「……ンッ…」
目を開けると…
秀「……スゥ~…」
久しぶりに暖かい気持ちで朝を迎えた…
「シャワーしなきゃ…」
ゆっくりとベッドを降りて、浴室へ向かい、
シャワーを浴びた…
…ジャーッ
…キュッ
…パタンッ
「……」
体と髪を拭きながら…
鏡に映る自分の姿に何故か手が止まった…
…コポコポッ
秀「……どうした?」
「あっ…おはよ。」
沸騰をし始めたケトルの前でぼーっと立って
いたら、起きてきた秀太が横にいた…
秀「なん?めっちゃぼーっとしとったけど。」
「ゴメン…なんか《無》になってた(笑)」
秀「気をつけな火傷するよ?」
「うん…
フレンチトースト作ったけど、食べる?」
秀「うん、食べる。
冷蔵庫ん中、なんもなかったやろ?」
「うん…でも、冷凍してた食パンと卵と牛乳が
あったから。」
秀「ありがと。先にシャワーしてくる。」
「うん。」
…コトンッ
秀「サンキュ。」
シャワーから戻って、ダイニングテーブルに
座った秀太に砂糖と牛乳を入れたコーヒーと、
フレンチトーストを出した…
「さっきね…」
秀「んっ?」
ブラックコーヒーを入れたマグカップを握り
ながら、朝から感じていたことを話す…
「シャワーをして、洗面台を見渡しても…
キッチンに立って、リビングとか周りを
見渡しててもね…」
秀「うん…?」
「私の存在があるなぁ…って…
ここに…秀太と一緒に暮らしてる感じ?
証拠?があるなぁって…
ナチュラルに私の部屋着があったり…」
秀「……」
「私の家じゃないのにね(笑)」
秀「そりゃ、あるやろ…」
「んっ?」
秀「最初は行き来みたいな感じやったけど、
今は礼奈の家でもあるって、俺もそう
思っとったよ。礼奈の物とか増えたし。
いわゆる半同棲?ってやつ?」
「そうだね…」
秀「この1ヶ月さ…」
「うん…」
秀「忙しいのもあったけど…
1人やと、飯…作る気にもならんし…
さっき礼奈が言ったみたいにさ、2人で
おるんが当たり前になってたなって…」
「そうだね…私も思ってた…」
秀「冷蔵庫ん中も廃人みたいに空やし(笑)」
「廃人って(笑)」
秀「それだけ…甘えとったよなって。」
遠距離恋愛の人や単身赴任の人からしてみれば
たった1ヶ月離れていただけなんだろう…
でも…
この1ヶ月…
秀太のこと
自分のこと
仕事のこと
2人のこれからのこと
色々なことを考えに考えた…
きっと、秀太も同じだと思う…
秀「あんさ…」
「なに?」
秀「俺、引っ越そうと思うんよね。」
「えっ?」
秀「こん前、シンガポールでさ、ここも長いし
もうちょい広いとこに引っ越そうかなって
話しよったやん?」
「あぁ…うん。」
秀「んでさ、礼奈……
「私も、引っ越そうかな…」
秀「んっ?」
「一緒に…っていうのはまだ出来ないけど、
また、近くに部屋借りようかな。」
秀「そっちね(笑)」
「でも…」
秀「うん?」
「これから私も異動になって、お互いの
仕事の時間が今まで以上に合わなくなる
だろうし、会えない日も続くだろうから…
部屋は別々に借りてても…
秀太の家に帰ってきたいなって…
ここにいたいなって…そう…思ってる…」
秀「うん。」
「それに、喧嘩した時の逃げ場いるし(笑)」
秀「そーゆーこと?(笑)」
「それは冗談だけど(笑)
秀太が私との将来を真剣に考えてくれてた
ことが本当に嬉しかったから…
私も、秀太とのこれからを真剣に考えた。」
秀「うん。」
「表向きには出来ないけど…
2人でさ、2人だけの時間を作ってもいいの
かなって。今よりも、少しだけど、前に
進んでもいいのかなって…」
秀「……」
「言ってること、意味わかんないよね?(笑)」
秀「他が知らんだけで、俺達だけの空間を
作りたいってことやろ?」
「うん…」
秀「いんじゃない?それでいいと思う。」
「秀太…」
秀「俺ん家が本宅で、礼奈ん家が別宅になる
ってことやろ?」
「要するに…そうだね。」
秀「いいやん。それで。」
「うん…ありがと。」
また…
これからも…
私達らしい新しい形で糸を紡いでいけばいい…
秀「礼奈、スーパープロ彼女やしね。」
「プロ彼女!?(笑)」
秀「結婚までバレんかった芸能人の一般人の
彼女をそうやって言うらしいよ(笑)」
「あぁ〜…最近よく聞くね(笑)」
秀「まぁ…俺達の場合さ…
ここまできたら、籍入れとるか入れて
ないかの話なんよな。」
「まぁ…ね…」
秀「それでもいっかなって思ってきた。」
「事実婚的な?」
秀「それそれ。まあ、親達からしたら無責任
なんかもしれんけど…」
「私達らしくていいじゃないかな…
うちの両親も私達のことは私達に任せるって
言ってくれてるし…」
秀「そうやね。」
優しく笑う秀太の顔に…
秀「どした?急に隣来て(笑)」
キスをしたくなった…
「あま…(笑)」
秀「甘いもんしか食ってないもん(笑)」
「これからも…よろしくお願いします…」
秀「なんだ、それ(笑)」
「昨日の今日だし…
今…そーゆー感じの話してたし?」
秀「あーね。
そりゃ、よろしくされます(笑)」
さっきより深くて…
甘い味が私の口の中に広がった…
秀「引っ越したら色々と買い替えたいな~。」
「ソファー、大きいのにしようよ。」
秀「なんで?」
「秀太、すぐにソファーで寝ちゃうから私が座るとこ
なくなるんだもん。大きい方がゆっくり出来るし。」
秀「すでに選択権そっちやん(笑)」
「あっ、ベッドも。」
秀「それはなんで?」
「大きい方がいいし、色々と思い出しちゃうから。」
秀「あぁ、はい(笑)」
