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M3ラボの『私設 塩野自転車 応援団』

塩野自転車に勤めるM3ラボのふと気付いた事や、手掛けた自転車を紹介したりする、私設塩野自転車応援ブログですっ!
だ・け・ど・自転車に関係ないことも書いてますよ。面白ければいいかなと! また読みに来たくなった方がいいもんね!

こんばんわ!
春の繁忙期に傷めた背骨が軋むm3ラボですっ!

今日は2010年の塩野自転車のカタログを見ていただこうかなと。
去年のカタログの表紙は黒から白へのグラディエーションを背景に使いました。
その黒から白へは「夜明け」をイメージしてもらえたらと。
創業50周年を迎えて新しい塩野自転車の始まりの朝を感じてもらいたかったんですね。
塩野自転車の新しい変化に期待してもらう意味合いを込めてみました。
初めてのカタログ担当で、ロゴシールの製作も同時進行でやっていましたので、とにかく時間が足りませんでした。
日中は組み立てラインで働き、家に帰って自宅のPCで作業する日々ですから。

そして今年は去年手を入れられなかったカタログ紙面のトータルデザインとキャッチコピーや説明文も私がやってみました。
時代の流れが不安定で暗いニュースも多かったので元気の出るオレンジとキイロで表紙を縁取り、うちのママチャリのカラーバリエーションをパイプにして中央に配置してみました。



右ページのママチャリ【シティ・コレクション】
26インチと27インチがあります。
写真はカタログ標準仕様ですがLEDオートライト・シマノ製3段ギア・6段ギアのバリエーションもあります。
グリップとサドルがグレーのグレー仕様も可能です。

M3ラボの『私設 塩野自転車 応援団』-カタログ1P

キレイでしょ♪
お気に入りの色はありましたか?

たかがママチャリかもしれません。
でも、これだけのカラーバリエーションをもっています。
毎日乗るものだからユーザー様に『仕方なく』ではなく、『気に入って』乗ってもらう為の我が社の努力です。
これだけのカラーの在庫を持つのは難しいと思われるかもしれません。
しかし、我が社には組み立てラインがあります。
フレームのまま倉庫に在庫し、お店様より注文を頂いてからその色で注文して頂いた仕様で私達が組み立て、その日のうちにトラックに積み込まれ翌日に配達させていただきます。
そして、店頭に並びお客様の目にようやく触れることが出来る。
店頭に並ぶのはこの表紙の一部の色です。
その他にも「これだけの色のバリエーションがあるんですよ」と知ってもらいたくて表紙にしてみました。

『知ってもらう為の努力』
それが組み立て現場とカタログやロゴデザインを兼任する私のテーマでもあります。
これまで広告を打ってこなかった我が社を市場やユーザー様に知ってもらう為の努力が私が自分自身に課したこの会社での役割なのです。

このカタログの表紙も従来の自転車メーカーのカタログからは逸脱しているかもしれません。
しかし、知ってもらう為にはまず手に取ってもらえなければならないのです。
その為には通り掛ったお客様の目を奪い、足を留め、手を伸ばさせる【何か】が必要なのです。
それはどんな商いや製品にも通じる不動の軸だと思っています。

大手メーカーのようなネームバリューがない無名のメーカーの製品なら尚更その為の工夫や向上心を盛り込んでいかねばならないと思うのです。
製品そのものでお客様のハートを鷲づかみにしてしまわねばならないと思うのです。

目指す処はまだ遥か高く遠くにありますが、目指さねば辿り着くことも無い。
いつかきっとそこへ。



自分が歳をとってゆく時間の分だけ、子供達は成長してゆく。
歳をとってゆくというのは悪いもんじゃない。
子供達の成長をこの目で確かめられる。
それだけで歳を重ねる価値がある。


金曜の晩、家族でカラオケに行った。
何年ぶりかの家族でのカラオケ。
中学・高校と吹奏楽部で打楽器を叩いていた頃の娘のリズム感は良かったのだが歌はあまり上手ではなかった。
嫁はその時「音痴なんじゃないの?」と無神経な言葉を口にした。
そんな言葉は娘の前で言うべきじゃない。
ひとは些細なことで変わるものだ。
良くも、悪くも、些細なことで変わりうる柔らかい生き物なのだ。
その言葉がきっかけで娘から歌う楽しさと喜びを奪ってしまうかもしれない。
その言葉がきっかけで娘が人前で歌わなくなったとしたら、上達する機会を奪ってしまうだろう。

そんな父の心配をよそに娘が歌った『射手座午後九時Don't be late』は驚くほど上手に歌えていた。高音は綺麗に伸び、そのままニコニコ動画にUPしても恥ずかしくない歌声だった。
「上手くなったな!」
「歌う機会が多いからね、大学生は♪」
満面の笑みを浮かべた娘はきっとこの機会を待っていたに違いない。
『音痴なんじゃないの?』という言葉にリベンジする機会を待っていたに違いない。
文化祭で練習した『虹』を息子が歌う隣で娘も一緒に歌っている。

ねぇ見えるでしょ 色鮮やかに
僕にも見える 君と同じの
絆という名の虹が架かったね

そうだ。
そこにあるものだ。
涙を流しながらでも胸を張って、顔を上げて、初めてそこにあり続けてきたものに気付くんだ。
家族も絆も。


その息子のサッカーの大会を観に行った。
あいにくの雨。
それでも試合は行われた。
しかも初戦で優勝候補チームとの対戦。
息子のチームは主力だった三年が抜け、これからのチームになっていた。
相手チームのカウンターからの速攻を軸にした縦の攻撃に息子のチームは自分達のサッカーをさせてもらえず、シュートが容赦なくゴールを襲う一方的 な展開。
去年は何も出来ずに先輩に怒鳴られてばかりいた息子はそれでもシュートコースを塞ぎにフォワードの前に走ってゆく。
雨に体力を奪われ、開いてゆく点差に戦意を奪われ、次々と脚が動かなくなってゆくチームメイトのなかで技術らしい技術を持たぬ息子はそれでもボー ルに向かって走ってゆく。
走っていった息子の頭上を嘲る様に逆サイドへパスが飛ぶ。
その小僧もやがてスタミナが切れ足が止まる。

試合終了の笛が鳴った時には息子のチームは熱を失っていた。
ゴールだけでなく、これまで練習してきた時間もチームメイトの絆も蹂躙されて口を開く熱さえ失い、冷え切っていた。
そして息子は泣いていた。
チームで技術的に下から数えた方が早い息子が泣いていた。
繰り返したスライディングで真っ赤に腫れ上がった膝のせいかと思ったが息子は口惜しくて泣いていた。
息子だけが泣いていた。


そうだ。
それは父も通ってきた道だ。
今は苦い口惜しさを噛み締めろ。
口惜しいのならまだ見込みがある。
涙を流すほど口惜しいのならまだ強くなれる。
早く帰ってこよう、そして息子とサッカーの練習をしよう。
今日負けても次に勝てるように努力の限りを尽くそう。
そこには偶然も奇跡もなく、努力する人がいるだけだ。
流した涙を嘘にしないように血反吐を吐いても努力する心があるだけだ。


自分が歳をとってゆく時間の分だけ、子供達は成長してゆく。
歳をとってゆくというのは悪いもんじゃない。
子供達の成長をこの目で確かめられる。
それだけで歳を重ねる価値がある。
それを見るだけで生き続ける意味がある。



すっかりブログ更新をサボってしまいました。。。

会社の棚卸しと会社での別件でとっても忙しかったのです。

日記も更新してないのに土曜日には50アクセスもあり、なんだか嬉しゅうございました^^

ブログのタイトルは仕事系なのですがまぁ、そこはなにせ『私設』です。
遠慮なくお友達申請しちゃってくださいね。

う~ん、コメントしづらい日記になってるのかな。。。
もうちょっとコメントしやすい日記を心掛けるようにしていきますね。


「VIANTO」と書いてヴィエントと読む。
イタリア語で風という意味。


M3ラボの『私設 塩野自転車 応援団』






私がネーミングも込みでロゴデザインを担当し始めてまず頭を抱えたのは女性向けのそれがまったくもって思い浮かばなかったこと。
男性向けの強い語感のネーミングならばいくらでもアイデアが浮かぶ。
でも女性向けの曲線を多用した優しい感じの自転車に似合うネーミングはさっぱり浮かんでこなかった。

そんな私に友人が「こんなのどう?」と教えてくれたのがこのヴィエント。
ネーミングが決まればイメージは自ずと固まってゆく。
フレームの色もロゴの色も自転車全体のイメージもそれで固まってくる。

だから、結構、ネーミングは重要。
自転車のフレームやアッセンブルするパーツを決める前にネーミングを決めておくべきだと私は思ってる。
その名を中心に自ずと周辺が決まってゆくものだと思うから。
そのネーミングを決めるにあたって『誰に買ってもらいたい商品なのか』を突き詰めておかねばならないことだと思うから。

M3ラボの『私設 塩野自転車 応援団』









自転車は乗り手が乗ってくれて完成する。
駆動機関として、操舵機能として、全体のイメージとして、ひとに乗ってもらって完成形になる。
その乗ってくれる人達をイメージしてネーミングを決め、部品をチョイスし、色を決めてゆく。
乗り手に乗ってもらった完成形の自転車をイメージした時にそこに笑顔になってもらえるように。

良い買い物ができたと思って頂けるように。
こいつは良い相棒だと思って頂けるように。
1日でも長く乗り手と時間を共有して頂けるように。


私がカタログを担当して二年経ちました。
組み立て現場の私がカタログを担当するまでは営業さんの1年毎の持ち回りでやっていました。
現場担当者がカタログを作ること自体が初めてで、二年連続カタログ担当というのも初めてらしいです。
毎朝コンテナから自転車240台を降ろし、その日出荷の自転車を組み立て、家に帰ってからロゴシールのデザインやカタログをつくる兼任なんで身体はとてもきついんですわ。

それでも二年目を引き受けたのはもう少し上手に出来そうな予感と一年目で拙いながらもお得意様が変化を期待してくれたのならそれを裏切るわけにはいかないという気持ちだけです。
これから三年目を担当するかどうか迷ってます。
無理に無茶に無謀を重ねてこの二年間突っ走ってきましたが正直身体がもたない。

でもね、セオサイクル様にカタログを持っていった営業さんが「お客様に渡しても恥ずかしくないカタログになったよね」と言ってもらった話を聞いたら、やらねぇわけにはいかないのかなと。

もうこうなったら全部助けていきますわっ!
社長だろうと重役だろうと開発だろうと所長だろう営業だろうと全部助けていきます。
私の目指す「誰もが笑顔になれる」場所はそうやってしか辿り付けない。
自分を殺さず、皆を活かし、そうしてつくった自転車で購入したお客様を笑顔にし、それを売ったお店様を笑顔にし、『関わった全ての人を笑顔にす る』最終勝利条件を満たす。
誰も切り捨てないで、誰も踏みつけないで、どこまでやれるものか。
理想論者の夢物語だと笑ってもいい。
それでもやる。
これは私が設定した私の最終勝利条件だから。

それを達成した時に「自転車業界にシオノあり!」と再びその名が轟く。
そして「シオノにM3ラボあり!」と言わせてやる。
「これはラボさんの仕事か、なら負けても仕方ねぇよ」と言わせてやる。


今回のカタログの表紙をママチャリにしてます。
今、スポーツ車は売れていますがママチャリは苦戦しているのが現状です。
そして、ママチャリを表紙にしているメーカーはありません。
ママチャリの基本構造はどこのメーカーでも大差がないし見栄えもしないからです。
それでもママチャリを表紙に持ってきたのは奇抜さを狙っただけじゃない。
それを国産で組み立てている数少ないメーカーである事を【知ってもらう】努力をしなければならないからです。
そして、これが一番我が社で売れている商品で、これが一番自信をもって送り出せる商品で、これが一番買ってもらいたい商品であるとの確固たる意思 表示としての表紙。

十色十台のママチャリが並ぶその表紙にこう書く。

『たかがママチャリ。されどママチャリ。
愛され乗り続けられてきたママチャリを丁寧に懸命にひたすらに
組み立て続けてきた五十一年目の塩野自転車の品質と誇りをあなたに』

その品質を謳うからには組み立て責任者の私に掛かるプレッシャーもリスクも大きい。
でも、やる。
そこに活路があるからだ。
そこに勝算があるからだ。
我が社のママチャリの色は美しい。
見てもらえば判る。
そしてカタログ色十色、非カタログ色七色、計十七色あっても欠品は起こさない。
26インチと27インチのママチャリ、26インチと27インチのシティ車が同じ色数を持っているのにだ。
限られたスペースで欠品を起こさずにコントロールしているのも私の仕事。
出来ているならそれは謳わねばならない。
出来ているならそれを誇らなければならない。
出来ているのならそれを知ってもらう努力をせねばならない。
謙虚や謙遜は誰にだって出来る。
そこには責任と看板とリスクと重圧を背負ってでも謳う価値がある。


「奴がそう言うからには根拠と勝算があるんだろ。やらせとけ」
そのぐらい信用されるまで、やる。

シングルギアのピスト風の自転車が量産に入るので色を決めて全体会議で報告した時の話。
イエローのフレームに黒のデカール。
ホワイトのフレームにグレーのデカール。
ピンクのフレームにパープルのデカール。
ピンクに紫の組み合せは営業陣に真っ向から否定された。

色の変更を掛ける前に取引先に訊いてみて下さいとお願いする。
この色の組み合わせは私の好みではなくリサーチした結果なのだ。
変わった機種を選ぶ人は無難な色をチョイスしない。
最近の男性はピンクに抵抗がない。
ハッピーな気持ちになる色として受け入れられている。
動きがない売り場でもお客様の目を奪える組み合わせ。
ニーズがあって他社が扱っていないなら勝算はある。
すぐに変更しないのは不遜でも傲慢でも思い上がりでもない。
そこに根拠があるからだ。
そこにニーズがあるからだ。

数日後、イエロー・黒のサンプルを持たせて取引先を回ってきた営業陣の答えはこうだ。
「ピンク・パープルは評判が良い」

社長にも言われた。
ピンクとパープルは社長自身もやりたかった色使いだったと。
リサーチする以前に否定する営業陣に腹が立ったと。
打診した問屋さんからもピンク・パープルの引き合いが多かったと。

根拠とニーズに裏打ちされたなら卑屈になることはない。
市場にピンクとパープルの弾丸を撃ち込んでやれ。


「奴がそう言うからには根拠と勝算があるんだろ。やらせとけ」
軍師はそう言われるほどに信用されねばならない。


*カタログの写真を載せたかったのにアップロードが上手く出来ませんでした・・・。