今日は私が愛してやまない声優の1人・

飛田展男さんの誕生日です!

 

おめでとうございます!

 

 

飛田展男さんは1959年11月6日生まれ、蠍座のAB型。

 

茨城県水戸市出身で、所属事務所はアーツビジョンとなっております。

 



子供の頃は小学館の学習雑誌や父が出張の時に買ってきた『週刊少年サンデー』や『週刊少年マガジン』などに載っていた『鉄腕アトム』や『ジャングル大帝』、『鉄人28号』を読んですり切れてボロボロになるまで読み返していたという飛田さん。

 

その頃から学年誌の記事を読んだことで清水マリさんや高橋和枝さん、白石冬美さんといった声優のことは意識していた他、本を音読する事が好きであったそうです。

 

俳優、演劇部というのには接点がなく、声優一本だったといいます。

 

昔からアニメを結構見ており、印象に残っていたのは『長靴をはいた猫』(1969年公開)や『太陽の王子 ホルスの大冒険』(1968年公開)で、6つか7つの頃に父が「面白そうなものやるぞ」とテレビをつけたことで見ていた『ウルトラQ』の第1話「ゴメスを倒せ!」を鮮列に覚えており、怪獣気違いだったといいます。

 

同話に登場する少年の声がTVアニメ『少年忍者風のフジ丸』(1964年放送開始)の主人公・風のフジ丸と同じ声(小宮山清さん)だと思っていたほど妙な所が気になったこともあったといいます。

 

『ウルトラQ』の後継番組の『ウルトラマン』も見ており、当時はウルトラマンの声が気になっていたそうです。

 

その後中曽根雅夫さんがそのウルトラマンの声だった事を後から知ったといいます。

 

『ウルトラマン』では登場怪獣が好きで、再放送も含め何度も見ていくうちにキャストやスタッフの名前も覚えてしまっており、このことはオタク人生の始まりだったと語っています。

一方で、中学生までは学校の教師になりたいと言っていたそうです。

 

中学生の頃、父が英語の勉強のために買ってくれたカセットレコーダーでアニメソングを録音していたといい、テレビで流れるオープニングとエンディングを片っぱしから録っていましたが、ある時誤ってTVドラマの音声を録音してしまいます。

 

最初は「しまった」と思いながらもそれを聴いていくうちに台詞など覚えてしまい、真似たりするうちに「こういうの面白いな」と思うようになりました。

 

そのカセットレコーダーについては一度も英語の勉強のために使った事はありませんでした。

 

この頃好きな声優は特にいませんでしたが、「すごいなあ」と思ったのは小山田宗徳さんと若山弦蔵さんだったといいます。

子供の頃は漫画もあまり読みませんでしたが、茨城中学校に進学後、吉田秋生さんや萩尾望都さんなどの漫画を読むようになりました。

 

少年漫画は永井豪さんが好きであり、『あばしり一家』の荒唐無稽さが好きだったそうです。

 

中学時代に『デビルマン』に熱中しており、その『デビルマン』も「結末考えないで描いて、あれだけきちっとまとまったって、大したもんだな」と感激していたそうです。

 

『デビルマン』については元々妖怪や悪魔類が好きだったことからテレビを見たのがきっかけだったそうです。

 

同級生から原作を教えてもらった事で原作の方にも一気に没入していたといいます。

アニメを見ていた頃から成長していき、ある程度アニメから卒業していくという感覚は1985年のインタビューでは『魔法使いサリー』を見て泣くことからあまりないといいます。

高校2年生の頃、漫画の台詞を声に出して読む事を友人とするようになり休み時間に色々な漫画を読み合っていくうちに漠然と声優になってみたいという気持ちが出始めます。

茨城高等学校卒業後、受験勉強を1年して茨城から上京して駒澤大学文学部歴史学科に進学します。

 

在学中は放送研究会に所属していましたが、通ってもサッパリ張りが出ず勉強の意欲が湧かず、ただ毎日機械的に大学に通う生活に嫌気が差していたといいます。

その頃に創刊された『アニメージュ』や『宇宙船』などの専門誌で「日本アニメーション映画史」や「大特撮」を貪り読んでいたといいます。

大学在学中のある日の夕方、下宿でボンヤリとTVアニメを見ていた際に「そうだ!せっかく東京に出て来たんだ。声優になってみよう!この仕事はオレの性に合っている。やりがいもありそうだ」と思い、声優を志します。

 

その後、映画雑誌『SCREEN』で掲載されていた若山弦蔵さんや野沢那智さんといった吹き替えの主演を務めていた声優のインタビュー記事を読んで声優が多く所属していた劇団の養成所を目指し、大学2年生の時に大学を中退します。

 

両親の猛反対を押し切って声優の世界に飛び込んだといいます。

劇団NLT付属俳優教室[に入所し、並行して声の仕事をメインでしてきたという人物達が集まり、結成した勉強会のボイス・アーツの募集記事を偶々『アニメージュ』で見つけました。

 

雑誌の中にほんの数行だけ「男子のみ、若干名募集」とあり「こういうものにも触れておいたほうが勉強になる」と思い応募し、その勉強会に参加します。

 

その勉強会の講師だった春日正伸さんや本田保則さんのレッスンを受けていました。

 

ある現場でテストが終わった途端に春日さんから「飛田!お前、台本(ホン)読んできたのか!?」とダメ出しを受けていましたが、飛田さんはその春日さんの一声で自分の役がどんなドラマをしょっているのか一発で分かったといいます。

それが大きな転機になり、後に所属する事になるアーツビジョンの人物に会い、その結果として声優としての活動を始めます。

 

洋画『暗闇にベルが鳴る』吹替版の警察無線の声で声優デビューし、1982年放送開始の『サイボットロボッチ』のボブ役でアニメ初出演を飾りました。

 

同時にアーツビジョンの当時の社長・松田咲實さんとも知り合えたり、2022年当時の飛田さんに繋がるご縁ができたといいます。

その後1983年放送開始の『キャプテン翼』の若島津健役で初めての名前の付きの役かつ初レギュラーを獲得し、1985年放送開始の『機動戦士Ζガンダム』のカミーユ・ビダンで初主演を果たしました。

 

 

なお、『キャプテン翼』のオーディションでは当初は主人公の大空翼役で受けており、当時の原作は中学生編が始まったところだったこともあってそのつもりで受けていたところそのキャラは小学生という設定でした。

 

その後、『キャプテン翼』のレギュラーのキャラクターを演じていた声優が『キャプテン翼』を降板した事でその役の声の二代目を決めるオーディションに飛び入り参加するもその役は女性声優の小粥よう子さんに抜擢してしまい、残念な結果となりました。

 

若島津健役を演じる事になったのは「新登場キャラで出演が決定した」と連絡が来たからでした。

 

『キャプテン翼』では勉強会の同じメンバーで小粥さんとアナウンサー役の村山明さんなどのキャストたちにお世話になったそうです。

 

その後2018年放送開始の『キャプテン翼(第4作)』ではナレーションを務めており、当時はそれの出演のオファーがあって「まさかね…」と思っていたところナレーションだったといい、なかなか難しい役どころでしたが台本を読む度に「若島津」の文字に目がいってしまい、苦笑しまくりだったといいます。


『機動戦士Ζガンダム』を知ったのは勉強会で小粥さんが「こういうの始まるみたいだよ、私、この役は飛ちゃんの声が合うと思う!」と言ってくれたからだったといいます。

元々初代の『機動戦士ガンダム』(1979年放送開始)が好きだった事から、オーディションでは台詞を一通り喋った後の1分間程のフリートークで「あんなに素晴らしい終わり方をしているのになぜ続編なんか作るんですか」と衝動的に言ってしまったそうです。

 

後日、主役に決まった際は驚き「フリートークをスタッフは聞いてなかったんだろうな」と安心していましたが、キャストやスタッフの顔合わせの場で監督の富野由悠季さんは作品に対する思い入れや続編を作る事になった理由を懇切丁寧に話し、一通り話し終わった富野さんは飛田さんの方を向いて鋭い目つきで「あなた、納得しましたか!?」と言ったといいます。

監督が富野さんである事に加えてシャア・アズナブル役の池田秀一さんやアムロ・レイ役の古谷徹さんと共演する事も分かっており、存在感のあるキャラクターが次々に出てくるため主人公といえど途中で交代になるかもしれないというプレッシャーが常にあったといいます。

 

またEDのクレジットではカミーユよりシャアが上であり、当時は疑問に思っていた一方で「こうなったら絶対に最終回まで生き残ってやるぞ!」というモチベーションにも繋がったといいます。

 

また、最初の脚本ではカミーユは物語終盤に死ぬ予定でしたが実際はそうならなかったため「多少なりとも頑張った甲斐があったのかな」と思ったといいます。

本人のカミーユへの印象は「思ったらすぐに手が出ちゃうような、そういう意味ではアムロ・レイとは対照的な人物」だといい、「素直に黙ってればいいのにと思いながらも共感することはできました」と語っています。

 

台詞が日常的な言葉というより文語的な感じであり、戦闘シーンより日常の会話シーンの方が演じていて大変だったといいます。

最終話でカミーユの精神が壊れるラストは3ヶ月前から知っており(どんな感じで壊れるかは知らなかったそうです)、それまで凄まじいシーンが続いたため音響監督の藤野貞義さんから「最後にちょっとおかしくなっちゃうけど、あまりやりすぎないでね」と芝居じみた演技にならないよう言われていたそうです。

 

シロッコを倒した後にファに声をかけられ答えるシーンは実際にやってみると楽にでき、一年を通して一番気負いなく言えたため自分でも驚いたといいます。

続編の『機動戦士ガンダムΖΖ』(1986年放送開始)でカミーユが出演する際は藤野さんから「モビルスーツに乗っているテンションではなく、耳元で囁くような優しい感じで」「肉体ではなく、心と心で話しているような感じ」と言われ演技していたそうです。

 

続編が作られると知った当初は「カミーユがあんな目に遭っているのに明るくなるの!?」と驚いたといいますが、実際に現場に入ってみて『Ζ』はカミーユの物語で『ΖΖ』はジュドー達の物語だと実感し収まりがついたといいます。

放送終了後もカミーユを演じる機会があり「いい加減まともの僕に戻りたい」と発言した事もあります。

 

また、カミーユの声は地声よりかなり高くテンションも上げなくてはいけないため、「なんでこんな高い声で役作りしてしまったのか今になって後悔している次第ですよ(笑)」と語った事もあります。

劇場版『機動戦士Ζガンダム A New Translation -星を継ぐ者-』(2005年公開)でのカミーユ役は再びオーディションを受け役を勝ち取ったという逸話があります。

 

監督の富野さんからは「新しい作品として『機動戦士Ζガンダム』を作りたいため、カミーユもこれまでやってきたものではない演技を求めたい。それを確認したいので声を聞かせてほしい」と手紙をもらい、富野さんとマンツーマンで1時間ほど試行錯誤を繰り返し役を作っていったそうです。

 

用意された台詞はTV版と全く同じもので「とにかくピュアなカミーユにしてください。以前のは全部忘れていいです」と言われ焦ったといいます。

 

答えが出ないままやってみたものの「あなたがやってきたカミーユや、これまでしてきた仕事は分かるし、身につけてきたものもあるでしょうけど、今はそれが邪魔になっている。それを全部捨ててください」と言われます。

 

「いわゆる方法論とか慣れたやり方でやってくれるな」という事だと思い、もうなるようになれと何度も試して何度目かで遂にOKが出たといいます。

 

台本を読んだ際はTV版とほぼ同じ内容で駆け足で話が進むと感じ、カミーユの印象が変わったといいます。

 

アフレコ当日は自分の中で新しいカミーユ像が決められずにいましたが、富野さんの「これは舞台の再演のようなものです。確かにリメイクで昔の画を使って編集して作っていますけど、いわゆる懐かし番組の集まりではありません。あくまで今の新しい『Ζガンダム』を作りたいと思っています」という言葉を聞いて妙に納得し、「舞台の再演は同じ台本で初演の時よりパワーがいる、さらに初演のメンバーや演出自体が変わる可能性にも対応しなければいけない、それが嫌なら自分はやりませんと降りるしかない。やるかやらないかの世界で、やる以上は誰がどうなろうがやるしかない」と開き直れたといいます。

 

「一番プレッシャーをかけてきたのが監督なら、一番力を与えてくれたのも監督だった」と思い、打ち上げの際にその事を富野さんに伝えると富野さんの妻から「見事にハマったってことね」と言われたそうです。

 

収録に入って間もない頃は自分の声が使われているか不安であり、TV版の先行上演会を見に行ったといい、そこで自分の声がちゃんと流れているのを聞いて漸く安心したといいます。

劇場版をやるまではいつでも少年役OKという気持ちでしたが、劇場版を終えて声優の世界も世代交代が進んでいる時期だったため「このあたりがタイムリミットかな」と感じたといいます。

 

一方それまでは役柄が落ち着いてチームの中でも落ち着いたポジション役になっていくと思っていましたが、劇場版で再度カミーユを演じた事で、その未来図を完全にぶち壊されたといいます。

 

「自分から役柄を絞り込んでも意味がない、どんな年齢のキャラでもピュアに臨めばそれでいいんじゃないか」と思ったといい、「どのみちパターンでやっちゃったら、一時期は通じるかもしれませんが、いつかは飽きられるし、代わりはいっぱいいるわけですから。サバイバルとまでは言いませんが、どこまで続けていけるか、生き残っていけるか。貴重な機会は逃さずに、お客さんやスタッフの方、一緒にやっている方々に、何か残るようなものをやる。それが大事なんだと思うようになりました」と語っています。

 

カミーユ役は誰にも譲りたくない反面、「そろそろいいんじゃないかという気がしないでもない」と言っていますが「自分のようにカミーユをやれる人はそういない、地で持っている人はあまりいないんじゃないかなぁと思いますね」とも語っています。

『Ζ』や『ΖΖ』以外のガンダムシリーズ作品でも、1991年発売のOVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』のカリウス役や1994年放送開始のTVアニメ『機動武闘伝Gガンダム』のウルベ・イシカワといった重要な役を担当している他、1993年放送開始の『機動戦士Vガンダム』や1996年放送開始の『機動新世紀ガンダムX』、2015年放送開始の『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』などでゲスト出演しており、ゲーム作品では『機動戦士ガンダム ギレンの野望』のフランシス・バックマイヤー役や『機動戦士ガンダムSEED ASTRAY』のロンド・ギナ・サハク役にも出演しています。

『ちびまる子ちゃん』のオーディションでは当初、飛田さんが花輪くん役、菊池正美さんが丸尾くん役で決まっていましたが、原作者のさくらももこさんから「丸尾くんと花輪くんは逆の方が良いんじゃないか」と言われて今の形になったそうです。

正統派な主人公タイプよりもひと癖あるキャラクターの方が好きだといい、自身の中ではカミーユのような役がぴったりという印象だといいます。

 

また、丸尾くんを演じてから本人曰く「屈折した変な役」というイメージが業界内で定着したといいます。

 

2021年時点では「元々はかっこいい影のある少年役が主流だと思っていたが、コックカワサキ(※『星のカービィ』2001年放送開始)役など癖のある役が主流になった」とも語っていました。

役を演じる際、「どうして彼はそういう風に言うんだろう」と食い込んでいくやり方をしているといいます。