自転車乗りを探せ、ある行方不明事件 | HARUさん「道あり道」

自転車乗りを探せ、ある行方不明事件

自転車乗り、この変わり者の連中は、実に興味深いキャラクターが多い。


各云う、私とて、ロディーと呼ばれる、変人の集まりの一角を成しているのだろう。


この変人たち、走行会といっては、休みに集まり、100キロほどのサイクリングを楽しみ、夜は反省会として称して、呑んだくれているのだ。


ある秋の、季節外れの大雨に、本来なら、ここ南国宮崎が襲われているはずなのに、北の大地が洪水に見舞われていた。


この日も、自転車乗りたちは、いつもの集合地に集まってきていた。


いつもだと、10人前後が集うのだが、今日は何か違っている、いやに人が多いのだ。


次から次と、沸いてくるように、色とりどりのジャージと呼ばれる、自転車用のシャツを着て、高級そうな自転車に跨った、サングラスにヘルメット姿の怪しい人たちが集合地点のある病院の駐車場に集まってくる。


この走行会を取り仕切っている、H氏は、二日酔いの痺れた頭で、ボーとこのカラフルな人物たちを眺めていた。


そこには、常連から、初めて見る顔もある。


「今日は、えらく多いですね・・・」と東氏は、4駆から自転車を下ろしている、K市から来ている、内科医の丸米先生に声を掛けた。


「そうだね、こんなに多いと、何かあっても分からないかもね・・」と流石DRだけに、心配顔で答えた。


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注意:これはフィクションです、実在の人物とは全く関係がありません