5月連休あたりから本当に好天続き、梅雨入りしても本格的な雨もなく水不足さえ心配されていたが今週は福岡、大分を中心に集中的な豪雨があり一部の地域では甚大な被害が出たようだ。本来、昨日土曜日は高校野球、夏の福岡大会の開会式が予定されていたが雨のために前日に中止が決定。昨年も雨の影響で開会式は北九州市民球場から隣のメディアドームに場所を変えて行われたが、今年はそのメディアドームも避難場所になっているため開会式さえ行われなかった。選手、保護者の方にとっては何とも残念なことであろう。被害の大きかった地区の高校は今週は休校になっていて野球の練習どころではなかったようだがぶっつけでの夏大というのも不安は残るに違いない。糸島EのOBもいる大分・日田の高校周辺も被害は大きかったようだ。こちらはなんとか開会式は行われたようだがとにかくこれまでがんばってきた選手がベストコンディションで試合を迎えられることをただただ願うばかりである。

さて昨日土曜、糸島地区は雨は一休止。悪天候やら家庭の事情やらで2週間顔を出せていなかった糸島Eの練習へ。

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来週の3連休は3年生にとっては最後の試合となるポニー九州嬉野大会が予定されている。そういう意味では週末この多久グラウンドで練習するのもこの土日が最後になるかもしれない。
蒸し暑い中、朝からフリー打撃、ケースバッティング、シートノックなどを行った。久々に1年生相手にノックを打たせてもらったが30分もすれば汗だく、フラフラである(-.-)。1年生も少しずつ確実に成長しているかな。

お昼に午後から多久グラウンド近くの糸島高校で筑前高校を招いて練習試合があるという情報が入った。本来は夏の開幕予定も雨で日程が延びたため急遽近隣の高校同士で試合が組まれたようだ。糸島Eの3年生も本格的に進路を考える時期になっているが、高校生の試合を見るのもこれまた練習・刺激になるだろうとの監督の発案でチーム全員で試合を見学させてもらうことになった。もちろん当方も大歓迎(^^)/。

糸島高校のグラウンドはちょっと久しぶり。

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少し狭くて変形しているが野球専用のグラウンドである。阪神やオリックスでプレーした白仁田投手などもこのグラウンドから大学、プロへと巣立っていった。公立校ではあるが毎年そこそこいいところまで勝ち上がる。一方、対戦相手の筑前は息子がお世話になった学校なのでこれはこれで懐かしい。

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あの夏はもう5年前か。現・三菱重工名古屋の下津浦投手を擁して同校史上初めて福岡南部大会を勝ち抜けたがいい経験をさせてもらった。

糸島高校は糸島EのOBも数名在籍しているが今年チームの4番を任されているのはそのOBの1人である。

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当方が関東に転勤していた頃の選手なので中学時代のプレーは見たことないが立派な体格のいい打者である。というか糸島高校の選手は全体的に体格のいい選手が多いのには驚いた(@_@。上半身、下半身ともにピチピチでムチムチ。これは強豪・私立にも引けを取らない。試合は序盤からその糸島高校の打線が爆発、スタメン出場していた糸島EのOB2人にも長打が飛び出して試合を圧倒した。見学した成果はあったかな!?
ところで糸島高校はこの夏からユニフォームが一新されていた。前のものの面影はどこにもない。薄緑の若草色の生地に濃い緑のネームと黄色のライン、なんか爽やかでとても好きなデザインである。この新ユニフォームで福岡大会に旋風を巻き起こすことはできるだろうか…その力は十分にある。一方の筑前は保護者OBとしてはちょっと複雑な展開となってしまったが「これが練習試合でよかった」と切り替えて本番に臨んで欲しいものだ。両校に力の差はない、糸島・公立校の夏の頑張りに期待したいm(__)m。

そして本日はまた朝から雨…。天気が良ければ朝から佐賀大会を見に行って午後から糸島Eの練習に顔出そうと思っていたのだが佐賀大会は早々と中止が決定…。昨年、激戦を見た高志館の試合が見たかったが残念。
福岡も南部大会はしばらくして中止が決まった。糸島Eもとりあえず午前中は家で待機、午後からの天気の状況を伺うことになった。所在なく午前中はベッドの上でゴロゴロとしていたが福岡北部大会は開催されているようで、これまたそういう情報を知ると居てもたってもいられずお昼前には自宅を出て北九州まで来てしまった(>_<)。

今日探訪したのは北部大会の会場の一つ、桃園球場。

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北九州球場には優勝候補の一角にもあがる真颯館も登場するということでどちらに行くか少し迷ったが、最終的にはこちらを選択。球場着いたときはお目当ての試合のシートノックが行われていた。観戦したのは小倉と北九州市立というカード。

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小倉は(おそらく)福岡の高校野球界ではNo1の伝統校であり、古豪である。今年の福岡は九州国際大付の4年連続出場がかかっているが、それ以前に福岡で4連覇を成し遂げているのはこの小倉高校だけである。ただそれは戦後すぐの頃の話。昭和21年から6年連続で優勝、特に昭和22年、23年と2年連続で全国制覇した輝かしい歴史を持つ。

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北九州地区随一の進学校でもあり、昭和31年以来、夏の甲子園からは遠ざかっているが近年は再び力を着けてきている。2年前の夏は現・慶大の岡野投手を擁しベスト4へ進出、優勝した九州国際大付に惜敗した。過去に練習試合で2度ほど見たことあるが公式戦は初めて。さて今年はどんな選手がいるのだろうか。

一方の北九州市立は戸畑商時代にセンバツに2回出場しているが夏の甲子園はまだ出場がない。

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戸畑商時代には現在・福岡オーシャンズ9で監督を務められるあの「カズ山本」さんも輩出している。この高校も例年いいところまで勝ち上がる力を持っているが今年はどうだろうか。

午前中の雨が嘘のように球場上空は晴れ上がりとても暑い中での試合となった。後ろに控える皿倉山の緑と球場フェンス、外野芝生席の緑がいいコントラストとなってとても目に優しい。

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全面砂地のグラウンド、この桃園球場の特徴の一つは中堅が125mととても広いこと。

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これまでいろんな球場に行ったが125mあるのはここと(来週また行く予定の)佐賀・嬉野みゆき球場ぐらいだろうか。7回、満塁のチャンスで小倉の8番・センター白川くんが放った打球はセンター頭上へまっすぐと伸びる。センターはセカンドランナーの本塁生還を阻止すべく定位置かやや前進守備だったったと思うが、背走し打球に飛びつくもののあと一歩、本当にあとわずか及ばず打球は125m表示のあるセンターフェンスまで転がった。2塁を回ったあたりで「これはひょっとして」と思ったが白川くんはセンター守るだけあって脚も速い、どんどん加速すると一気に本塁まで陥れる「満塁ランニングホームラン」。

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ちょっと想像してなかった出来ことで白川くんの写真も残ってないが多分背番号8の選手がそうです(^-^;。この1打がダメ押しとなって小倉が7回コールドで初戦を突破するという試合となった。

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小倉にとっては理想的な試合展開、北九州市立にとっては小倉投手陣を捕まえきれずというところだろうか。

北九州市立の先発は高比良くん。

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右のややスリークォーター気味のところから緩急をうまく使う。右打者の外一杯、左打者の膝元への制球がすばらしく序盤はなかなかのピッチングだったと思う。

小倉の先発・中野くんは好投手の呼び声高いが昨年のチームからエースナンバーを背負っているようだ。

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いやー、確かにこれはいい投手。スピードもさることながらなんかボールに力を感じる。強いゴムを目一杯に引っ張って放たれたような伸びのあるストレートと低めへ鋭くまがる変化球、スライダーなのかスプリット系なのか。甘く入ったところを何本かヒットにされたが失点は許さなかった。昨日は北九州市立の脚を警戒してかボール球や牽制がやや多かったがもうちょっと投球のテンポがよければチームの守り全体にリズムが生まれるかもしれない。

リードする捕手の豊田くんも立派な体格。

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打順でも4番に入っていたがパワーはありそうだ。今日は(多分)盗塁を2つ刺したが機動力で揺さぶりをかけたかった北九州市立の攻撃の流れを止めた形になった。試合を左右する大きなプレーだったと思う。

2番に入るのはベンチ入り唯一の1年生、石橋敬太郎くん。

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私立と違って1年生で夏にスタメンで出るのは難しいと思うのだが、それで2番に起用されているとなるとかなり野球センスの高い選手なのだろう。確かに送りバント、バスターエンドランなどいろんなサインが出される。今日はヒットは見れなかったが今後が楽しみな選手。

6番に入るのは主将の石橋頌太郎くん。これまた勝手な詮索だが名前からして1年生の石橋くんとは兄弟なのかもしれない(本当にこういうことは気になる(^-^;)。

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3回、走者2人を置いて左中間を破るタイムリースリーベース。次の打席でも大きな犠牲フライと3打点の活躍。決して大きな選手ではないが打球は力強いし脚も速い。

先制打を放ったのは投手の中野くん。初回、四球のランナーを2塁においてしっかり引き付けたチーム初安打はレフト前へのタイムリー。

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今日は5回までで3打数3安打と投打にわたるいい活躍。でもちょっと驚いたのは5回表に3本目のヒットで出塁するとそこで代走が出て試合から退いてしまったこと。

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この時点で5-0、まだ完全に勝利を掴んだという状況でもないが投打の柱をここで引っ込めてしまうとは大胆な采配、ちょっとビックリ。

その中野くんをリリーフする形で5回裏からマウンドに上がったのは2年生の河浦くん。これまたいい投手だ。

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これだけの投手がいるからこそエースを試合中盤で交替させることもできるのかと勝手に納得。球速は140km超えていたのではなかろうか、スピードだけなら中野くんより上かもしれない。やや制球に苦労し3イニングで2失点したがこれは秋以降がまた楽しみな投手である。小倉は同校OBで元ヤクルトスワローズの安田猛さんがコーチとして指導されているという記事を見たことがある。この2人の投手もその指導の賜物なのかもしれない。安田さんは病気と闘いながら後輩たちの指導に尽力されているらしいが選手たちも「甲子園」という形で恩返しがしたい気持ちで頑張っているのだろう。うん、いい投手たちだ。

一方の北九州市立にもいい選手たちがいた。1番の本石くんは初回、いきなりヒットで出塁。

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セカンドの守備ではセカンドゴロで1塁ランナーと交錯してうずくまるシーンもあったが痛みに耐えてよくがんばった(記録は守備妨害)。

4番の井上くんは0-5から1点を返す意地のタイムリーヒット。

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4番らしい力強いスイングをしている。

7番は背番号15ながらスタメンに入る玉木くん、打撃を買われているのだろう。

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大柄な選手、北九州市立のスタンドからは「ビッグ玉木!」のコールが連呼されていたがまだ2年生のようだ。新チームの4番候補かな。

当方、たまたま一塁側、北九州市立ベンチの上方からの観戦となったが、毎回の守備が終わってマウンドからベンチに帰ってくる高比良くんの笑顔がとても印象に残った。

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帽子をやや斜めにかぶって満面の笑みでマウンドから駆け戻ってくる。点を取られても下を向くことなく最後まで明るく投げ切った。チームのムードを高めるためこういうこともとても大切なことだと思う。これからも野球を続けるのかどうかはわからないがまたどこかでプレーを見てみたい選手だ。

小倉では伝統校らしいすばらしい応援がもっとも心に残った。

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昨年、戸畑高の試合を見た時も似たような感覚を抱いたが小倉はそれ以上に素晴らしい。高校野球というより神宮の六大学のような応援の雰囲気である。暑い中、学ランをまとったリーダーたちの一糸乱れぬ演舞はとても素晴らしいとしか言いようがない。この素晴らしい応援ともしっかり一体となった小倉の今日の勝利はこれぞ「伝統の力」なのだろうか。

小倉は昨年ほど下馬評は高くないようだが今年も投手陣中心にかなり力があることはわかった。今年こそは聖地へ戻れるだろうか。まずは次戦、真颯館との試合が大きなヤマになるだろう。真颯館もコールドでの発進となったようだが、この両チームの対戦はとても楽しみ。

雨には翻弄されたが今日もいい試合を見ることができた。

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試合が終わってクルマに乗り込むとほぼ同時にまた雨粒が落ちてきたがしばらくすると夕立のような土砂降りになった。
また雨…。福岡市内に近づくと路面は濡れていなかったので北九州市内だけだったかもしれない。
いずにしてもしばらく雨はいい。これ以上日程が狂うと高野連の関係者の方も大変だろう。

そして来週は無事、嬉野大会が開催されることを願いたい。
糸島Eの3年生がいい思い出を持って高校野球へ飛び込んでいければいいと思う。

にしても「アメトーク」間に合ってよかった~(^_^)。