
本文はここから
お肉屋さんからの帰り道のこと。
両手いっぱい広げて、大きな箱を運んでいる女の人がいる。
今にも、箱を落としそうに横に揺れながら、運んでいる。
苦しそうな息づかいが、10m後ろの私にも伝わってきそうだ。
すぐ近くの駐車場まで、運ぶんかな

そう思っているうちに、自転車の私は、追いついた。
見ると、まだ、20代ぐらいの若い人だった。
小柄でかわいい丸い顔を真っ赤にしている。
また、おせっかいの大阪のおばちゃんの血が騒ぐ。


自転車の後ろの大きな籠を示して、


と、言った。すると、ほっとしたように微笑んで、

と言って、荷物を載せた。
大きな箱なので、とても、籠には、入りきらない。

と、言ったけど、ゆっくり、自転車を押していても、振動でずれる。
少し、箱を傾けて、角を籠に入れて、ずれないようにした。
ちょっと、楽になった。すると、彼女が、

と、言った。
わあ、中国から、来はった方なんや~。
言われるまで、わかれへんかった~。


と、聞くと、

と、大通りの方を指さした。


と、聞くと、頷いた。

日本に来るまでに、勉強したの

て、聞くと、恥ずかしそうに首を横に振った。



て、言った。
反対に私が、外国に行っても、なかなか話が聞き取れないと思うから、
ほんとに、すごいと思った。
いろいろ、中国のこと教えてほしいと思ったけど、
しんどいだろうなあと思って、辞めた。
やっと大通りまで、出た。400m以上あったようだ。
その時、彼女が、3文字ぐらいの言葉を言った。
出身地なのか、繰り返したら、
うんうんと、頷いた。
意味を尋ねようとしたけど、前の信号が青なので、


と、聞いたら、

と、言うので、小走りで渡った。
後から、考えたら、お名前だったのか

これから、どこまで、行くんだろう

まさか、駅まで、歩くんじゃないやろな


息子を待たせているし、どないしよう


と、思い始めたとき、数m先のバス停を指さした。
えっ



両開きのドアじゃなかったら、乗れるかな

と、思ったけど、あとは、誰かが、助けてくれるだろうと思って、

と、言って別れた。
「再見」
と、言ってみたかったけど、
イントネーションがわからなかったので辞めた。


教えてもらってもよかったかな
