都希です
窓が白く曇った秋の朝、
一匹の子猫がしずかに天国へ旅立ちました。
その子はずっとお母さんを呼ぶようにひとりではげしく鳴いていました。
日に日に弱っていく姿になんとかしてあげられないかと思っても、その子はけして自分を触らせようとしませんでした。
ある朝、子猫は道の真ん中で倒れていました。
思わずかけよって手のひらで抱き上げるとびっくりしてしまいました。
「おまえ、こんなに軽かったの?」と思わず口に出して言ってしまいました。
子猫はかなり弱っていて、命の炎が消えようとしているのは明らかでした。
でも子猫はその日一日その小さな命の炎を頑張って灯しつづけました

子猫を助けてあげられなかった自分を情けなく思いました。
子猫を置いて行った母猫に怒りもわきました。
もし子猫を助けてあげられたとしてもそのあとの面倒を見れたのかと考えると複雑な気持ちにもなりました。
でもこの子は自分の短い命をせいいっぱい生きて、その生命をまっとうしたんだと思えてなりませんでした。
子猫が抵抗もできないほど弱りきるまで私たちにはどうすることもできなかったんです。
それはこの子猫も小さいなりにも野生に生きる動物だったからです。
その本能からけして自分から人間に近づくことはありませんでした。
子猫が私に教えてくれたことは、
私として生まれてきたからには、
どんなことがあっても自分自身を生きること。
最後まで命の炎を燃やしつづけることをあきらめないこと。
そしてあらためて家族の大切さも学びました。
人間だって小さな子どもは親がいないと生きられないのです。
ご飯を作って食べさせてくれた親がいてくれたこと、ただそれだけで生かされたことに感謝がわいてきます。
満足な心の栄養を与えてもらえなかったとしても、命さえあればそこからいくらでも冒険や探検に出かけたり、お気に入りの木陰も見つけることができるんだと思いました。
そんな大切なことを身をもって教えてくれた子猫に感謝します。
どうか安らかに。
今ごろかわいい天使となって、広いお空の散歩を楽しんでくれてると信じてるよ

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