自称霊能力者の民生委員ら2人による民家放火事件で、大阪府警捜査1課は24日、同事件の被害者である大阪市西成区の会社役員(67)の母親(当時92歳)に対し、殺害目的で薬物を投与したなどとして、実行役の元介護士・田向啓子被告(53)(現住建造物等放火罪などで起訴)と、指示役とされる自称霊能力者の民生委員・寺谷均美被告(53)(同)を、殺人と殺人未遂の両容疑で再逮捕した。

 発表によると、両被告は共謀、田向被告が介護士として出入りしていた会社役員宅の母親の殺害を計画。2007年4月3日、母親に精神安定剤を飲ませ、顔を枕に押しつけて窒息死させようとしたほか、同年5月2日夜、再び精神安定剤を服用させて意識不明の重体に陥らせ、さらに入院先の病室で精神安定剤やインスリンを投与。その結果、肺炎を引き起こさせ、同月27日に殺害した疑い。寺谷被告は容疑を否認、田向被告は認めているという。

 田向被告は、別の民家に放火したとして昨年3月に逮捕された後、「放火などを寺谷被告に指示された」と供述し、府警が同7月、寺谷被告を逮捕。その後、田向被告が「人を殺した」と今回の逮捕容疑について自供し、府警が裏付け捜査を進めていた。

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