引退が発表され
母としてのスタートを切った
ウオッカの軌跡を
辿ってみたくなり
書き始めたウオッカ物語
書き始めると
いろいろな思いが
いくつも浮かんでくる
個人的には
女傑といわれた
エアグルーヴのほうが
好きだが
その栄光と挫折の繰り返しとなった
波乱万丈の軌跡を
個人の思い入れたっぷりに
綴ってみたい

プロローグ
明け6歳となったウオッカ
最後に残ったの忘れ物を取りに
新装となった
ドバイ、メイダン競馬場に向かう

前哨戦とはいえ
陣営が自信を持って
出走を決めたのが
マクトゥームチャレンジラウンド3

前走のJCを辛勝ながらも
制覇したことにより
マスコミもどんなレースをしてくれるか
期待たっぷりにレースを迎えた・・・・・・


誕生・デビュー
父タニノギムレット
母タニノシスター
2004年4月4日
静内のカントリー牧場で産まれた
1頭の牝馬は
後に数々の記録を打ち立てる
名牝となる

2006年10月29日
第5回京都8日目

6Rの新馬戦に
鞍上は鮫島克也
13頭立ての2番人気に支持された
ウオッカは
1番人気のレースドールの追い込みを
全く問題にせず3馬身1/2の着差で逃げ切る
逃げ馬がレース最速の上がり34.5秒
完勝といって良い初陣であった

2戦目からのパートナーは
四位洋文
その黄菊賞は出遅れが響いて
マイネルソリストの逃げを捕らえることが
できずに2着に敗れるが

3戦目には
暮れの大一番
G1阪神ジュベナイルフィリーズ
出走が叶う

人気は武豊騎手鞍上の
小倉2歳Sの覇者
アストンマーチャン
単勝オッズ2倍を切る1.6倍に対して
ウオッカは4番人気
単勝オッズも11.1倍をつけた

レースはルミナスハーバーが
軽快なペースでひっぱる展開となる
人気のアストンマーチャンは
3番手の絶好の位置取り
逃げるルミナスハーバーも2番人気に支持されるだけあって
4角をまわっても足取りは確か

最後の直線、ここで満を持して
アストンマーチャンが先頭に踊り出る・・・

しかし後ろから1頭
馬郡を切り裂きすごい脚でまくってくる馬が
ウオッカと鞍上の四位騎手だ
馬場のど真ん中をその豪脚で
アストンマーチャンを一完歩ごとに追い詰める
最後にクビほど先にでたところがゴール
2歳女王「ウオッカ」の誕生

父タニノギムレット
そのギムレットがジンベースの
カクテルなのに対して
アルコール度数の強い
蒸留酒「ウオッカ」
しかも
何も混ぜない
何も足さない

ストレートとするため
冠のタニノもつけることなく
「ウオッカ」と命名された牝馬が
最初の1冠を戴冠した瞬間だった