連日の猛暑の中、本日は佐賀・みどりの森県営球場。

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佐賀の高校野球選手権もベスト4をかけた準々決勝、対戦したのは唐津工と有田工。試合は5年ぶりの夏の甲子園を目指す有田工がチャンスを確実にものにして序盤リード。

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追う展開となった唐津工、ふとスタンドを見ると唐津工の応援団が陣取った三塁側スタンド、そこからややバックネット裏近くのところでじっと腕を組み戦況を見つめる唐津工関係者が。

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あれはもう11年前の夏になるのだろうか。初戦から奇跡のような勝ち上がりであれよあれよと決勝まで進み、佐賀県勢として2校目の全国制覇を遂げた佐賀北。決勝戦では奇跡のダメ押しとも言うべき「逆転満塁本塁打」。当時は「がばい旋風」と呼ばれ全国的に有名になったが佐賀の地元の方はこの言葉どう思われていたのか。「がばい」の使い方も正しいのかどうかよくわからないが、いずれにしてもあれだけ意表を付かれる衝撃的なHRはなかった。その時のメンバーが指導者となって佐賀の高校野球界に戻ってきている。新たな歴史が作られるのか、そして旋風は再び巻き起こるのか。

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さて昨日はほぼ1年ぶりの人間ドックということで会社は有休。身体は年々確実に「成長(退化?)」を遂げ典型的な生活習慣病予備軍(>_<)。連日の猛暑でニュースや新聞でも暑さ対策、熱中症対策をしきりと呼び掛けているが当方の場合は少々汗をかいた方がいい(-_-;)。
ということで3年続けて人間ドックの後は高校野球へ。ドックは順調に進み午前中には終了したので死ぬような暑さの中ではあるが午後から佐賀・みどりの森球場を探訪してみた。

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福岡や熊本の大会は本日「休養日」、本日夕刻から週末にかけて所用のため熊本の実家に戻るということもあり、近隣で野球が行われているところではもっとも近く、熊本へ帰る途中(?)でもある佐賀を選択。

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日本中この暑さから逃げる場所もない。佐賀も例外ではなく38℃とか信じられないような暑さ。本来は選手と一緒に日の当たる場所から大汗かいて観戦したいところだが昨日はみどりの森球場の大きな屋根の庇護の下に観戦。

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佐賀大会は今日と明日で準々決勝4試合、当方が見たのは本日の第2試合、唐津工と有田工という対戦。唐津工は22年ぶり2回目の甲子園を目指しての戦い。

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4月から佐賀北優勝メンバーの副島コーチも就任、この前の試合では同じ唐津勢の唐津商が第1シードの佐賀学園に快勝したようだその勢いに乗って行けるか。

対する有田工は5年前の夏に現・楽天の古川侑利投手を擁して甲子園初出場した。こちらはその時以来の夏の聖地を目指しての戦いということになる。

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今年は古川投手のような好投手はいるのか。有田工の先発は笠原くん、184cmの長身から投げ下ろしてくる右の本格化。

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球速は130km台中盤(←みどりの森のスピードガンは毎度ちょっと厳しめのような気がする)というところだったが腕をしっかり振っていることもあってボールは糸を引くようなを伸びを感じるいい投手である。この笠原くんに唐津工打線がどう挑むのか。

1番打者は「鈴木誠也」くん、これは(勝手に)期待が膨らむ(^^)/

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今日はライト前にヒット1本、センター守るだけあって脚もなかなか。

主軸はやはり力のありそうな打者が並ぶ。3番の楠田くんに4番の岡部くん。

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特に岡部くん辺りは上背はないもののガッチリした体格からフルスイングしてくるので打球は力強い。

それでも序盤は有田工がリードする展開になると4回から唐津工はバッテリーが交替、投手・本村くん、捕手・池田くんと2年生コンビにスイッチ。

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本村くんはなかなか力のあるボールを投げる好投手。バッティングでも打点をあげたが来年は投打に楽しみな選手かもしれない。

この交替、先発の岩本くんも頑張っていたし捕手の姉川くんは打順は5番だったのでなかなか大胆な選手起用だなぁと思って見ていたがこの後はこの2年生バッテリーが粘りを見せ有田工に追加点を与えなかったことで試合は後半競った展開となっていく。

容赦ない暑さの中、唐津工の応援は迫力があった!!

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知らず知らずのうちに応援に合わせて当方も脚でリズムをとってしまったがブラバンはなくとも大人数での息の合った大きな声援は心打たれるものである。この辺も夏の高校野球のとりこにされてしまう要因なのだろう。

さてこの試合、野手と走者が交錯し守備妨害なのか走塁妨害なのかみたいな審判の協議が行われたシーンがあったがスタンドからは「ネイマール!!」という大きな声も。野球にまで浸透しているとは(笑)。

対する有田工の応援も気持ちでは負けていない。

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ベンチもスタンドも一緒に戦っている。こういう光景を目にするだけでなんだか(勝手に)涙腺が緩みそうになるのだがそこは暑さの中、心の汗ということで。

ただ昨日熊本大会では多くの応援生徒が熱中症で病院搬送されたため明日の準決勝、明後日の決勝では全校応援を自粛するよう高野連からお達しが出されたようだ。ちょっと残念なことだがこの常軌を逸したような暑さの中では致し方ない、応援の皆さんは本当に気を付けてくださいm(__)m。

有田工もここまで勝ち上がってくるだけあって野手もきっちりと仕事をこなすいい選手が。
2回、先制点のきっかっけとなるヒットを放った6番・ショートの前田くん。

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ヒットで出塁するとすかさず盗塁成功し先制のホームイン、続く3回には追加点となるタイムリーも放った。まだ2年生の選手、走攻守にセンスはなかなか。

9番・センターの木寺くんもいい仕事。

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2回にはタイムリーヒットも放ったが2つの送りバントもしっかり決めた。特に8回のバントは唐津工の追い上げムードの中だったのでしっかり決められたのはよかった。

4番の野村くんも2安打したが5回だったか、チャンスの場面では送りバント。

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ツーストライクと追い込まれたのでヒッティングに切り替わるかと思ったのだがスリーバント敢行、たとえ4番であってもこの辺の攻めは徹底しているがチャンスを盗塁やバントで確実にものにする、それが今年の有田工のチームカラーなのかもしれない。

一方で1番の堤くんには無死で走者がいる場面でもバントのサインは無し。

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その期待に応えて8回に貴重な追加点となるタイムリーを放ったが打撃はチームで最も信頼されているのかもしれない。確かにいい打者である。

0-3とビハインド、笠原くんの前に連打が奪えない唐津工は6回、4番の岡部くん、途中から5番の池田くんがこの試合初の連打でチャンスを作ると続く6番・主将の鶴くんもヒットを放ち怒涛の3連打でついて1点を返した。

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ヒットは全部いい当たり、笠原くんのボールがやや甘いところに集まったのを逃さなかったのは見事。続く本村くんの内野ゴロでさらに追加点が入り1点差。おーっ、なんかミラクルな予感、これはやはり唐津工は何か持っているのか!?試合は簡単に終わらない。

ただこの本村くんの打球は結構いい当たり、当方見ていてセンター前に抜けるかと思ったのだがもし抜けていれば一気に同点、逆転という場面だったので内野ゴロで抑えたセカンド・佐藤くんの守備はとてもこの試合においては大きなプレーとなった。

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チームの主将、きっちりした攻撃に投手を中心とした固い守り、有田工は日頃の練習の成果がしっかり出た試合だったのではなかろうか。

先発の笠原くんは猛暑の中、完投。

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6回、1点差に追い上げられたもののその後再び立て直すと最終回は三者三振という圧巻の締めくくり、最後まで球威が衰えることはなかった。それと何より今日は打順は8番だったが3安打したバッティングもとてもよかった。

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右投げ左打ち、左中間を抜く先制タイムリーもあったが広角に打てる打撃センスもなかなか。既に「古川2世」の呼び声も高いようだがネットのニュースによると本人の目指す投手は同じ楽天でも則本投手ということ、この辺りはなんとも(^-^;。その笠原くんの投打に渡る活躍もあって有田工がベスト4のイスを勝ち取った。

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今年のセンバツは伊万里だったが同じ陶器の街から有田工が甲子園出場なるのか、次戦の佐賀商に唐津商、龍谷もかなり強そうな感じだが笠原くん中心にロースコアのゲームに持ち込めば十分に勝機はありそうだ(勝手な素人予想です)。

対する唐津工は敗れたものの後半相手をちょっと慌てさせる展開に持ち込んだのはさすが。副島コーチは指導者に就任されてまだ3ヶ月強、あの甲子園での心躍るような活躍、経験が選手たちに伝承できれば唐津工は今後強くなっていくかもしれない。

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母校の佐賀北では当時のエースだった久保投手が監督に就任、また当時記録員をされていた真﨑さんという方は杵島商の監督に就任されたとのこと。また数年前にはこういう選手も見た。

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指導者となった選手以外にもこうやってクラブチームで現役を続けている選手もいれば現在は銀行員となって当方の親戚筋がお世話になっている方もいる。あの旋風から10年以上、時は経ったがあの感動が色褪せることはない。

指導者となられた方は佐賀にまたあの感動が生まれるよう後継の指導、頑張ってください!!

さて熊本、明日は準決勝。
「人吉・球磨からの甲子園」へあと2つ。
試合は見に行けないが球磨工の奮戦ぶりは人吉の実家からネットでチェックすることにしよう。

ガマダサンバよー!!