読書 備忘録 ✳︎ |  ささやかな毎日の幸せ 

 ささやかな毎日の幸せ 

    2015.3生まれの息子との生活



最近読んだ本。




柚木麻子さんの、BUTTER。
翻訳されて海外でも読まれており、人気がある作品という事で手に取ってみました ニコニコ




実際に起こった事件を元にしたフィクションです。


殺人の容疑で逮捕された梶井真奈子との面会シーンで語られた、

「自分の欲望に正直に生きる」という、一見正論に思える生き方。

その自信に満ちた物言いには、思わずこちらが洗脳されそうなほど。

とにかく梶井真奈子の圧が凄いです(笑)


だけど、この人が言うそれは何か違う。

この考えをそのまま正当化してはいけない何かを常に纏っていて、それが何なのか考えさせられます。


「多様化している現代において、〇〇的という一括りにされたイメージは、何の実体も持たないものであり、

そんな形の無いものに、男も女もプレッシャーで苦しめられている」


という部分は、本当にその通りだなと。


皆、正解を求め過ぎている。

でもその正解は、即ち他人の求めている正解であるという事。


他人の正解に寄せようとする余り、

自分にとっての適量に自信が無く、目に見えるもの(形や数字)に頼りすぎて生きづらくなっている。


そういった現代社会の閉塞感や、人の内面と向き合う少し鬱屈としたお話ですが、最後は希望の見える終わり方で良かったです ニコニコ

色々とメモを取りたくなる作品でした。