2019年公開 日本 監督 瀬々敬久

 

嘔吐表現 有り

注意箇所は、杉咲花さんの幼馴染男性の入院にお見舞いに行ったところ。

治療の副作用でトイレで。

なので、お見舞い場面見なければなんとかなるかも。

もうひとつは、

佐藤浩市さんが、土を食べるところ。

ここは目をそらすと、後の話につながりにくいので無理しないといけないかも。

 

吉田修一著「犯罪小説集」の中の「青田Y字路」「万屋善次郎」をミックスしたストーリー。

少女失踪事件と連続殺人事件が描かれています。

限界集落での、偏見や差別、大人のいじめなどが、これでもかこれでもかと繰り返されて、

気持ちが沈みます。

私は都会育ちなので、村社会というのはそれこそドラマや小説、映画でしか知りません。

もし、本当にこういう感じの暮らしなら、そこから人がいなくなっていくのはあたりまえだと思うし、

穏やかな暮らしを夢にみて、必死に村へ溶け込もう、貢献しようとよろず便利屋を努めた佐藤浩市さん演じる「善次郎」が

どうなっていくのかは、この映画の見どころだと思います。

私は、この映画好きです。おそらく数日は考察し楽しめます。

 

注意::::::ここからネタバレあります

 

謎が多くて、なんで?と思いながら話が進みます。

あっという間に見終わるのじゃなく、すごく長く感じます。

杉咲花さんの子供時代なんかもそうですが、子供が大人に対する態度、大人が子供に対する態度に

違和感がありました。

子供が(態度が)かわいらしくないし、大人は情けない。

まぁ、村全部が家族みたいな、というのを描くならこうなのか?とも思えますが

限界集落なんだからさ、子供をもっと大事にしようよ、とか

しっかり躾をしないから、都会に出て神社でおしっこしちゃうんだよ

 

綾野剛さんは、美形と思わないので、「たけし」みたいな役が素晴らしくいいです。

最初に、ん?障害があるのかな、と感じる様子で登場しますが、ドキっとしました。

私はこのときのドキっをラストにまで引きずりました。とくに歩き方、後ろ姿でも見せている。

あんまり日本人でこれやれる人知りません。

 

佐藤浩市さん

私は、子犬を捨てた青い車の人が、最大の謎でした。

車を買い替えた、というような話が出てくるので、青い車は善次郎(佐藤浩市)のかと思ったりしてまして混乱しまくり。

 

久子。善次郎を助手席に乗せて足元にスマホ落として拾う。

(善次郎のほうへ屈みこむ姿勢)

それで、すれ違う村人にいやらしい想像させ、混浴風呂に自分で誘いながら泣くとか

この女性は、ぜったいに罠なんだろうって年寄りの手先なんだろうって

本当に頭にきました。

でも、車のなかで性的なことを本当にしていたとしても、大人で独身なんだし、

墓にペンキで文句を書くほうが、よほど頭おかしいでしょ。そんなに純情か?村人よ。

なんならお墓のほうが神聖なんじゃないのか、村人!墓にペンキ落書きとか輩か?

↑怒りまくり

 

そして、シェパード。犬。妻を亡くした善次郎の唯一の家族。

放し飼いしてないし、噛まれたっていう年寄りさ、自分で近づいたんだから自分のせいですよ。

善次郎の努力を年寄り連中が蹴散らしていく。親切が仇となり歩み寄れば利用され

善次郎が追い詰められていく。

なにも悪くなかった人が、闇に包まれて落ちていく。

 

でも、私はいじめられて命を絶つくらいなら、せめて一矢報いたいほうだから

善次郎を応援していた。人を噛んだ犬を褒めていた。

 

謎。たけしの部屋の押し入れの「空間」

あそこに何があったのか?たけしでは少女を隠すことは無理だと思う。

違うのか?

穏やかにみえる田舎暮らしが実は裏では地獄だったように、無能そうな「たけし」の裏の顔は実は・・・ってこと?

最後に箱に詰めた偽ブランドバッグを捨てようとするのは何?あれが入っていたってこと?

少女の遺体は出てきていない。

 

村上虹郎さん演じる村の青年。このエピソードは無用。

自分の欲望のために、好きな女の子の自転車パンクさせ、都会に出た杉咲花さんの職場にまで就職。

そこの「陰湿さしつこさ」はわかるけど、要らなくない?

 

私は、綾野剛さん演じる「たけし」は犯人ではないと思いました。

警察署での偽アリバイからの「ニヤ」は、そうなると謎ですが

 

花冠を乗せてくれた優しいアイカちゃんの後をついていくたけし。

 

ここが、ゾーっとしました。へたなホラー映画よりも。余韻がすごい。

 

2021年9月1日 Netflixで鑑賞