* 妄想話です
撮影が始まって間もない頃は、どこかおっかなびっくり 俺を遠巻きに見ていたオカベくんだったが、
誰かさんから まつじゅんは顔はこゆいけど全然怖くないよ、やさしくて面倒見のいい子だから 自分から距離つめていきなよ、とアドバイスをもらったのがきっかけだったか
生来 人懐っこいタイプなのだろう、
今はすっかり『まつじゅんさーん!』なんて にこにこ寄ってくるようになった。
そして こちらが尋ねてもいないのに
「こないだ 人生で初めてとうもろこしを収穫したんすよ!」とか
「すごいんすよ、あいばさんは。トラクターに乗るのまで上手いんですよ!」とか
「初めてさかな捌くところ 見せてもらったんです! マジ包丁王子っす!」とか
いちいちビックリマークつけて 目をきらきらさせて報告してくるもんだから
内心ちょっとおもしろくない。
おもしろくないのを敢えて隠さずに ふ~ん、と不機嫌そうな顔をして見せても
『あいばくんの近況報告』は一向に止まらなかった。
このところ彼は、あっちこっち飛び回ってる上に 新しいドラマの撮影まで始まるっていうので
この俺でさえ なかなか会えないっていうのに。
無理しすぎてないかな、体調崩してないかな、って心配でしょうがないのに。
… 5人でいた時は どんなにどんなに忙しくても、週に1回や2回は会えたのに。
… 「ねぇ まつじゅんさん、聞いてます?」
いや、聞いてない。つか 今はあんまり聞きたくない。
「ぼくね、あいばさんと もっと親しくなりたいんですよ。
小峠さんみたいに えーじくん、なんて呼ばれるのはおこがましいとしても
澤部さんみたいに サワベー♡って感じで呼ばれたいです
せめて 岡部君、って漢字じゃなくて『おかべくん』ってひらがなで呼んで欲しいなぁ…」
オカベくんには100万年早い。
でも…、気持ちはよくわかるよ。
あいばくんが 後ろからそっと近寄って、くしくし笑いながら目隠しなんかして
『じゅんー♡』って呼んでくる時の
あの ほっこり嬉しい気持ちを思い出して反芻する。
あいばくんが やさしくひらがなで呼ぶと
自分の名前が 甘やかで愛おしく とても大切なものに感じられるんだ。
番組とか ラジオとかで「まつじゅんがね」「うちのまつもとじゅんが」…
俺のことを呼んでくれてただけで
それが例え 二人でいる時とは違う ビジネスの顔をしていてさえ
鼓動がとくとくと温かく流れるのを感じるんだ。
『じゅんくんのさかやき、すごく似合っててかっこいい!
いよいよ殿!って顔だね』
『月代←絶対読めないよね スマホで調べたよ^◇^』
LINEで 思わず顔がほころぶようなメッセージをくれたけど
「じゅんくんのさかやき」って絶対 あいばくんに耳元で囁かれたい日本語だよね。
その時、
休憩時間を見計らったように スマホが震えた。
『もしもし? じゅん?』
「… うん」
今まで少し拗ねてたことも、それがあいばくんの声で 一気に解けたことも、
大人らしく隠そうとしてみたけれど どうやらバレバレらしい。
いや、相当嬉しそうな顔をしてるんだろう。
隣で ナニ?ダレカラ? って秋田犬みたいに目を輝かせてたオカベくんを、ムロくんが気をきかせて向こうへずるずる引っぱっていった。
いいんだ、あいばくんは 俺のそんなすぐ顔にでちゃうところも『かわいい』って言ってくれるんだから。
『… あれ、もしかして今 電話まずかった? 撮影中?』
「もしもし? ううん、まずくない、全然まずくない。
ちょうど休憩中だったよ。
まわりが少しうるさかったけど、もう大丈夫!」
『ふふふ…
LINEとかじゃなくて 声が聞きたかったからさあ。
あの おたんじょうび…』
「わーーー! ちょっと待って! ちょっと待って!
今夜 少しだけでいいから時間作ってくれない?
今日は絶対早く終わらせて行くから… 」…
おたんじょうびおめでとう、
じゅんくん だいすきだよ
電話もいいけど、
こればっかりはどうしても直接聞きたい言葉だから。
I will come running wherever you are
whenever you call my name
だから
君の声で なまえを呼んで。
*松本さん、You Shiju おめでとうございます
(遅れたけど)
あまりに久しぶりすぎて もはやどうやって登場してよいものか…
恥ずかしながらコロリンでございます
書いては消して発酵させているつぶやきをまとめて
近いうちに あらわれることにします ふふふ