何度も何度も同じ悲しみを繰り返すと心が上手く動かなくなる

家族ってなんだろうか

ガソリンが空っぽで怒ることも泣くことも出来なくてただぼんやりした日々を過ごしている

20年以上考えても何も分からない

人生のほとんど全てを否定された
生まれたことも生きていることも
わたしの存在を

私に向けられた鋭い言葉たちが何度も何度もよみがえって心をズタズタにする

ちゃんと意識しないと呼吸すらまともに出来ないくらい胸を圧迫する

脳と全身がずっと痺れていて食べることも寝ることも上手くできない

そんな状態で半月経った



からっぽのこころに残ったのは音楽と猫だけ

どんな絶望も この絶対的な希望の前では大したことないのかもしれない


夜の雨の中 傘もささずパジャマのまま歩いていた


いつの間に家を出たのか分からない
どこに行くのかも分からない
帰り道も分からない

ただ足は勝手に遠く遠くに進んでて
私の意識は自分の身体の斜め後ろくらいをついてきている
違う人が私の身体で歩いてるのを見てるような
なんだか不思議な感覚だった

すごくぼんやりと曖昧だけど
ああ、わたしやっと終わろうとしてるんだなって謎の安心感があった

もう頑張らなくていいんだなって

周りのことばかり気にして、しぬことも生きることもしんどくて、何にもなれなかった自分を解放してあげるんだなって

そこでスマホに通知が来て
大好きな人が動画を上げていた
ビートルズのAcross The Universe
日本語のカバー

この人が歌ってくれる間きっとわたしは
何度も救われてしまうんだろうな

猫が待ってるなんて当たり前で最重要なことを思い出して知らない道を走って我が家を目指した

頭の中でずっと歌声が再生されている

何度もフラッシュバックしては私を傷つける言葉や記憶がいつのまにか停止していて
あの歌声と姿が曇った意識を晴れさせていく

もうライブに行けないや

やだな



ライブに行くために生きたいな

行けなかったとして音楽聴いてたいな



追いつかせて 待ってあと少しだけ
生きてる貴方はいつでも遠のいて僕を生かす
(私生活/東京事変)

このフレーズ大好きだったけど、まさか使う日が来るとは

まさにこんな気分

上手く寝れない自分に愛を