昨年6月の小郡球場。ジャイアンツカップをかけたポニー九州連盟の選手権大会、糸島Eは強豪相手に粘りを見せるも最終回に突き放され全国への道を閉ざされた。

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昨年のチームは新チームスタート以来、リーグ戦は負けなし、最初のトーナメント大会も決勝まで勝ち上がったがあと一歩のところで優勝を逃した。そのトーナメント大会もポニー選手権もいずれも同じ相手に敗れた。勝てそうでなかなか勝てない相手、投打の両面でこの選手が立ちはだかった。

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投げる方も打つ方でも力強い。その後この選手はU-15の日本代表に選出され、高校に進んだ今年は1年生にしてチームのエース的な活躍ぶりで夏の南福岡大会ではベスト4進出、優勝した沖学園に敗れ甲子園出場はならなかったが早くも存在感を見せている。そして新チームとなり新人戦ではエースナンバーを背負っていた。

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やはり中学時代に印象に残るプレーを見てきた選手は敵味方関係なく気になるものである。そして今日はこの選手が高校生になって初の試合を視察、期待を裏切らない圧巻のパフォーマンスを見せてもらった。

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夏季休暇2日目、昨日も灼熱の鳥栖球場でかなり体力消耗したが懲りもせず2日連続の野球探訪、昨年のポニー連盟選手権を戦った小郡球場は朝から好天、試合開始の9時半には裕に30℃超えていたのではなかろうか。

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小郡のあたりは先の水害がひどかった地域。球場にほぼ隣接するショッピングモールはかなりの高さまで水没してしまったので今日もまだ営業にはこぎつけられていなかった。それでも駐車場を開放してもらっていたのには頭が下がる。いち早い営業再開を切に願いますm(__)m。

夏の甲子園はそろそろ中盤、連日熱戦が続いているが地方大会で敗れてしまったチームは早速新チームでの活動が始まっている。福岡は先週から早くも4地区に分かれての新人戦がスタート、今日はその中から福岡地区の試合を観戦すべく小郡まで出向いてみた次第。

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8月後半からは来春のセンバツをかけた秋季大会も始まるがその前哨戦的な位置づけの大会になるのだろう。一塁側に陣取るのは福大大濠。当方の自宅からはかなり近いところにグラウンドがあるので見かける機会は多いのだが試合見るのはちょっと久しぶり。

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ここ数年はタレントが揃う強豪チームだがこの新チームにも中学時代から名のある選手がいるという。どういうプレーが見れるか楽しみ。対戦したのは香椎高校、大濠とは同じチームカラー。

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公立校ではあるがこの夏は大濠同様に南福岡大会でベスト4に進出する快進撃を見せた。柳川、久留米商など伝統校を破ってのこの成績は立派である。好ゲームを期待!!

さて冒頭の選手、大濠の深浦くんは1年生にして早くも「1番」を背負っているがこの新人戦は打撃専念?今日の試合もそうだが5番・レフトでの出場となっている。

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投手としてもいいもの持っているが当方個人的には強烈なバットスイングから生まれる迫力ある打撃の方が印象に残っている。2点リードされて迎えた2回の第1打席、走者1人を置いて放った打球はまさに「空を切り裂く」という表現がぴったりな右中間を破るタイムリースリーベース。

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中学の頃からするとやや引き締まった感のある下半身から繰り出されるバットスイングはかなり速い。今日はこの他にセンター前ヒットもあったがアウトになった打席もフェンス際まで運ぶセンターフライと強烈なセカンドへのライナー、今日もマウンドに上がることはなかったバッティングはやはり迫力十分、今後かなり楽しみな選手であることは間違いないことが確認できた。

大濠はこの深浦くん以外にも楽しみな1年生がいる。1番・ショートで出場の山城くん、こちらは軟式のU-15日本代表のようだ。

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まだ身体の線は細いがこの夏は1年生ながらスタメンで起用されていた。攻守にセンスを感じるいい選手。
7番・センターの平山くんもいいバッティングしていた。

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今日はツーベース含めて2本ヒットを放ったがこちらも脚があっていい選手。後は2年生の頑張りがあれば2年ぶりのセンバツも見えてくるかも!?

その2年生、主将でチームを引っ張るのは星子くん、この選手も中学時代はU-15日本代表。

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小さなテイクバック、きれいに肘が上がって頭の上付近から発射されるセカンドスローはまったくお辞儀することなくセカンドベースまで到達する。打つ方でも4番、今日はかなりインコースを攻められて2つの死球をもらったがまだまだこれから成長しそうな選手だと思う。

U-15つながりでは2番手でマウンドに上がった星野くん、糸島Bの出身。

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この投手は1年位前に大濠グラウンドの練習試合で見て以来。しっかりしたいい下半身を持つ投手だが今日は変化球主体に制球重視のピッチング。スライダーがワンバウンドになるシーンが多かったが、それでも「かかった」感じの真っすぐはいい伸びをしていた。まだまだ1年生には負けられないところだろう。

さて大濠にはもう1人気になる選手がいた。8番・ライトで出場の新井くん。

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この選手は3年前の「仲里清杯」、久末球場で見た若松Dのこの選手ではなかろか。

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当時、中1ながら高めのボールをひっぱたいてオーバーフェンスしたのには驚いたがその後はリリーフでマウンドにも上がった。今日は8番での出場だったがとても下位とは思えないパワフルなフルスイング。

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十分に主軸が担えそうな選手。確か3年前の「仲里清杯」では久末球場から汐井球場に場所を移し「ハシゴ」で試合を観戦したが汐井ではこの夏、大濠で4番を打った当時自由ケ丘BBCの稲本選手もたまたま見た。なんかそういうのも偶然に過ぎないがそれも野球探訪の醍醐味ということで勝手に自己満足m(__)m。

そんなタレントが揃う大濠に挑む香椎、夏ベスト4だけあってしっかりした野球をする。先発の森くんは伸びのある打者膝元への真っすぐがよかった。

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香椎は試合前のシートノックでもとてもキビキビしたいい動きをしていたがここ毎年、着実に力を着けている学校なのだろう。上位打線はセンスを感じる打者が揃っていた。1番は中村くん、新チームの主将。

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ヒットはなかったが6回、セカンドからサードにシフトが変わった矢先の強烈な三週間へのゴロ、素早く反応しアウトにしたプレーなどはやはりいいセンスを感じる。

2番の竹浦くんはうまく逆方法へ運んだヒットに送りバントも1つ。

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この夏は2年生ながら1番を担っていた選手のようだ。うん、確かに何でもできるいい選手、この経験値を新チームでも活かして欲しいところ。

6番の佐々木君くんはグッと重心を落としてしっかりとスイングしてくる。

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今日はライト前へのタイムリーもあったが重盗で果敢にホームを陥れたプレーも良かった。

3番の林くんはこれまた攻守にいい動きを見せてもらった。

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初回の守備、走者を一塁に置いてのセンター前への難しい当たり、ダイビングするもダイレクトかワンバウンドか際どいプレー、判定は「アウト」、起き上がりざま1塁へ送球し飛び出した走者もアウトにする好プレー!
打つ方でもライト線へのいいヒットがあったがこのチームの攻撃の起点になってきそうな選手だと思う。

そういうビッグプレーもあってスタンドも盛り上がり、新人戦とは言えベンチ外メンバが懸命の応援。

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香椎は新チームも強いかな。

さて試合は3回が終了したところでしばらくグラウンドは無人に…。

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後攻めの大濠は守備に付く様子がない。どうやらこれは審判、選手たちの「給水タイム」だったようだ。試合は5分ほど中断したが7回終了時点でも同じような「間」があった。やはりこれだけ暑いとこういう取り組みも必要だろう。「水は飲むな」の時代からは大きな変わりようである。

大濠は元U-15もさることながら小柄な「バイプレーヤー」的な選手がいい働き。2番の大平くんはとても小柄な選手、それでも今日は力強いレフトへのツーベース含む2安打。

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日頃かなりバットを振り込んでいる様子が伝わってくる。
「背番号12」、9番・サードで出場の友納くんも2安打2打点。

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4回、満塁でのスクイズは内野安打となりさらに相手のミスも誘って逆転に成功、やはり勝つためにはこういう選手たちの「仕事」が欠かせない。

さて今日の試合、最も当方の心に残ったのは途中出場の香椎・江口翔人くん。

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代走で起用されると果敢に初球セカンドスチール成功、強肩の星子くんを相手に積極的ないいプレーである。その江口翔人くんは7回に回ってきた最初の打席で見事なバントヒット。

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9回の2打席目にもレフト前へヒットを放ったが脚にはかなり自信があるのだろう、確かに結構速かった。こういう選手がベンチに控えているのもちょっとビックリだがひょっとしたら1,2番あたりを担う選手になってくるのかもしれない。3番手でマウンドに上がった大石くん、思い切り緩急を付けてくる投球もさることながら6回の初打席では佐々木くんを1塁においてレフト前ヒット。

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1,3塁とチャンスが広がるとここで大石くんも盗塁敢行、その間に三塁走者の佐々木くんがホームを陥れた。元・U-15のバッテリー相手に積極的な作戦だがとにかく盗塁、エンドランと機動力を使って揺さぶっていくのが香椎のスタイルなのだろう。序盤の状況からすると試合はひょっとしたらコールドになるのかな…なんていらぬ心配もしたがこういう香椎の多彩な攻めが効いて後半はちょっともつれかけた。

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(メンバはかなり入れ替わったのだろうが)この辺はさすが夏ベスト4チームの実力なのだろう。今日はこういう結果になったが次やるときはわからないという感じだった。福岡は新年度も混戦模様!?

さて甲子園では連日好ゲーム、好プレーが続出している。好選手と評判の高い報徳の小園選手はその評判通りの素晴らしいプレーを見せてくれた。大阪桐蔭の根尾くんに負けずとも劣らない。

1-4と3点ビハインドの9回ウラ、カウントはスリーボールナッシング、走者を溜めたい場面、セオリーでは間違いなく「待て」だと思うのだがここで打って出てヒットを放った羽黒の選手には驚かされた(@_@。また2球でツーアウトとなった場合、次の打者は初球から手を出さないのがこれまた「セオリー」だと思っていたが羽黒はそんな場面でも初球ヒッティング、野球の常識も変わりつつあるのかもしれない。「ノーサイン野球」という常葉大菊川の野球などはその最たるものだろう。

私立も公立も関係ない。
相手が想像もしていないようなことを仕掛けてくる。
自分たちがやってきた野球、目指す野球をどんな場面でも貫く。
それができるような日々の努力を積み重ねる。
そういうチームが大舞台でドラマを起こすのかもしれない。

なーんつって、さて明日やることでも考えよう( 一一)。