以前、S660の記事書きましたが…… 

実はあのとき、注文を入れていたのです!!
待つこと11ヶ月、ついに、ついに…



納車となりました!!
S660 モデューロX フレンチブルー・パール
人生最初で最後の新車!
ということで、ビートを2台乗り継いだ私がまだS660を60キロしか運転していないにもかかわらず「うちのビートもボロくなってきたなぁ、S660と入れ替えるか………?」という貴兄に送る言葉は


「待て兄貴、はやまるな」


です。

S660はビートの後継車ではない!とホンダはのたまいますが勝手に後継車として考えますと
ちょっと間違った方向にベクトルを向けて作ってしまった感があるんじゃなかろうか??


ということです。

さて、ビートの最大の魅力は何でしょう??
私個人的には
「ちょっと足りない」
ことなのです。
ビートってパワー、回頭性、車体剛性、全てにおいてちょっと足らんのです。
しかし実はここにドライバーが関与できる余白があるのです。

○パワーが無い:
ハンドルを切ったままアクセルを踏んだらパワーを食われるからアクセル全開の時は極力ハンドルを真っ直ぐにしよう。
カミソリシフトでタイムを稼ぐ!
バワーバンドを外さないようにヒールアンドトゥとダブルクラッチを駆使して常に高回転キープ
○アンダーステア:
頭が軽くて荷重がかからないならブレーキを残しながらコーナーへ侵入しよう。
エンジンブレーキ強めにすると頭が入っていくぞ!
○ボディ剛性の弱さ:
ハンドル操作を丁寧に、ブレーキも丁寧に。
ブレーキ残しながらコーナーへ侵入。ハンドルを切りながらブレーキをゆっくり離して前荷重から横荷重へ、荷重をしっかり外側の前後タイヤに乗せれば…なんやこの岩のような安定感!



このようにビートはドライバーが頭を使って運転することで速く走らせることが出来るのです。ドライバーの関与の度合いが大きい車です。小さく軽く重心低くZ軸周りのモーメントが小さい理想的な車なのです。細いローグリップタイヤで充分走ります。
なのでビートに対し「あ、乗ったことあるけどめちゃくちゃ遅いよ」とか「持ってたけど遅すぎて売っちゃった」って言ってる人、私は「こいつあんまり運転上手くないんやな」って思ってます。所ジョージさん、アクセル踏んでドンと出るアメ車にだけ乗っといてください。
そしてビートでやってはいけないこと、それは「数字に出る勝負」です。
ビートはドライバーの運転技術がものすごく反映される車です。なので競うのは昨日のあなたであり決して筑波サーキットのタイムではないのです。
サーキットのラップタイムを競い出すと排気量の差、ボディ剛性の差、足回りの差、ブレーキの差が如実に現れます。この土俵にビートをのせてはいけません。先程のビートの良さ「ちょっと足りない」を物理的に埋めなくてはなりません。
モアパワーとして排気量アップ、過給器取付、太いタイヤ、ケージ組んでクローズドボディ。
結局ビートの良いところを潰した、パワーが無くてちゃちい足回りに無理やり太いタイヤ履かせた重くてバランスがめちゃくちゃの車が出来上がってしまいます。
あれ?S660……ちょっとそっちにベクトル振って無いか??
普通の道で6速を使えないギヤ比。
オーバーステア。
必要以上のハイグリップタイヤ。
トルクフルなターボチャージャー。
ホロでなく取り外し可能な重くてガッシリした屋根。
電子制御てんこ盛り。
うん、この車、サーキットで仕上げてしまったね。多分ミニサーキットでは異常に速いんじゃないかな?自慢の6速も180キロとかで生きてくるでしょう。
でも…この車「足りない」が足りないな…
完成度が高い、けどドライバーの関与できる余地もあまり無いね。
ビートを手放してS660に買い換えようかという貴兄、S660の進化に驚きますたぶん。
そして、
「やはりビートは名車である」
と再認識するでしょう。
そして、ビート発売から30年のこの進化は自分にとってピッタリ合う!という方にとっては最高の車となるでしょう。
そしてビートを心底愛していた貴兄は
「ビート置いとけば良かった」
となります。
私としてはどうか皆様の後悔のない選択となられますことをお祈りいたします。
試乗できるならするべきですよ、マジで。