当たり前のことを徹底的に当たり前にやる、他の追随を許さないくらいに突き詰める…というのが「凡事徹底」という四字熟語の意味らしい。

 

 

これは簡単そうでそうそうできることではない。何ごとも基礎をおろそかにせず、1つ1つのプレーを大事に、丁寧にこなすためにはどんな状況においても平常心を保つことや時には忍耐も必要になる。その「凡事徹底」を今年のチームスローガンとする日本製鉄大分。本日、今年初の野球探訪はその日鉄大分の本拠地・明野球場をおじゃまさせてもらった。

 

 

 

照明設備やバックネット裏スタンドも備わる歴史ある立派な野球場。ここをおじゃまするのはちょうど4年ぶり、2回目。相変わらずのコロナ禍でなかなか観戦可能な試合がない中、日鉄大分のある選手のツイートでこの試合のことを知った。しかも観戦可とのこと。昨夜は21時半には酔っぱらって寝入ってしまい、2時過ぎには目が覚めてしまったが「お前は漁師か!」と自分に突っ込み入れながら朝からワクワク、自宅のある糸島からは約2.5時間、10時試合開始を目掛けて6:30に出発、今年もまたまた病気が再発(-_-;)。

 

昨シーズンよりクラブチームから企業登録に「復活」した日鉄大分、昨年あたり観た試合でも着々と力を着けていて全国の舞台もそう遠くはない雰囲気を感じさせてくれる。

 

 

2月はこの本拠地で春季キャンプ、今日がその最終日らしく、一昨日に続いて今シーズン2試合目のオープン戦となったようだ。

対するは同じ大分の日本文理大、言わずもがな九州大学球界きっての強豪チームである。

 

 

今年は打倒・九産大(?)、もちろんその他にもライバルは多数いるがこちらも全国の舞台を目指しての調整が進んでいるのだろう。文理大は昨年は見る機会がなかったのでちょっと久しぶり、どんな選手が見れるかが楽しみ。

 

今日は気温10~12℃といった感じだろうか。時々陽が差すと温かさも感じられるものの基本、随時冷たい北風が吹きつける野球にはちょっと厳しいコンディション。加えて3時間超のロングゲームとなったがスタンドで震えながら今年最初の野球探訪はゲームセットまで観戦した。そんな試合、例によって気になった選手ことを以降つらつらと。

 

今年から日鉄大分の主将となった犬塚選手は3番・サード、堅実な守備とミート力のある打撃はとても野球センスの高さを感じさせてくれる好選手である。

 

 

今日の対戦相手、日本文理大の出身で大学時代も主将を務めていた。単に野球技術だけでなくリーダシップも持ち合わせた選手なのだろう。この試合、後輩相手にいいところ見せたい(←そんなことは関係ない!?)という思いはあったかもしれないが、初回、最初の打席でいきなりヒットを放つと、2打席目はあわやバックスクリーンという特大のタイムリーツーベース。サードの守備でも美技があったが先輩として十分に面目躍如となったのではなかろうか。

 

日鉄大分の投手登録選手は全部で9人だが今日はその9人が1イニングずつ投げるという投手リレー、全投手を見ることができたのは早起きした甲斐があった(^^)/。先発は浦岡投手、9人の中では花田投手と並んで最年長、投手陣のリーダ格としての活躍が期待される投手だろう。

 

 

糸島Eにも何人かいる元岡中の出身、この試合のことを知ったのはこの選手のツイートである。社会人野球を盛り上げるためにいろいろ情報発信してくれているのもとてもいいことだと思う。昨日、冒頭のチームスローガンに関してちょっと余計なお世話的なDMを送ってしまったのだがそれにも丁寧に返信してもらった(それがこの試合を見に行こうという決定打にもなった(^-^;)。にしてもやはりこの投手のまっすぐには目を見張るものがある!!とても伸びと力があってコース一杯に決まったボールなどはスタンドで思わず「おーっ」と唸り声をあげてしまいそうになる。ちょっとアンラッキーな当たりもあって失点を許したものの、今日も身を乗り出してピッチングに見入ってしまった。これから暖かくなればもっと調子は上がってくるだろう。浦岡投手、そして犬塚選手にはそれぞれ投打のけん引役としての活躍を勝手に期待したい。

 

そういう選手に加えて新加入の選手も。今年の新人は全部で4人のようだがその中の1人、北九大出身の堀川選手はスタメンマスク。

 

 

大学時代にも見たことあるが右投げ左打ち、好守好打の捕手。今日の試合でも1打席目に痛烈なレフト前へのヒットがあったが昨年正捕手を務めた(当方推しの)与座選手とのポジション争いも楽しみ。

 

2番手でマウンドに上がったのは日経大出身の比嘉投手。

 

 

この選手においては高校の1年生大会から大学時代を通して何度も見てきたが社会人でまた見る機会を得たのはこれまた勝手になんだか嬉しい(^-^;。決して上背はないが身体全体を使ってキレのあるボールを投げ込んでくる「琉球トルネード」。見た目のカッコよさは相変わらず、社会人でも是非に貴重な戦力となってもらいたいm(__)m。

 

そういう日鉄大分の「猫の目」リレーに文理大打線が対応、この試合に関してはとにかく初回からしっかりと打線がつながった。どの打者も甘いボールは見逃さず、食らいつくようにフルスイングしていく。部員300名の大所帯、そういう競争の激しさの中、オープン戦で得たチャンスをしっかりとものにしていこうという気迫が表れているような気もした。

 

1番・ショート、龍谷出身の古賀俊哉選手は右に左に3安打。

 

 

それに加えて犠牲フライ、押し出し四球と4打点?5打点?。基本センター中心に打ち返すバッティングだがしっかりとボールが前でさばけていて強くてライナー性の当たりが飛ぶ。1番打つだけあって脚もなかなか。この選手はいい選手、リーグ戦でも1番を任される選手になってくるだろうか。

 

3番・ファーストは長崎総科大付出身の新2年生・西村優星選手、がっちりした体格でいかにもパワーありそう。

 

 

右足を高く上げると同時に一旦グリップを下げたところから強烈なスイングを振り出していく。この形はやはりパワーヒッターでないとなかなかできない。今日の試合でもライトの頭上を超えていく長打があったが高校時代から4番を打つ強打者、リーグ戦での活躍を期待。

 

さて今年の初の野球探訪、その試合で今年初HRも見ることができた。打ったのは文理大の野元由翼選手、今日は8番打者での出場だったが打席での雰囲気、遠くへ飛ばす巧さはおよそ下位という感じではない。

 

 

最初の打席でも右中間に長打を放ったが、この試合3打席目か、4打席目だったか…ライトへ高く舞い上がった打球は打った瞬間に「行った」とわかる一撃。高くきれいな放物線を描いた打球はそのままライトややポールよりのフェンスを越えていった。

 

 

この選手も他の選手同様、振りは思い切りがよくて迷いがない(感じがする)。「バーチャル高校野球」で見る限りは佐世保工時代は投手、(これまた当方推しの)佐賀魂・青木選手とクリーンアップを組んで高3の夏は長崎ベスト4まで進出している。

 

 

青木選手も思い切りのいい好打者だがクラブチームと大学(と環境は異なるが)で互いに刺激し合ってさらに強打に磨きをかけていけたら面白いと思う。

 

4番に入る飯塚選手もまぁほれぼれするようなお尻に太もも、ただ決して力任せに振り回すようなスイングではなくコンパクトにしっかりとボールを芯で捉えにいくようなバッティング。

 

 

それでもやはりパワーはあるので打球は速くて力強い。9回の最終打席、レフトへ上がった大飛球は野元選手のそれと同じ、これまた「打った瞬間」という見事な一発。

 

 

こちらは地元(?)大分高校出身の新2年生、高校時代はセンバツで甲子園も経験している選手のようだ。今年、来年と層の厚い文理大打線で常時4番を任される選手になってくるか勝手に注目したくなるようなHRだったことは間違ない。

 

さて昨年4月の「おうち時間」、勝手に日鉄大分のチーム紹介をする記事を投稿してしまったがその中にまだ(学生時代含めて)見たことがない選手がいたのだが今日はようやくその選手達を見ることができた。途中代打から出場の森遥己選手は福工大城東高校からの3年目。

 

 

なんともかっちりどっしりした安定感のある体格、ベンチからも打撃に期待するような檄が飛んでいたがその打棒には確かに期待したくなる雰囲気がある。昨年入団した古澤選手、追立選手もパワーのある強打者だがこの選手もまだまだこれからの伸びしろありあり、レギュラー争いに割って入ってきそう。そしてその森選手の高校の1つ後輩、中村蓮多投手は凄く細身ながらマウンドでの躍動感を感じる投手。

 

 

この投手は高校時代にも1度だけ見たことがある(ちょっとピンボケでスミマセン)。

柔軟そうな腕をしっかり振って投げるボールは伸びもあるし変化球のキレもなかなか。ちょっと荒れた試合展開の中、テンポのいい投球で三者凡退で切り抜けたのは見事。最後見逃し三振に打ち取ったボールなどはちょっとしびれた(*_*。まだ19歳、「怖いものなし」で打者に対してどんどんしっかり腕を振り続けて欲しいと思う。

 

山口光騎投手は神奈川大出身の2年目、長身でがっちりしたサウスポーだが、この投手もしなやかによく腕が振れていていいボールが来ていたように感じた。

 

 

昨年の「GRAND SLAM」を見返してみるとチーム唯一の九州以外、神奈川の出身。大学時代は神奈川リーグで防御率のタイトルも獲得したことのある選手のようだ。どういう経緯で大分のチームに入ることになったのかは当方の知るところではないが是非に九州で大きく羽ばたいて欲しい選手、今日の投球見る限りその可能性は十分あり!

 

対する文理大も投手7人によるリレーとなったが、中でも最も印象に残ったのは3番手で最長3回を投げた木谷聖哉投手。

 

 

この選手は東明館高校時代に見たこの選手だと思うが、随分と身体は逞しくなった。

 

 

この頃はまだ高校1年生、糸島Eの試合前にちょっと「寄り道」して見た試合だったがその頃と比べると球威も球速も格段とレベルアップ(まぁある意味当たり前)、今日の試合、得点も許したものの三振も3つか4つ奪った。決して力むことなく投げ込まれるボールは日鉄大分の打者が差し込まれるようなシーンがあったので球速以上のものがあるのだろう。既にリーグ戦でも登板しているのかな、今年はチームの主戦格としての活躍が期待される投手なのかもしれない。

 

当方が初めて文理大の試合を見た時から三塁ベースコーチを務められる高武助監督。もうかなり長きに渡り文理大で指導者を務められているようだ。

 

 

高校時代はあの森尾投手を擁して夏の甲子園を制した時の西短のメンバー、文理大の中村監督とは高校時代のチームメイトということになる。そして中学時代は糸島Eでプレー、もう34年前、糸島地区初の硬式中学クラブチームとして誕生した糸島E創設時のメンバーでもある。

 

 

この写真のどこかに高武さんもいらっしゃるはず。ユニフォームのデザインは34年経った今も基本変わりはない。文理大の試合はこれまでも何度も見てきているが、今日の試合後、ちょっとだけお話しするタイミングがあったので名刺交換して挨拶させてもらった(当然ながら急になんだ!?と思われた様子(^-^;)。糸島のことで話をしていると「今日も糸島の子、投げましたよ」とのこと。試合終盤に投げた末松投手はフレッシュ・二丈Fから真颯館を経ての文理大。

 

 

スラっとしたサウスポー、ストレートの伸び、変化球のキレともに上々、1イニングを三者凡退、2Kと完璧なピッチング。最終回を任されたのは吉村大輝投手、志摩中からの糸島高校(とのことらしい)。

 

 

この投手も力のあるいいボールが来ていた。先頭打者こそ出塁を許したものの最後は力のあるボールで三振を奪い試合を締めくくったが糸島出身にもまだまだこういう好投手がいたとはビックリ。高武さんに当方は現在住んでいるのは糸島だが出身は熊本・人吉だということをお話しすると「あらー、今日は人吉の子も投げましたよ」と(@_@。上記、2人の間に1イニング投げた城北出身の家城投手がそうらしい。

 

 

グラブを着けた左腕を高々と上げる特徴的なフォーム。エラーで走者が溜まったものの、落ち着いた投球で無失点で切り抜けたのは見事。高武さんに教えてもらったこの3人の投手はいずれも今年で大学4年生、ということは家城投手は高校では糸島EのOBのこの選手と同級生ということかな。

 

 

さらに吉村投手は中学校の同級生ということになるのかな。大分と八戸、遠く離れているがみな大学ラストイヤーで活躍できたらと思う。神宮で再会できたら最高(?)。

 

高武さん突然スミマセンでしたm(__)m。

 

と今回もいらん話が多くて長くなったが今年初の野球探訪はこんな感じで。

これでキャンプを切り上げた日鉄大分、これからオープン戦を重ねて都市対抗、日本選手権へ照準を合わせていってもらえたらと思う。

 

 

いまはまだいろいろ試す期間、焦ることなく当たり前のことを当たり前にきっちりやっていければ〇〇ガスとかJR〇〇とかHonda〇〇とか宮崎〇〇学園とかとも互角に渡り合える力は十分にあると思う(〇〇の意味なしm(__)m)。

 

「凡事徹底」、地道に愚直にやること。

これが意外と最も辛くて最も強くなる道かもしれない。

 

今日は(勝手に)グラウンドおじゃまさせていただきありがとうございました。

 

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さて今日は途中出場となった日鉄大分の青木選手、この選手の安定感ある打撃は今年もチームにとって欠かせないものになってくるだろう。

 

 

明日、日曜日の糸島Eはこの青木選手の出身チーム・博多南シャークスとオープン戦。

博多南Sは部員不足からかここ数年休部状態だったが今シーズンから復活、リーグ戦に参戦するとのこと。

もともと糸島Eとは懇意のチームだったのでこれはとても喜ばしいことである(^^)/。

 

明日も6年生の試合も行う予定。

こちらももうワクワク、ということでおやすみなさい。