今から、10年ほど前の話です

SNSのコミュニティ(生活困窮~)に入っていた時のこと。

それまで接触のない人から、メールをもらうことも多く

私のできる範囲で、アドバイスしたり手助けしていたことがあります。

時々、思い出すのですが、どうしているかな?生きているかな?生活できてるかな?

 

そんな中でも特に思い出すのが、ふたり。

ひとりめは、20代前半女性。

メールで、アドバイスなどしているうちに少しずつ、状況を話してくれました。

・現在、住むところを家賃滞納で退去させられてホームレスになっている。

・貸し主側の不動産やからも訴えると聞いている。

・所持金は、数百円・・・

そのうちにメールだけでは、おぼつかなくなり、電話でアドバイス。

大阪周辺の様子だったので、知人の大阪の生活支援NPOに相談し、受入打診し可能との回答。

携帯電話の利用料金も滞納し、近日中に利用停止になりそうとのこと。

滞納料金をきき、少し多めに振込した。

もし、大阪が嫌ならば、東京に来れば?とアドバイスし、来るならば高速バス予約するし

東京の生活支援NPOにも打診して、できる限りの手助けは、するとアドバイス。

結局、2ヶ月ほどの間に携帯利用料金として2回振込し、

思い切って東京に行きたいというから高速バスの予約(代済)も2回。

そのうちに悪いからこれ以上頼れないとか、

訴えられるから奈良から離れられないとか言い出して、こちらから電話しても留守電。

メールしても返信なしで音信不通になってしまったけど・・・

元気で生きていて欲しいなと時々思いだします。

それと同時に私自身の無力さも・・・痛感。

 

ふたりめは、20代半ばの男性。

はじめは、女性から親戚で困っている人が、いるとの相談。

派遣先(住み込み)をやめざるをえない状況で岡山から、東京に帰京。

実家は、両親の離婚そして父親の再婚で、異母兄弟が下に2名。

彼自身が、家族として受け入れてもらえなかったそう(10年以上)

そして、地元の市役所で相談しても

若いんだからとか、自分でなんとかしろと言われ、半分諦めていた様子。

このあたりで、相談してくれた彼女から、実は、親戚ではなくて彼氏だと告白。

入籍は、していないもののふたりの間に乳幼児あり。

ふたりの結婚を認めてもらうのにはいくつかの条件もあったのですが、

若いからか?辛抱できないからなのか?クリアするのは、大変そうでした。

私が、したアドバイスは、住むところも仕事もないのだからと

生活支援のNPOに打診し、東京都某区の生活保護支援を受け、

共同生活寮的なところに入れることになったのでした。

ところが、入寮日、区の担当者から

ほんとは、あなたみたいな若い人は、いれたくないんだ・・・と言われ

気にしすぎた彼は、入寮をとりやめ、ホームレスに・・・

 

お金も仕事も住むところも食べる物もない彼は、数日、都内の河川敷で過ごしていたそう。

その数日間は、彼女にもメール、電話もなく・・・もしかしたら自殺しちゃったかも?

そして、事件は、起こってしまったのでした。

 

都内の東の外れから、北方向に環七沿いを歩き彷徨っていた彼のした事は、

何日も食べていなくて、少しでもなにか食べたかったのだろうと思いますが・・・

某区のマンションで、空き巣に入ってしまった・・・

ひとり暮らしの女性宅

まさか開いていないと思いつつ、いくつかの部屋のドアをいじっていたら

偶然にも鍵が、かかっていなかった部屋。

お財布から、五千円札を抜き取り、退去・・・

その後も付近をうろついていたら、通報されたのかパトカーが、多数。

彼は、職質される前に自分から、空き巣に入ってしまったと申告。

現行犯逮捕となったのでした。

 

ここまで、事件の起きた2日後に彼女からの連絡でしりましたが、詳細は、不明。

私のできる範囲でと警察署に面会に行き、本人からと弁護士さんから、詳細を聞きました。

本人に会ってから、今後の手助けをするかどうするか決めようと思ったのです。

彼女は、東北地方に在住のため面会などは、無理だったので

代理で、面会、彼女からの連絡など取り次ぎました。

結果、警察署から拘置所に移管され、事件から、およそ2ヶ月ほど経過した頃、裁判開始。

初犯ということ、反省していること、弁護士さんを通して示談成立していることが考慮され

判決は、懲役1年6ヶ月、執行猶予3年

情状証人を引け受けてよかったと・・・

 

釈放されてから、2週間ほど自宅に同居してもらい、職探しを手伝うと

住み込みのパチンコ店での就職が、決まった。

1ヶ月後、世話になったからと缶ビールを1ケースもって挨拶に来ました。

ほっとしたのもつかの間、その1ヶ月ほど後に突然仕事をやめて失踪。

たぶん職場で、わけありなのでいろいろと言われたのだろうと推測するも

世間は、優しくはないから、辛抱するんだよとアドバイス。

2週間ほどは、メールなどで彼女とも連絡などついていたのですが

携帯料金を滞納してしまい、消息不明に・・・

あれから、7年以上たちますが、生きていて欲しいなと思います。

メンタルが、弱かったのと家庭愛の不足で、気にしすぎる事の多かった彼。

もう、少しなんとかして手助けしたかったなと後悔。

ふたりの子供は、もう小学生?

ホントに残念な気持ちで今も、時々思い出してしまいます。