Hさんが今まで1人でされていた会社の業務を、私達事務員に割り振った後、Hさんは店の売上を上げる為に動き出されました。
Hさんが先ず取り組まれたのは、店オリジナル商品を開発して、販売する事でした。
そのオリジナル商品というのは、仕出し料理や仕出し弁当の中の一品に入れる為だけでなく、単品で買える様に、商品化させようと模索しておられました。
それで、Hさんは店のメニューの中から、商品化し易いと考えられた、鮎の甘露煮と紀州梅のゼリーを、お持たせ用に販売出来る様に、関係機関に問い合わせをしたりしておられました。
それから、店の近くに、テレビに取り上げられて有名になった、サツマイモのスイーツを販売している店があり、その店のサツマイモを使わせてもらって、料理長にスイーツを作ってもらい、話題の店とのコラボスイーツを販売しようと画策されていました。
それ以外にも、料理長に仕出し料理の新メニューの開発を促したり、仕出し弁当担当のRさんにも、新しい弁当のアイデアを考えてもらっていました。
さらに、メニュー開発から遠ざかっていた配送係兼専務のDさんにも発破をかけ、新オードブルの開発を手がけてもらう様に誘導されました。
Hさんの店を良くしたいという思いが、調理場の人達を動かし、料理長やRさんやDさんの顔つきが、日に日に生き生きとしてきました。
そんな職場の人達の変化を目の当たりにしていると、改めてHさんは、やり手のビジネスウーマンで、本当に凄い人なんだと思いました…