都希です

【転機のときに出会ったご婦人とマザーテレサ*1*】のつづきです

熱海からの帰りの新幹線、
静岡だったか名古屋だったか忘れてしまいましたが、
私の隣に一人の女性が座ってきました。
その人は60代くらいでしょうか、
とても上品で落ち着いた雰囲気の、まさしく“ご婦人”という言葉がピッタリの女性でした。
ご婦人はすぐに隣にいる私に声をかけてきました。
「これからどちらへ行かれるの?」
「熱海からの帰りなんですけど・・」
「まあ、一人で?」
「はい・・」
そんな会話をしながら、ご婦人と普通に会話をしているということに驚く私。
なぜなら、その頃私はひきこもり真っ最中だったうえに、相変わらずかんもく症状は続いていたので、
普段家族以外と言葉を交わすことはほぼなかったのです。
下手なりにも私は、ご婦人から投げかけられる言葉をしっかり受け取りながら、せいいっぱい返していきました。
そしてご婦人も、私の取りにくいボールをちゃんと受け取って、もう一度私が取りやすいように投げてくださるのです。
そんなぎこちないけど温かいやりとりをしているうち、
ご婦人は突然、
『今日はね、世界的に大きなことがあった日なのよ』
と私に言いました。
私には言われたことの意味がわかりませんでしたが、ご婦人はこう続けました。
『マザーテレサがお亡くなりになった日なの』
そうなんです、私が初めて一人で熱海に出かけた日
1997年9月5日
は、マザー・テレサが神さまのもとに旅立たれた日だったのです。
それからご婦人はマザーテレサがどんな素晴らしい人だったかということを語り、
京都に着くと降りて行きました。
そのとき、ご婦人は私に、
『いい旅を』
とひとこと言い残して行かれました。
ご婦人が降りて行ったあと、私は感激のあまりしばらく興奮がおさまりませんでした。
人と会話ができたこと、
ご婦人の素晴らしい話、
そして別れ際の素敵な言葉!!
本当に素晴らしくて、この旅を心からよかったと思いました。
もしあのご婦人と出会わなかったら、
わざわざ熱海のコンビニまでおにぎり一個とハイソフトを買いに行っただけの旅になっていたでしょう。
それはそれで当時の私にとってすごいことだったけど、
旅先で出会った人と少しの間でも素晴らしい時間を過ごせたことがとても幸せでした。
あの熱海への旅から、私は一人で色々出かけられるようになります。
色んな都市へ演劇を観に出かけたり、
お店での外食もできるようになっていきました。
旅先ではたくさんの素敵な出会いがありました。
そして時間はかかったけど、家の外に出て働くことができるようになりました。
あのときの大きな一歩がなかったら今の自分はなかったかもしれません。
旅に行くお金を出してくれた両親にも感謝しています。
それに、あれから「マザーテレサ」と深いご縁を感じていて、
アセンデッドマスターとしていつも守ってもらっているような気がしてなりません

*:.。..。.:*・*:゜・*:.。. .。.:*
今でも何かあるたびに、あのご婦人がふと脳裏に浮かんでくることがあります。
突然現れた壁に愕然とするようなことがあっても、『きっと大丈夫!』と思えます。
あのとき、ご婦人とのキャッチボールで刻み込まれた明るい希望が、
どんなことがあっても諦めるべきじゃないと私に勇気をくれるんです。
そして何かあったら、またおにぎり一個とハイソフトのところからやり直せばいいじゃん!と思うんです。
何度目的地に着いたとしても、生きているかぎり人生という旅は続いていきます。
これからも悩むことや乗り越えなくてはいけないことはたくさんあると思います。
でもこれから出会う人、または別々な道に向かう人に、
あのとき出会ったご婦人のように、
『いい旅を』
と言葉をかけてあげられる人でありたい。
そして、途中下車しても、
乗り遅れても、
乗り越したとしても、
『やっちまった(∩゚∀`∩)』
と笑って許せる自分でありたい。
どんな人生の旅も愛おしいものだから
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