


同じ蒸留酒である焼酎を樽貯蔵したらどうなるのか。
ウイスキーも折々に飲む自分としては、以前からとても興味があった。
暑い日が続き、こういった酒をロックでくいっといくにはいい季節になったこともあり、
今回いろいろと飲んでみた。
亜士亜の眠り は芋焼酎、福岡県の株式会社篠崎製で、かごしま屋 さんのプライベートブランドである。
これは熊本県産赤芋使用原酒を樫樽貯蔵したもので、アルコール度数36度である。
百年の孤独 は麦焼酎、宮崎黒木本店のやはり樫樽貯蔵焼酎で、アルコール度数は40度。
世間的にはとても有名なので自分がとやかく注釈することもない焼酎だ。
極上 大石 は米麹のとうもろこし焼酎、熊本球磨の大石酒造製、やはり樫樽貯蔵である。
樽はコニャック樽を使用し、アルコール度数は38度とのことである。
欧羅火(オラーカ)は米焼酎、さつま白波で有名な薩摩酒造製の樫樽貯蔵酒だ。
薩摩酒造はこんなものも醸しているのだ。アルコール度数は調整済みの25度である。
くろうま は麦焼酎、宮崎神楽酒造の醸す酒だ。くろうま には色々な種類があるようだが、
今回いただいたのは くろうま長期貯蔵 25度 で、樽に長期貯蔵されたタイプの くろうま である。
那由多の刻(なゆたのとき) は そば焼酎である。そば焼酎 雲海で有名な宮崎雲海酒造製だ。
樫樽貯蔵、アルコール度数は25度である。
壱岐 は長崎県壱岐島玄海酒造の麦焼酎、米1/3麦2/3の壱岐焼酎だ。壱岐 にもいろいろな種類があるが、
今回いただいたのは シェリー樫樽貯蔵のスーパーゴールド22度である。
それぞれ飲んでみた感想を大雑把なのは御容赦いただくとして記すと、
くろうま、壱岐はやはりスコッチウイスキーに近い風味がする。極上 大石はバーボンウイスキーに近い。
それぞれをスコッチやバーボンといちどきに飲み比べていないのでなんともいえないが、
焼酎だからという個性はそんなに感じられない気がする。
欧羅火、那由多の刻は、比較になるようなウイスキーは無いので期待していたのだが、
それぞれ米焼酎・そば焼酎の風味が余り変化せず残っている感じがした。
これだと樫樽貯蔵だからという個性は余り感じられないと思った。
百年の孤独は、有名になるだけのことはあると思う。
原酒は同黒木本店製麦焼酎 中々とのことだが、同じ大麦焼酎の兼八や青鹿毛を樽貯蔵したら、
こんな風になるのだろうなと思わせる味わい深い酒だ。
もともとは鮮烈な麦焼酎が、樽貯蔵して奥ゆかしく熟成したような酒である。
これはスコッチウイスキーとは違う、個性的な酒である。
そして、亜士亜の眠り は…芋焼酎であるとは信じられない、驚くべき酒である。
普通の黄金千貫ではなく、赤芋を使用した原酒というところに秘密があるのか、
他にも製法工程に普通ではないものがあるのだろうか。
アルコール度数や甘み的には、無理して言えばテキーラに近いような気がするが、
おそらく日本の外に類似品はない。そして堪らなく旨い酒だ。
樽貯蔵蒸留酒として、世界に誇れる酒であると思う。