こんにちは。
フリーランス建築士のみさこです!
●住宅設計歴14年間です
●現在はリフォーム設計してます
●3歳男児のワーママです
リフォーム設計を初めてから、
8年程経ちます。
それまでは、
新築住宅の設計を6年間していました。
新築住宅の設計をやっていた頃は、
まだ未熟だったということもありますが、
決められた"土地"にいかにいい建物を建てるか、
というところばかり見ていた気がします。
それに比べ、リフォーム設計は、
今までお客様が生活を積み上げてこられた
"家"が基盤になっているので、
考え方がまるで違いました。
お客様のご要望もとても細かく、
そしてとても根拠のあるものなのです。
そこへ
知り合ったばかりの私が伺って、
お話を聴いて、プランをご提案するには、
そのお客様の"ご要望の本質"を、
出来る限り汲み取る必要があります。
言ってしまえば、
何年間もそこで過ごしたお客様の方が
その建物のプロなのです。
お客様の生活の基盤もそうですし、
建物自体も面積、構造、配管経路など、
どうしても変えられない条件もあります。
その中でいかにして、
お客様の"今の生活の向上"に
繋げられるご提案ができるかが、
課題なのです。
それがリフォーム設計の
醍醐味だと思い、
すっかり魅了されてしまいました
ここで本日の本題に入ります。
「家の可変性について」
私のブログでいつもお伝えしているのは、
生きている以上、
ライフスタイルは移り変わっていく
という事です。
子供がいるご家庭なら、尚更です。
なので、家はなるべく
「可変的」であるべきだと
考えています。
↓こちらの写真は、
シュレーダー邸(シュロイダー邸)という
オランダにある世界遺産の住宅建築です。
こちらも、若かりし頃に訪問し、
私に刺激を与えてくれた作品の一つです
「家具職人であり続けたオランダ人デザイナー、
リートフェルトのイスと家」展
の為につくられた書籍、のコピー
"家具職人"である
トーマス・リートフェルトが、
"建築デザイナー"として設計した家です。
この建物の素晴らしさを
語り出すとキリがないので、
本日の課題に沿ったお話だけすると、
この建物こそ、「可変性」の極みです。
私の手持ちの本から引用しますが、
↓↓
"生活の中心を、
日当たりと風通し、眺めの良い2階に置き、
ひとつの開放的な空間で、
家族全員が衣食住を共にすること。
友人や知人の訪問を
気楽に受け入れられること。
ライフスタイルの変化に合わせて、
インテリアが自由に変えられること。
合理的で快適な生活を実現する
「開かれた共有スペース」こそが、
シュロイダー邸の根幹である。"
「家具職人であり続けたオランダ人デザイナー、
リートフェルトのイスと家」展
の為につくられた書籍より引用
この建物は、1924年築です。
その時、日本は大正11年です。
ある意味、
日本も家族全員が川の字で寝ていた時代で、
襖で可変的に空間を仕切っていたので、
考え方は似ていますが…
当時のヨーロッパで、
引戸が普及していたかは
分からないのですが、
「まるでカラクリ屋敷」
との表現もされています。
大変合理的で、
住む人の長期的なライフスタイルを
丁寧に汲み取った設計だと思いました。
それは、おそらく、
リートフェルトの基盤が「家具職人」
ということもあり、
人と密接したところを基点に
家を設計したからだと思います。
家具と住宅の関係性も、
考えさせられます。
私がお客様に「可変性」のお話をする時、
いつもこの「シュレイダー邸」が
頭に浮かびます。
今週末、プランの打合わせをするお客様にも
この「カラクリ屋敷」の概念で、
可変性をご提案します。
お子様が小学1年生。
現在は個室は要らないので、
LDKと一緒に使えるお部屋にしておくか、
後々はゲストルームにするかとか、
そもそも水廻り等の
家事動線も見直すと
お部屋の位置も変わるとか、
考えられるプランは何通りもあります。
リートフェルトの様に
自分でデザインした家具や建具を
ご提案したいところですが、
ここは現実的に、、
現代の工業化された
素晴らしい製品でのご提案ですが、
■可動間仕切(Panasonic)
私個人的には、
時がきた時にまたリフォームすれば良いので、
今は何も付けずに大空間にしておけばいい
(下地のみ施工)
というのが推しですが…
という風に、お客様と共に議論を重ね、
プランを煮詰めていくのが楽しみです♪
このテーマは、
まだ書きたいこといっぱいあるので、
また改めて
ありがとうございました