本日3月1日は公立高校の卒業式。当方地元の夕刊で記事を目にしたのだが多良木高校では最後の卒業式が行われたようだ。
 
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秋には見事な銀杏並木が校門までの長い通路脇に色づいた姿を見せてくれる。齋藤監督曰く「日本一」の野球グラウンドももう使われることはないのだろうか。当方、多良木高校の卒業生ではないが(もともと少ない)地元の高校がなくなるのは寂しさを禁じ得ない…。
 
さて本日もその熊本の実家、午前中は早出して宮崎まで野球探訪してみることにした。最後の卒業式が行われる多良木高校近くを抜けて湯前から西米良を通るルート。
 
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このルートは昨秋、川南球場に「宮崎市長杯」を見に行った時に初めて使った時と同じ。山の中の道路なのでほとんど信号もなく、渋滞にストレスを感じることもなく順調なドライビング。人吉市内はそうでもなかったが宮崎県境にさしかかるとかなり深い霧が。
 
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なんか雲海とでもいうような幻想的な景色の中をひたすら東へ。ただ県境を越えると徐々に霧も晴れてまぶしいくらいの春の日差しが差し込んできた。宮崎県内に入るとかなり長い区間、川沿いの道を走るが一ツ瀬川というのだろうか、道中にはたくさんのダム湖が形成されていてこれまたなかなかの風情を醸し出している。
 
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なんか現実逃避、心が洗われる気がする。
 
そして車を走らすこと約2時間、本日の目的地・西都市へ到着。西都は広大な古墳群があることでも有名な町である。
 
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この形状はなんかUFOにも見えないことはない。何でも全部で300以上の高塚墳が密集する日本有数の古墳群ということらしい。西都こそ卑弥呼の里ではなかろうか!?
 
その古墳群からは程近いところに西都原総合運動公園はあった。当方、初探訪の場所である。
 
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95×120m、照明設備付きの野球場の他、陸上競技場や屋内競技施設も兼ね備える立派な総合運動公園、やはり宮崎のこういう施設の充実ぶりはすごい(@_@。
 
この西都原で一昨日から春季キャンプを開始したのは名古屋を本拠とする社会人チーム・東邦ガス。
 
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このチームに関する情報はほとんど持ち合わせていないが1927年に創部され都市対抗11回、選手権9回の出場経験を持つ東海地区の伝統チームのようである。関東は東京ガス、関西は大阪ガス、九州は西部ガス、そして愛知では東邦ガス、、、ということなのだろう。
 
西都原では3/6までキャンプを続けるようだがこの球場は土盛りの基本的に簡素な造りのものである。
 
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それでも東邦ガスが来るまではスワローズの二軍キャンプ地として活用されたいた。
 
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もうスワローズはいなくなったが看板はそのまま。外野の芝は青々とよく養生されていてファームとは言え確かにプロのキャンプで使用される球場だという感じはしっかり伝わってくる。バックスクリーン横には全面LEDのフリービジョンが。
 
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手書きの小さなスコアボードの上に増設されているのがなんとも愛嬌がある感じだが試合が始まるとスコアボードに変身。
 
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オーダーは表示されないが打席に立つ打者の名前や球速表示もされる優れもの。これは観戦する側からするとありがたい。その西都原に遠征に来ていたのは明治大(もうスコアボードの文字でわかりましたよね)。
 
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明治を見るのももう7年ぶりか…、神宮の六大学リーグ戦で見て以来、岡大海投手や高山俊選手たちが在籍していた頃。3月にはここ毎年立教が宮崎キャンプを行っているようだが明治が来るのはいつ以来なのだろうか。数年前にはプロ並みにアメリカでキャンプも行ったるするいまさら言うまでもない強豪チーム、今日この西都探訪の目的は明治の試合を久々に見てみたいというのもあったのは確か。しかし明治の選手達の背番号はどういうことなのだろうか。
 
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軒並み大きな数字を背負った選手が多い。というか中には3桁の番号の選手も数名、これって育成!?
試合前、この光景を目にしたときは一軍は既に帰京しBチームが残って試合するのだろうかなんてことも頭をよぎったのだがこれがれっきとしたAチーム、宮崎遠征メンバーのようだ。
 
そして先発のマウンドにはキャプテン番号「10」を背負う森下投手が。
 
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今日もっとも見てみたかった投手なので先発で来てくれるとはありがたい、もうこれだけで西都まで来た甲斐あり(^-^;。そしてその森下投手は期待以上の圧巻のピッチング、初回先頭打者からなんと6者連続三振、これは噂以上の好投手。大きく胸を張ってまるでアーチェリーで矢を放つかのような投球フォーム、球速は140㎞台中盤から後半というところだったがボールの伸び、勢いが違う。これはこの秋、周辺がかなり騒がしくなる…なんて下手な予想はしないがまぁかなり楽しみな投手には違いない。主将の重圧もあるだろうが名門を優勝に導いて欲しいものだ。
 
5回から3番手で上がった磯村投手も勢いを感じるサウスポー、2回を投げて3つの三振を奪った。
 
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腕の振りはしなやかで鋭い。中京大中京出身の新2年生、今シーズン以降、大きく伸びてくる可能性あるかもしれない。そして3番手では伊勢投手が登板。
 
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年始に「多分みな今年で大学4年生」というタイトルで高校時代以来見ることのない選手達のことをブログに投稿させてもらったがこの伊勢投手もその中の1人、前回見たのは筑豊緑地でのセンバツをかけた九州大会のマウンドだった。
 
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球持ちがよくてスタミナのあるタフな投手という印象があったが今日のボールは力強かった。ややサイドに近いスリークォーターから投げ込まれる真っすぐは140㎞は超えてくるし鋭く落ちる変化球もなかなかのもの。森下投手との2枚看板で今年の明治を引っ張ることが期待される選手だろう。
 
こちらも「また会えた」選手だが5番・ファーストでスタメンは喜多選手。
 
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この選手も広陵高校時代、小倉高校グラウンドでの練習試合で放ったセンターへのきれいなHRがいまだに忘れられないが明治で主軸を担う強打者に成長していたとはさすが。
 
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今日は2打席で交替となったがやはり長打が期待される選手なのだろう。
明治はその他にも印象に残る選手がズラリ。9番・サードで出場の小泉選手はセンターへのヒットに送りバントと存在感をアピール。
 
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聖光学院時代には(確か)従兄の瀬川選手との二遊間コンビが甲子園でも話題となった。なんか知ったかぶりような話もなんだがこの選手はある意味、明治で野球することが宿命づけられていた部分もあるのではなかろうか。それを自らの力で現実のものしたこの選手のポテンシャル、努力はかなりのものがあったに違いない。
 
その小泉選手に替わり途中代打で左中間に見事なタイムリーツーベースを放ったのは西山選手。
 
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明治大野球部のHPを見るとこの宮崎遠征メンバーの名前が掲載されているが今日出場した選手の中ではこの西山選手の名前だけがない。追加招集!?、多分新1年生、履正社出身の西山虎太郎選手ではなかろうか。1年生で唯一(?)試合に出場、それでしっかり結果を残すあたりはこれはかなり楽しみな打者だろう。糸島Eにも同じ名前の選手がいるがこっちもガンバレ!!
 
本日4番を任されたのは常総学院出身の和田選手。
 
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4回表、ここまでチーム無得点ながら無死満塁のチャンス、なんか打ちそうな雰囲気があったのでカメラを向けるとなんと(まだ撤去されていない)「歓迎 東京ヤクルトスワローズ」の看板を直撃するグランドスラム!!
 
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弾丸ライナーというか(多分)変化球をうまく拾った当たり、高く舞い上がってよく伸びた。今日は次の打席もタイムリーを放ち計5打点、リーグ戦でも4番を担ってくるのだろうか。
 
先発マスクは篠原選手、こちらは報徳出身の新2年生。
 
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今日は守備以上にバッティングで魅せてくれた。4打席目までタイムリー含めてすべてヒット、5打席目は微妙な判定(記録はエラー!?)ながら全打席出塁は見事。基本センター方向にきっちり打ち返すバッティングは安定感がある。今年はメインでマスクかぶるのかな。
 
今日の明大でもっとも印象に残ったのは2番・ライトで出場の丸山選手、前橋育英時代は確か甲子園でも投手、そして外野手で活躍したのではなかったろうか。
 
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3回まで3人ずつで攻撃が終わった明治だが4回、先頭が出塁するとこの丸山選手のバントがヒットになったのは大きかった。もっとも最初から自分も生きようというバント、今日はバントヒット2本含む4安打、それに盗塁も決めたがこの選手の脚はかなり魅力的。普通にショートゴロと思った打球も快足飛ばして内野安打にしたのは本当にびっくり。この選手はかなりヤルカモ!!
 
そんな感じで試合は明治が投打に圧倒。
 
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まぁ今日が宮崎遠征最終日、オープン戦6試合目の明治に対して今日が初実戦の東邦ガス、その辺の差があったのは否めないだろう。明治は仕上がり上々、いい感じで東京に戻れるのではなかろうか、リーグ戦が楽しみ。
 
と明治の話ばかりになってしまったが東邦ガスにも印象に残る選手がいた。
先発は田中空良(そら)選手、なかなか力のこもった真っすぐを投げ込んでくる。
 
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この投手も高校時代には甲子園を経験しているようだ。球速は140㎞台中盤を計測していたが球威はかなりありそう。今日は死球をきっかけに失点を許したが先発としてしっかり試合が作れる投手だと思う。こちらも(字は異なるが)糸島Eに同じ名前の選手がいる。うん、こちらも頼みますよ!
 
5回からの2番手は七島投手、鋭く曲がり落ちるスライダー(?)がいい感じの投手。
 
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この選手は鹿屋中央が甲子園初出場した時のエースではなかったかな。しっかり腕が振れるピッチングはまだまだ伸びる可能性がある。ところで今日の東邦ガスの投手たちはイニング間の投球練習でかなりの球数投げていた。通常は5球とか7球だと思うが多い時にはなんと20球近く投げる投手もいた。今日が初実戦、そういうこともあってのオープン戦特別措置なのだろう。
 
打者ではまず水本選手、今日は3番打者で登場。
 
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2打席目、ライトへ目の覚めるような低い弾道のライナーはそのままフェンス直撃、あまりに当たりがよすぎてシングルヒットとなったが芯食った時のパワーはやはりすごい。この選手も大学時代以来、久々に見ることができたのはよかった。
 
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大阪桐蔭でも主軸として甲子園で活躍したが亜大でも主将を任された好選手。(失礼ながら)東邦ガスで当方が知っていたのはこの水本選手だけ(*_*;、今年は3年目になるのかな、まだまだ上を目指せる可能性はある。
 
水本選手以外にも好打者はいる。
1番に入っていたのはルーキーの小林満平選手、六大学でも明治ではなく法政の出身。
 
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昨日見たラークスのルーキー、松本選手と(単に背番号が同じというだけでなく)似たような感覚を覚えたが、脚もあって積極的に振っていくアグレッシブな選手だろう。今日は森下投手からも2点タイムリーを放ったが1番打者として打線をリードできればおもしろい。
 
4番の若林選手は(おそらく)体重3桁のド迫力ボディ、そして期待を裏切らない超豪快なスイング(@_@。
 
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この体格でこれだけ思い切りバットを振られると投手もいい感じはしないだろう。それでいてファーストの守備でも好守があった。ライト前へ抜けそうな当たりを横っ飛び、身体は大きいが動きは決して悪くない。
 
9番・ショートは金田選手、パンフによると「かなだ」と呼ぶようだ。とても小柄、打席では「いかにも」という感じでセーフティも普通に仕掛けてくる。
 
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それでいて振って出た時のスイングはとても思い切りがいい。最初の打席ではライトへツーベース、そして3打席目にはなんとオーバーフェンス、ちょっとビックリ。
 
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高く上がった打球、当方は見失いバックネット方向へのファールかな!?なんて思ったのだが気がつけばライトの選手が打球を見送っていた。これはいい選手だなぁ、こういうセンスがあってパンチがある選手は糸島Eにもぜひ欲しいm(__)m。
 
まだまだ試合感が戻ってないところも感じる今日の東邦ガスだったがまだキャンプインしたばかり、これから徐々にあげてくるだろう。予定表見ると宮崎でのオープン戦最後に立教との試合も予定されているがこの試合も見てみたいなぁ(平日なのでさすがにこれ以上はムリです)。
 
朝は寒かったが日中は17~18℃と春を思わせるような陽気、見たかった選手もほぼ見れたし有休取って宮崎まで来た甲斐は十分にあった。
 
実家の庭先には梅だろうか、白い小さな花がしっかりと開いていた。
 
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ピンクの花が主流だが白い花もある。もうじき大畑の梅園も満開になり人出も増えることだろう。
 
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春は本当にもうすぐ、何がどうあっても季節は必ず廻ってくる。
まぁ気張らず、焦らずいきたいものだ。