月日は百代の過客にして、行きかう歳もまた旅人なり。
舟の上に生涯をうかべ馬の口をとらえて老いを迎うるものは、
日々旅にして、旅をすみかとす。

松尾芭蕉の奥の細道の冒頭部分である

芭蕉が晩年東北の地を移り歩く
正式には「おくのほそ道」と記すらしい

そして何度も推敲され
そのため現在原本とされている西村本の他に
中尾本・曾良本・柿衞本がある

また芭蕉の生涯は、なぞの部分が多く
芭蕉忍者説などもあるが
その真贋は解明されていない

その芭蕉の辞世の句として有名なのが

旅に病んで夢は枯野をかけ廻る

その俳句を冒頭に置き
認知症や介護の問題を取り込みながら
主人公「羽村祐太」を取り巻く人間模様が
織り成す世界をシニカルな語り口で綴る


夢は枯れ野をかけめぐる (中公文庫)/西澤 保彦

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主人公である羽村が自分と同年代であることが
この作品の世界に入りやすく感じた原因なのかは
自分でもよくわからない

それに同年代とはいえ
彼のようにお金を溜め込んでるわけでは無いし…orz

しかしこのラストシーンに
読み手は、いい意味で騙される
それでいて綺麗にまとまっているため
読み終えて清々しい気持ちになる

へルタースケルター
古い映画だが
スティングを始めて見たときのような
そんな気持ちが心に残る作品に感じた


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