至福の時 | 大池田劇場(小説のブログです)

至福の時

仕事で表示を頼まれた動画です。見てくださいね(。・ω・)ノ゙。
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         至福の時
           1
私の名はエリザベス。
 港の見える洋館に住んでいる。
 大きなお屋敷でたくさんの召使い達と一緒に生
活している。
 お嬢様の私は働いていない。
 そんな必要はないからだ。
 食事はきちっと召使い達が用意してくれるし、
身の回りの世話も彼らがやってくれる。
 お風呂でさえ自分で体を洗ったことなどない。
 メイドが丁寧に背中を流してくれるのだ。
 だから毎日遊んで暮らしている。
 お屋敷にある大きな花畑。
 そこが私の好きな場所だった。
 天気の良い日はその花壇に座って一日を過ごす
ことも多い。
 今はヒマワリの花が一面に咲いている。
 ヒマワリの木陰はとても涼しくて過ごしやすか
った。
 その日はとても気持ちが良かったのでお屋敷の
中を散歩することにした。
 広いお屋敷は今の時間は誰もいない。
 私は広大な屋敷の中を隅々まで歩くのを日課に
していた。
 これが結構運動になって良いのだ。
 小鳥達の囁きが耳を潤す。
 成ったばかりのブドウの房が棚から覗いている。
 昨年は青い内に鳥に食べられたらしいが今年は
大丈夫だろうか。
 風で柳の木の枝が優しく揺れていた。
「あれ、こんなところに畑が・・・。」
新しい畑があった。
召使い達が耕したようだ。
柔らかい土が心地よい。
土の臭いが新しい生命の息吹を感じさせる。
私は急に催して来たのでここに腰を落とした。
 大丈夫、誰も見ていない。
そのはずだった。
 「○○××○!」
 急にけたたましい物音と罵声がした。
 「何よ、何が起こったの。痴漢、痴漢よ。」
 驚いて悲鳴をあげたけど、この状況では小さくう
ずくまるしか方法がなかった。
           2
 「このアホ猫。また花壇掘り返して・・。」
 ちょうどほうれん草を植えたところへウンチをし
ている。
 「みゃああ。」
 エリザベスは抗議の声をあげた。
 ほうれん草にあげた肥料の牛糞が、足にいっぱい
くっついて、真っ黒になっていた。

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(実は一つの話を完結して他の話へ行くという手法


をとっておらず、いくつかのシリーズを並行して書い


ていますので、目次をご覧になった方がわかりやす


いかと思います。きまぐれで他のシリーズへ飛びま


す。)