●ステアリングダンパー


私の750カタナは8耐マシンからエンジンと足回りをそのまま移植したので付いていました(すでに外しましたが)がそもそもステアリングダンパーって必要ですか?ステアリングダンパーはレースで轍に引っかかってタイヤが振れたりコーナー立ち上がりでフロント荷重が抜けたときに変な挙動が出ないために付けるものだと認識しております。ネット動画でクルーザーのデカいハーレーにステアリングダンパーを付けて自慢してるの見ましたがステアリング周りに不必要なものをわざわざ付けるの、理解できません。車体横に不自然に危険な出っ張りが出るし取り回しが重くなる。
本来変な挙動はフロントフォーク、前後車高、タイヤ形状やサイズ、キャスター、トレール量など基本設計で消すモノでそれでも出てくる挙動を抑えるため、もしくはコーナリング重視でキャスターを立ち気味にした時など、付けたくないけど仕方なしに付けるものです。飾りでは無いのです。ステアリングダンパーを付けてるけど重いから効きをゼロにしてるとか、全く意味なしです。横の出っ張りに服を引っ掛けてバイクを倒すのがおちです。



●フロントフォークスタビライザー



フロントフォークスタビライザーとはフロントフォークの左右の捻れやストローク量のズレを抑えるために付けるもの、とのことです。

が、

こんなもんでは無理やで。

フォークアウターの上に8mmぐらいの板をちょっとボルトどめしたようなもんで何ができるというの?

フロントフォークはどうやって平行と真円を保ちながら取り付けるかがポイントです。なのでトップブリッジ、ステム、アクスルシャフトの3点の締付トルク管理、取付順番、平行出しが肝なのです。取付ボルトを何も考えずにギューギュー締めるとフォークが潰れて楕円になります。メーカーにて決められたトルクで締めるのは基本です。

我流ですが、私はフロントフォークを取り付ける際、まずトップブリッジでフォークの突き出し量を決めて全てのボルトを仮留めし、トップブリッジのボルトを本締めしてフォークを何度も沈めてねじれ取りと平行出しをします。その後ステムのボルトを本締めして再度フォークを沈め、フォークアウターチューブとアクスルシャフトの平行を出してアクスルシャフトを本締めします。

こんな感じでピシッと組んだフォークの中央にスタビライザー?はっきり言って邪魔です。

走行中フォークは捻れるもんです。左右も別に上下します。ハードブレーキングで200キロ近い車重がフロントタイヤに乗り、そのまま寝かし込んでいくんですから。そして変な挙動を抑えるのはトップブリッジ、ステム、アクスルシャフトとフォーク自体の剛性であってスタビではない。スタビがあるとスタビのところでフォークアウターチューブに変な力がかかり、フォークピッチが狭められたりフォークシールの真円が楕円になったりしてフォークの動きが悪くなり、ろくなことはありません。

どうしてもスタビライザーをつけたいならチャリンコ用フォークみたいな

フォークアウター一体型にしないと駄目でしょうね。

あと、スタビライザー吊り下げ型フェンダー?下からの突き上げだけでなく風圧でも変な挙動を出すパーツでしかありません。

メーカーの純正吊り下げ型フェンダーのスタビライザー、ほぼ1.5mm以下のペラペラの板で左右フォークが自由に動くように作られてます。風圧によるフェンダーの動きも極力フォークには伝わりません。メーカーは分かって作っているんです。



バイクをカスタムするのにいろんなパーツを付けたい!わかります。かっこいいから付けたい。それも自由です。ただ、理屈をちゃんと知った上で付けないと改悪になります。賢い消費者にならないとただただお金を吸われるだけのライダーになりますよ。


カスタム虎の穴という本に書いてました。
「おまえらはいらないものは付けたがるし、いるものは外したがる。」

いい得て妙。