いつもお世話になっております。


お店を開店して早くも12年という月日が経ちました。

これも単に皆様のお陰でございます。

ありがとうございます。


郵便局員を辞めて、全くの素人の私がお店を持つ事は大変な思いでした。


オープンして半年、誰ひとりお客様は来店されませんでした。

その間、家賃・光熱費は嫌でも発生致します。

退職金・貯金はみるみる減るばかりでした。


安定した郵便局を辞めて、大好きなソフビの販売をさせてもらっている嫁や娘に当たるという事は死んでもしないと誓い、嫁は生活が厳しいのに、いつもニコニコして私を励ましてくれておりました。

そんなあらゆる事が重なり、とうとううつ病になってしまいました。




気分転換にと嫁と娘がボーリングに誘ってくれました。

その帰り、ふと立ち寄った本屋さんで、小林正観さんという本を何気なしに手に取り、家に帰って読みました。

トイレ掃除を推奨されておりました。

始めは損得勘定でもいいから、トイレ掃除をすると臨時収入が入る、お金に困らないと書いてありました。




藁にもすがる思いで早速トイレ掃除を始めました。

1ヶ月が過ぎ、3ヶ月が過ぎましたが、何の変化も起こりませんでした。


半年ぐらいでしょうか、もう頭からはお金の事は忘れており、自分の心を磨いている様で、ただただトイレ掃除が楽しくなってきました。

そして、ゴム手袋も付けなくなり、素手でズボッと便器に手を入れて掃除をする様になりました。


トイレ掃除を始めて1年近くなりました時に、東京在住の中国の方が来店されました。

その方は、日本に来て30年になりますとおっしゃられ、会社を経営されております社長さんでした。

右も左も分からない日本に来て心が折れそうな時、ふとアンティークショップに立ち寄り、中国で子供の頃に観ていた大好きなウルトラマンのソフビを買ったとの事でした。

毎日そのウルトラマンに励まされ、頑張ってここまで来ましたとおっしゃっておりました。

突然その社長さんが、こちらのお店にあるソフビケース事買わせて下さいとおっしゃられ、私も嫁もびっくりしました。

金額にして580万円程でした。

銀行に行ってお金を下ろしてきますと言い出て行かれました。

嫁と私は、悪い冗談は辞めてほしいなと言いました。

30分程してその社長さんが帰って来ました。

本当にお金を用意して来て下さりました。

その後、地元のケーブルTVが取材に来てくれたり、全国区のバス旅というTVが来てくれたりで、どんどんお客様に知れ来店して頂く様になりました。




私はトイレ掃除の効果?と思いました。


今ではすっかりトイレ掃除が習慣になりました。

そして、毎日がワクワク気分で楽しいです。


家からお店まで徒歩で10分くらいで、その間ゴミが落ちてましたら拾い、おしりのポケットにはレジ袋をいつも入れております。


自分でも、短気だったのが穏やかな性格に変わった(歳のせい?)様な気が致します。


そんな陰徳を積んで楽しんでおりますバカな私が大好きです。