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腓骨神経麻痺は、膝の外側を走る腓骨神経に障害が起こり、足の動きや感覚に異常が
生じる病気です。歩行困難やしびれ、痛みなどの症状が現れ、日常生活に支障をきた
すこともあります。
このブログ記事では、腓骨神経麻痺について詳しく解説します。原因、症状、治療法
はもちろん、リハビリテーションや日常生活での注意点まで幅広く紹介していきま
す。
１．腓骨神経麻痺とは？
腓骨神経は、膝関節の外側から下腿の外側、足首、足背を通り、足の指を動かす神経
です。この神経が障害されると、足の動きや感覚に異常が生じ、腓骨神経麻痺と呼ば
れる状態になります。
1.1腓骨神経の役割
腓骨神経は、主に以下の役割を担っています。
・下腿の外側の筋肉を動かす：足首を背屈（足の裏を上に向ける）したり、足指を上
げる動きを司ります。
・足首と足指の感覚をつかさどる：足の底や側面の感覚、温度差、痛覚などの感情情
報を脳に伝えます。
1.2腓骨神経麻痺の種類
腓骨神経麻痺は、障害される部位によって以下のように分類されます。
・腓骨頭神経麻痺：腓骨神経が膝関節の外側にある腓骨頭の後ろを巻きつくように走
行する部位で障害されるタイプです。最も頻度の高い腓骨神経麻痺で、下垂足と呼
ばれる足の甲が下向きになる症状が現れます。
・深腓骨神経麻痺：下腿の外側を走行する深腓骨神経が障害されるタイプです。足首
を背屈したり、足の指を上げる動きに障害が出ます。
・総腓骨神経麻痺：腓骨神経麻痺と深腓骨神経の両方が障害されるタイプです。腓骨頭
神経麻痺と深腓骨神経麻痺の症状がすべて現れます。
２．腓骨神経麻痺の原因
腓骨神経麻痺には、様々な原因があります。主な原因は以下のとおりです。
2.1外傷
・膝関節の骨折や脱臼：腓骨神経は膝関節の外側を走行するため、膝関節を損傷する
と圧迫や断裂が起こりやすくなります。
・下腿の骨折：下腿を骨折すると、腓骨神経が断裂したり、圧迫されたりする可能性
があります。
・切創：下腿や足首を切ると、腓骨神経が損傷されるされることがあります。
2.2圧迫
・長時間同じ姿勢を続ける：長時間しゃがみこんだり、足を組んだりしていると、腓
骨神経が圧迫され、麻痺が起こることがあります。
・ギプス固定：骨折などでギプス固定を行うと、腓骨神経が圧迫されることがありま
す。
・腫瘍：膝関節や下腿に腫瘍ができると、腓骨神経が圧迫されることがあります。
2.3その他
・糖尿病：糖尿病による末梢神経障害が原因で、腓骨神経麻痺が起こることがありま
す。
・ギラン・バレー症候群：自己免疫疾患であるギランバレー症候群では、様々な末梢
神経が障害され、腓骨神経麻痺が起こることがあります。
３．腓骨神経麻痺の症状
腓骨神経麻痺の症状は、障害される部位や程度によって様々ですが、主な症状は以下
の通りです。
3.1運動障害
・下垂体：足首が十分に背屈できず、足の甲が下向きになる症状です。歩行時に足を
地面に引っ掛けたり、つま先で躓いたりすることがあります。
・足指の動揺：足の指を十分に上げたり、下げたり、広げたりすることができません。
・筋力低下：下腿の外側の筋肉が弱くなり、歩行困難になります。
3.2感覚障害
・下腿の外側、足首、足背のしびれや痛み：触覚、温度差、痛覚などの感覚が鈍くな
ったり、消失したりします。
・均熱感やチクチク感、痛みやしびれに加えて、熱さやチクチク感を感じることもあ
ります。
3.3その他の症状
・歩行困難：足の甲が下向きになるため、歩行が困難になります。
・転倒しやすい：足首が十分に背屈できないため、つま先で躓いたり、段差で転倒し
やすくなります。
・疲労感：足の筋肉を動かすために余計な力が必要となり、疲労感が生じやすくなり
ます。
４．腓骨神経麻痺の診断
腓骨神経麻痺の診断は、以下のような方法で行われます。
4.1問診
・症状の出現時期や経過
・既住歴
・服薬歴
・生活習慣
などを詳しく問診します。
4.2身体検査
・歩行の様子
・足首の可動域
・筋力
・感覚
などを検査します。
4.3神経学的検査
・電気刺激による筋反応検査
・神経伝導速度検査
などを行い、腓骨神経の機能を評価します。
4.4画像検査
・MRI
・CT
などを行い、神経の損傷部位や原因となる病変を調べます。
５．腓骨神経麻痺の治療法
腓骨神経麻痺の治療法は、原因や症状によって異なります。
5.1原因療法
・外傷が原因の場合、手術で神経を修復したり、圧迫を取り除いたりします。
・腫瘍が原因の場合は、腫瘍を摘出します。
・糖尿病などの基礎疾患がある場合は、血糖コントロールを改善します。
5.2対症療法
・装具療法：下垂足を改善するたに、装具を装着します。
・理学療法：筋力や可動域の改善、歩行訓練などを行います。
・薬物療法：痛みやしびれがある場合は、痛み止めや抗神経薬を処方します。
5.3リハビリテーション
腓骨神経麻痺の完治には、リハビリテーションが重要です。理学療法士による運動療
法や歩行訓練を受けることで、筋力や可動域の改善、歩行能力の向上を目指します。
６．腓骨神経麻痺の予後
腓骨神経麻痺の予後は、原因や症状によって様々です。軽度の場合であれば、保存療
法で改善する可能性があります。しかし、神経が完全に断裂している場合は、手術が
必要になる場合もあります。また、糖尿病などの基礎疾患がある場合は、回復が遅れ
ることもあります。
７．腓骨神経麻痺の日常生活での注意点
腓骨神経麻痺の日常生活での注意点は以下のとおりです。
・転倒に注意する：足首が十分に背屈できないため、つま先で躓いたり、段差で転倒
しやすいので注意が必要です。
・足首や足を冷やさない：血行が悪くなると、症状が悪化する可能性があります。
・適切な靴を履く：足に合った靴を履くことで、歩行が楽になります。
・定期的に経過観察を受ける：定期的の医療機関を受診し、経過観察を受けることが
大切です。
８．まとめ
腓骨神経麻痺は、足の動きや感覚に異常が生じる病気です。原因や症状によって治療
法は異なりますが、早期診断と適切な治療を受けることが重要です。また、リハビリ
テーションによっても改善が期待できます。腓骨神経麻痺でお悩みの方はぜひ医療
機関を受診してください。
