/リニア・鉄道館 第12回企画展/ 23年3月〜24年1月

 重要文化財 国鉄バス第1号車のすべて

 〜岡多線(岡崎〜多治見、瀬戸〜高蔵寺)を走った乗合自動車〜 

 

 

1.省営自動車の誕生 

 

鉄道省は1930(昭和5)年12月に岡崎〜多治見間および瀬戸記念橋〜高蔵寺間65.8kmにおいて、初めて乗合自動車と貨物自動車による運輸事業を開始した この自ら経営した自動車運輸事業では、鉄道建設予定線の代行・先行路線としての位置付けで、国産自動車の乗合用バス7台および貨物用トラック10台を使用して運行した 

 

2.岡多線での運輸営業の開始 

 

全国の鉄道建設予定線の中から代行・先行的要素を持ち諸々の条件を満足する路線として、本州の真ん中に位置する東海道本線の岡崎駅と中央本線の多治見駅を結ぶ岡多線が運輸営業を開始する全国初の路線に選定された 

(パンフより)

 

3.国鉄バス第1号車の概要 

 

国鉄バス第1号車(鉄道省営乗合自動車)は、国産車による乗合自動車として設計製作された 鉄道省が主体となってこの乗合自動車の開発に向けて自動車メーカー3社の協力の下で検討を進めた 

(パンフより)

 

4.国鉄バス第1号車の文化的な価値 

 

国鉄バス第1号車(鉄道省営乗合自動車)は、2022(令和4)年に文化財保護法による重要文化財(美術工芸品)に指定された 

この車両は、乗合自動車事業の発展や自動車の国産化に貢献し、車両の先進性や規範性も高く、交通史・産業技術史の研究において価値が高い文化財として認められた 

(パンフより)

 

5.静態展示のための車両保存 

 

今から約90年前に誕生した国産車の省営バスは、7年足らずで岡多線の運輸営業を終えて廃車となる際、幾多の苦労を共にした職員たちに惜しまれていた そんな職員の想いが叶う形で、鉄道博物館(旧万世橋駅構内)の陳列品となり保存されることとなった 

(パンフより)

 

6.国鉄バス第1号車の現在の姿 

 

7.省営自動車が果たした役割 

 

鉄道省は、鉄道建設が求められていた昭和初期の時代、移動手段として便利であると認められた自動車の有効活用策を模索していた そして、自動車交通網調査会や国産自動車設計委員会などを省内に設置して、主導的な立場で省営自動車を誕生させ運輸営業を事業として確立させた 

初期の計画では、2年間で自動車経営の基盤整備を目的に事業展開し、道路整備の費用負担のあり方や民間事業者への影響に対する補償策を導き出した また、自動車の設計には鉄道の車両設計に長けた技術者を人選し、保守管理では部品類の品質管理と規格化などにも貢献した 

 

 

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https://museum.jr-central.co.jp/event/_pdf/230301.pdf

 

 

車両は常設展示なのでいつでも見ることができますが、今回の企画展は24年1月末までなので興味のある方はお早めに 

企画展はリニア・鉄道館への通常入場で見ることができます(大人¥1000、小中高生¥500、幼児¥200) 

図録は¥1200です 内容も濃くってオススメですよ 

 

(参考文献:リニア・鉄道館 第12回企画展 図録、重要文化財指定紹介 パンフ、現地展示、他) 

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