても伸びたね」

 

 こてんと肩に乗せてきた形のよい頭を 飽きることなく撫でながら、何度目かつぶやくと

ぱちりと目を覚ました雅紀が、それは楽しそうに迫ってきた。

 

 

 

「あいばまさきクイーズ、上級編!」

 

いきなり上級編かよ。

 

「じゅんに初級は逆に失礼だわ。

さて、まさきくんが髪を切らないのは なんででしょう~?」

 

それ、すごく知りたいヤツ。

ふつーに教えろや。

 

「ほら、真剣に考えてー」

 

あれだろ、次にやりたい髪型が思いつかない。

 

「…と ラジオでは言いましたがー、

上級者はもう一歩 踏み込んで考えないとねー」

 

え、全然わかんね

まだ発表できない次の役作り?

 

「惜しい!

正解は… 『大河に欠員が出た時 いつでも出られるように』でしたー」

 

 

こないださ、第一弾ビジュアル見てたら『これ 髪のばしといたらおれ出られんじゃね?』って思いついちゃってさ、

まだまだ1年以上も撮るんでしょ? 急に出られなくなる人もいると思うんだよね、

そんな時 いつでも助けに行けるじゃーん、

… あ、もちろん今からキャスティングしてもらってもいんだけどね、いえじゅんを陰で支える忍び とかさぁ…

 

 

 

ちょっと照れる~、と両手で顔を隠して ゴロゴロ転がりながら『でもさ、いいでしょ、じゅんからも監督にアピールしてくれていいよ』

指のすきまからのぞいてくるから、もうその手をひっぺがしてちゅーするしかない と思った。

 

 

 

 

正直、俺にキャスティングに関する権利はないし、

地毛のばさなくても かつらでいいんじゃね? と身も蓋もない言葉が浮かばなくもなかったけれど、

 

明日から猛アピールだな。

ほかのどこかのキャスティングに ロン毛雅紀の使いどころ、可能性に気付かれる前に。

 

 

 

戦略を練ろう。

鳴くまで、なんて待っていられない。

 

 

 

 

 

 

 

 

*例によって 遅ればせながらのJ誕です

Pちゃん←ごめん、勝手に名前をちょっと出しちゃった とのコメントやりとりで浮かんだ「どすじゅんにロン毛相葉さんが出る」という妄想から広げました