食事もそろそろ終わろうか、そんな時に長女は、アッ!!と叫びました。
ハローワークの書類を忘れてしまった、と言うのです。
二女が、電話をして忘れた旨、伝えればいいよ!ダメなら取りに帰ろう。
そう提案しました。

ハローワークへ電話をかけている長女は、いつもの担当の方がいないと言うことで代理の人に事情を話しました。

みるみる顔が変わっていき、あ、これは危ない。私は慌てて長女の手を握りました。


やはり書類を持ってきなさい。ないなら受給できません。。とても冷たく言われたのだと長女は遠くを見つめています。

帰ろう!お母さんだけ新幹線に乗って帰ってくるよ。あなたはおばあちゃんのところで待ってて!

そう言っても長女の耳に届いていません。ブツブツ言い始めました。

とにかくお店に迷惑はかけられない。精算してすぐ、外に出ました。
そろそろ診察の予約時間です。どうしようかな。。悩んでいると、長女が急に走り出しました。


二女が走って捕まえると、持ってるスマホを投げようとします。もう長女ではない、そう確信しました。


たぶん幼い子なのだと、感じていましたが、急にスマホを下ろし、私にこう言いました。

「病院へ行けと言われてる。わからないから連れて行って欲しい。。」
「娘じゃないのなら連れていけない」

さっきの幼い子とは違う感じでした。ん、また代わったのかな??
とにかく手を握ると、
「大丈夫。。私が代わりに行くから、
ついて来て欲しい」
そう言われました。


とにかく予約時間なので病院へ行きました。先生が私がいるのを見て、あ、今日は良くないのかな?そんな顔をされました。

「先生、今、代わったんです。娘じゃありません。。」

先生は少し眉間に皺を寄せ、長女を見つめ、名前を呼ばれました。
長女は部屋をキョロキョロ見回しながら首を振りました。

こうなった経緯を話し、彼とも最近別れたばかりだと説明しました。

元気そうだったんです。。私が言うと先生は、元気そうに見えても、そうじゃないです。彼女にとっては辛い出来事だったんですよ。
そう言われて、私は涙が出ました。

とにかく一度家に帰ろう。車は二女が運転し、私は後部座席で長女の手を握りしめながら、我が家へ急ぎました。