予知 | 無い物ねだりの身の程知らず

無い物ねだりの身の程知らず

人が見れば決して不幸でも恵まれていない訳でもないのに、ありのままの自分を受け入れられていない私がいます。
子供の頃からずっとコンプレックスと生き辛さを抱えていた私の半生と現状を綴り、これからの自分の人生を前向きに生きられるヒントを得られたらと思っています。

キーパンチャーの座席が固定化されてから、暫くの間、仕事中に静寂が戻って来ていました。


そんな時に、私達夜のキーパンチャーの事を色々気遣ってくれていた、採用担当者のNさんの様子が、何となく今までと違うと、私は感じていました。


私が仕事を始めてから、Nさんは殆ど毎日の様に、私達夜のキーパンチャーが仕事を終える時間まで、職場に居てくれていました。


そのNさんが、私が仕事を始めてから一年が過ぎた位から、定時で退社される日が増えてゆきました。


私の会社は、吸収合併や企業買収を繰り返して来ていた様で、それ故に、社名が何度も変わっていて、その都度、人事も異動していた様でした。


私が入社する半年前に、海外の企業に買収されたばかりだったそうで、それから二年が経ち、私達キーパンチャーには、何も知らされてはいませんでしたが、水面下では会社の形体が、また変わりつつあった様でした。


「もしかしたら、Nさん、どっかに異動しちゃうんかな?」


私は、他の人が気付かない様な事でも、何となく察してしまう所がありました。


でも、この時の私の予感は、外れであって欲しい事だったので、私は同級生の娘の古株のAちゃんに、たまらず聞いてみました。


「Nさん、近い内に異動しはるんちゃうかな?っていう気がするんやけど、何か聞いてる?」


「私は何も聞いてないけど…」


どうか、私の思い過ごしであって欲しいと、思っていました…


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クリスマスの次は、お正月の準備ですね。