100均でこのクオリティ。ダイソーは、既存の釣具界では、開けてはならないパンドラの箱を開けてしまった。
100均でルアーが売られる前の時代では、例えば、原価50円のルアーが1000円でバンバン売れていた。つまり950円が粗利となりルアー業界は1990年代のバス釣りブームに乗って発展してきた。メガバスがその象徴だった。
ダイソーに代表される100均ルアーを、「試しに買ってみるか」と客に思わせる時代の雰囲気になった現在、原価20円のルアーを100円で売り80円の粗利で薄利多売をすることを良しとする企業の繁栄。
これは、まさに例えるなら、ダイソーのユニクロ的展開。1990年代のユニクロは質は良くなくても安いから、売れていた。ユニクロがフリースなどの販売で客に質もよい、安いと世間に認知され爆発的に売れ今に至るように、ダイソールアーも質良く安いと認知され、爆発的に売れる可能性がある。今はまだ、試しに買ったみるか、という客のほうが多いが。
もしダイソーがルアーだけでなく、100円では到底販売不可能だが1000円で買えるロッド、リールまで販売し始めたらどうなるか?
ルアーを売ってなんぼのルアーメーカーはビクビクしているに違いない。メガバスなどは、このような事態となることを早くから気づいて、ルアーだけでなく、ロッド、リールなども戦略的に販売してきた。
既存の釣具メーカーでは既に生き残りをかけた熾烈な戦いを強いられている。敵はダイソーだけだなく、海外からもどんどん敵が増えてくる。3Dプリンターで個人でもルアーが作れるようにもなる。
生き残るためには、売れる方法を考えて抜いて、実行するしかない。