ゲートの後ろで輪乗りを続ける各馬
中でもグッグッと気合が入るたびに
前にのめりそうになる
ヴィクトワールピサ鞍上の岩田騎手
気合充分、後は天命を待つのみ

ゲートが開く
いっせいに1コーナーをめがけて
各馬が殺到する
しかし人気の一頭5枠9番のペルーサは
ゲートの出が悪く後方に置かれてしまう

淡々と進むレース

行くと思われた
松岡騎手騎乗のコスモファントムのハナを
同じ色の帽子をかぶった
ウィリアムズ騎手が奪いレースが進行する
大外からはシャイン
最初の1000M通過は61秒6
少々湿っていても
スローといっていいペースだ

岩田騎手はインでじっと我慢
道中5・6番手で脚をためる
出遅れたペルーサも徐々に
ポジションを上げていく

そのままの態勢で4角をまわり
最後の直線コースへ

残り400
内からエイシンフラッシュが
抜け出しを図る
馬場の真ん中を2歳Championの
ローズキングダムが切り裂く

ペルーサはまだ後方
ヴィクトワールピサも
3番手争いから
何とか抜け出そうともがく
しかし

抜け出したエイシンフラッシュを
誰も捕らえることはできずにゴール
内田博幸が
昨年のリーディングに続き
ダービージョッキーという
大きな勲章を得た瞬間だ

内博としても
昨年のリーディングの勢いのまま
迎えた今シーズン
年明けのスタートは上々だったものの
悪夢の大惨事に巻き込まれてしまう

3歳クラシック路線に進む有力馬が
次々と乗り替わっていく
驚異的なリハビリを経て
復帰も思うように勝ち鞍はのびていかない

あきらめない・・・
あきらめたら
そこで止まる
止まれば後から来た者に
追い越される

京成杯からぶっつけで挑んだ
皐月賞で3着入線し
かすかな手応えを感じ取っていたはずの
エイシンフラッシュ

2007年に生まれたサラブレットの
頂点ともいえる
東京優駿の優勝馬に登りつめる

騎乗停止でダービー参戦が
叶わなかった
小牧騎手も残念だったろうが
代打の後藤騎手もがんばって2着
後藤騎手とて首差届かなかった
戴冠に無念で一杯だろうが・・・

そして昨年のアンライバルドに続き
2年連続1番人気の皐月賞馬に騎乗の
岩田騎手、ヴィクトワールピサも
33秒1の脚を使っているが
最後まで縮めることのできなかった
2馬身ほどの差
次のリベンジを誓い
春シーズンを終えることになったが
まだまだ彼らの勝負は、始まったばかり
これからもいくつもの名勝負を
僕らファンに魅せてもらいたい

おめでとう
エイシンフラッシュと
内田博幸騎手

Never mind
岩田騎手と
ヴィクトワールピサ