昨日の夜は、妻が作曲/演奏を担当している児童劇団の公演を観てきました。
演目は昨年と同じで、戦後の子供達の葛藤と希望を描くものでした。
演者と同学年の小中学生には、戦争はしてはいけない、平和は大切、
という素直なメッセージで良いと思うのですが、我々、いい年した年代は、
それだけではダメで、もう少し戦争の背景も含めて、どうして止められなかったかを
学ぶ必要があると強く感じました。

考えてみると、戦争に駆り出された人々は、そもそも人殺しがしたかったわけではなく、
国から徴用され、現場で自分が生き残るために仕方なく、というのが大半だったはず。
その意味で、戦時中も平和を願った人が大半だったと思うのですが、なぜそれが
大戦にまで行ってしまったのか。一部の独裁者の狂気のせいか?僕はそうは思いません。
いや、それだけで話を終わらせるべきではない、という意味で。

そこには、国同士の利害により、侵攻という手段をとらざるを得なかった背景が
存在するはずで、それはかつての欧州のアジア、中南米への侵攻も含めて、
その歴史を正しく知ることしか、戦争を止める手段はないのではないかと思うのです。
侵攻という手段は決して正当化できるものではないですが、別の手段を探るためには、
誤った判断をかつて行った背景を正しく理解すべきと。

ですが、戦後、戦争はいけない、平和が大切、とだけ教えられ、具体的な回避策を
議論することすら否定するような雰囲気が、本当に正しい事なのか考えさせられる公演でした。


子供達の演技、特に歌い踊る体力には、感心させられること然りでした。