新しい企業コンプライアンスの動き 日本版スチュワードシップ・コード 監査法人のガバナンス・コード | こうしんの著作権,コンプライアンス日記

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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 第93号 ━ 2017.1.9━
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┃目次|1.今日この頃思う事 |どうしてもわかりにくいことの一つ
       2.本日のテーマ   |新しい企業コンプライアンスの動き

1.どうしてもわかりにくいことの一つ

 コンプライアンスの内容において、主観的には倫理が大事で、客観的にはリスク管理が大事であるといったことをずっと強調しているのであるが、不祥事の度に掛け声だけで終わることが多く、特に倫理は一過性が強くまじめにその向上に取り組んでいるのを見たことがない。

 だから職業倫理向上プログラムを提出しているのであるが、あまりに軽く倫理をとらえているので真剣みがないのだ。

 もっと言うと、倫理を謙虚に学ぶ姿勢もなく、その中身をわかっていないからというのが最大の理由であろう。

 私の倫理を詳しく話す研修を受けてみませんか。何かが変わると思うけど。

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2 本日のテーマ:新しい企業コンプライアンスの動き

(1)企業コンプライアンスの新しい動き

1)「責任ある機関投資家」の諸原則「日本版スチュワードシップ・コード」改定

 「スチュワードシップ責任」とは、機関投資家が、投資先企業やその事業環境等に関する深い理解に基づく建設的な「目的を持った対話」(エンゲージメント)などを通じて、当該企業の企業価値の向上や持続的成長を促すことにより、「顧客・受益者」の中長期的な投資リターンの拡大を図る責任を意味する。

 金融庁では、コードの「受入れ表明」をした機関投資家のリストを公表している。(平成28年12月27日更新)

 信託銀行等    :7
 投信・投資顧問会社等:152
 生命保険会社:18
 損害保険会社:4
 年金基金等:26
 その他(議決権行使助言会社他):7
       (合 計):214

     http://www.fsa.go.jp/news/27/sonota/20160315-1.html

 改定は、資金の出し手の利益追求した議決権行使を求めるように運用会社に要請する方向である。


2)監査法人のガバナンス・コード

大手上場企業等の監査を担う監査法人の組織的な運営において確保されるべき原則

 本原則は、5 つの原則とそれを適切に履行するための22の指針から成っており、
・ 監査法人がその公益的な役割を果たすため、トップがリーダーシップを発揮すること、
・ 監査法人が、会計監査に対する社会の期待に応え、実効的な組織運営を行うため、経営陣の役割を明確化すること、
・ 監査法人が、監督・評価機能を強化し、そこにおいて外部の第三者の知見を十分に活用すること、
・ 監査法人の業務運営において、法人内外との積極的な意見交換や議論を行うとともに、構成員の職業的専門家としての能力が適切に発揮されるような人材育成や人事管理・評価を行うこと、
・ さらに、これらの取組みについて、分かりやすい外部への説明と積極的な意見交換を行うこと、
などを規定している。 


3)金融商品取引法改正

 上場会社等が未公表の重要な情報を特定の第三者に対して選択的に開示することを禁じるフェア・ディスクロージャー規制の導入検討


4)個人情報保護法の改正法全面施行日は平成29年5月30日。

 オプトアウトによる第三者提供(法第23条第2項)に関する個人情報保護委員会への届出は平成29年3月1日から
 
◆顔認識データなどは個人情報と明文化。病歴など不当な差別、偏見が生じる可能性のある個人情報は「要配慮個人情報」、本人の同意義務化。
 
◆小規模業者も義務化:個人情報の数が5000件以下にも適用。
 
◆名簿業者への対策トレーサビリティ:第三者提供したり提供を受けたりする際に、取得経緯の確認・記録作成などを義務化
 
◆刑罰:直罰規定「個人情報データベース等不正提供罪」
 
◆「匿名加工情報」の規定を新設。
 
◆渉外規制強化:個人情報保護法の国外適用のほか、外国の第三者に個人データの提供について一定の制限を設けた。
 
 
◆必須規定・ガイドライン

個人情報の保護に関する法律(全面施行版)
個人情報の保護に関する基本方針
個人情報の保護に関する法律施行令の一部を改正する政令
個人情報の保護に関する法律施行規則
個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)
個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(外国にある第三者への提供編) 
個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(第三者提供時の確認・記録義務編) 
個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(匿名加工情報編)


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