今週も実家の用事で金曜の夜から熊本へ帰省。今回は有休を使わせてもらい月曜までの予定。
熊本の実家方面は金曜の明け方に記録的な豪雨があったようだがこの土日は一気に梅雨明けしたかのような真夏を思わせる好天。特に本日日曜は34℃を記録するとても暑い一日となった。

用事があって帰省している訳でのんきに野球探訪している場合でもないのだが今日の午前中だけ比較的近場で1試合だけ観戦することにした。今日は先週雨で流れた糸島Eのリーグ戦プレーオフトーナメントの1回戦もある。しかも相手は当方的には最も気になる久留米P。会場となった筑豊まではちょっと往復する時間もなく残念ながらそちらは欠席、申し訳ないm(__)m。何とか勝って来週へ勝ち進んで欲しいものだ。

ということで福岡・筑豊とは逆方面、鹿児島市内まで出かけてみることに。実家からは車で1時間強、学生時代を過ごした町だがそのころに比べると道路も整備され随分と近くなった。

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その「母校」からは徒歩圏内、鹿児島のメインスタジアム「県営鴨池球場」。

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沖縄、北海道では既に夏の甲子園をかけた県大会が始まっているが鹿児島は九州他県に先駆けて1週間早く昨日開幕、78校が鹿児島の頂点を目指す。今年の夏の高校野球探訪はこの県営鴨池球場からスタートとなった。

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鹿児島で高校野球を見るのは学生時代以来、30数年ぶり。それがこの県営鴨池球場だったのか、はたまたここから徒歩5分の鴨池市民球場だったのかも記憶はあやふやだがどこの高校の試合だったかに至ってはまったく覚えていない…。なんか暇つぶしで訪ねてみたのだろう。

鹿児島の昨夏は決勝で「宿敵」鹿実と樟南が延長再試合の激闘を演じたが今年はどうだろうか。この両校に加え春の九州大会を制した神村学園も力があるようだ。もちろんその他の高校にも大いにチャンスはあるだろう。その舞台となる県営鴨池球場、上空はまさに真夏を思わせる青空と雲が広がっていたが当方の学生時分に比べればとても大きくきれいに改装されている。

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98m×122mのフィールド、セパレート型のバックネット裏スタンドには車いす専用のスペースも確保されている。外野芝生席の上にもスタンド席が設けられていて収容人員は21,000人。球場敷地内にはブルペンも備える室内練習設備も併せ持つ。

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市内いろんなところからその雄大な姿を一望できる桜島、この鴨池公園からも見渡すことができる。

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鹿児島の夏の舞台としては申し分ない環境が整えられている。

さて今日は大会2日目、駐車場確保でやや手間取ったもののほぼ予定通りの時間に球場到着。観戦したのは(多分)1回戦の中では屈指の好カード、鹿児島南と鹿屋中央という一戦。

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鹿児島南はまだ春夏通じて甲子園の出場はないが公立ながら体育コースもある学校で過去には甲子園まであと一歩というところまで何度か進出したことがある。野球以外ではあの長渕剛さんの母校としても有名だ。今年こそは「悲願」なるだろうか。一方の鹿屋中央は3年前の夏に甲子園初出場、これは大隅半島から初の甲子園出場でもあったようだ。かつては阪神の亀山努さん、現役ではカープの松山選手や2年目ながらDeNAでレギュラーマスクをかぶる戸柱選手なども輩出している。昨秋には神村学園と延長再試合の熱戦があったようだがこの夏も優勝争いに絡んでくる力は持っているのだろう。
この両校はその昨秋も4回戦で対戦、その時は鹿屋中央が打ち勝ったようだが今日はさてどうなるか。

高校野球の試合内容について写真つきでネットに掲載するのは昨今の情勢的にちょっと考えるところもあるのだがとてもいい試合だったので(身勝手ではあるが)気になった選手のことについて少し。

鹿児島南の先発は桐野くん、右のオーバーハンド、四球もあったが緩急をうまく使って丁寧にコースを突くピッチング。

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チェンジアップなのかスライダーなのか左打者の外、右打者の膝元に落ちるようなボールは特によかった。鹿屋中央の打者が身体が前に突っ込まされる、いい当たりも不思議と野手の正面を突く、持ち味を十分発揮した内容でスコアボードに"0"を並べた。

鹿屋中央の鈴木くんもすばらしいピッチングをした。

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スローカーブに大きく流れるスライダー、それとズバッとコースを突くまっすぐ。9回投げて12か13個三振を奪ったのではないかな。試合はこの両投手のガンバリで秋の「15対9」というスコアがちょっと信じられないようなすばらしい投手戦になった。

両チームの主将、鹿児島南・高田くん、鹿屋中央・八重尾くん。この試合、両チームの初安打はともにこの両主将が放った。

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この1年、チームを引っ張ってくるのは大変なことも多かったと思うがこの試合がその集大成にできたかな。

鹿屋中央の7番を打つ下脇田くん、かなり小柄な打者だが購入したパンフで確認すると162cm。

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鹿屋中央は先発投手の鈴木くん含めてどちらかというと小柄な選手が多い。そしてスタメンに左打者が7人もいる。当方の勝手な推測だが長打というより脚をからめた攻撃を得意にするチームなのかもしれない。

一方の鹿児島南、この試合シートノックでまず目についたのが嶽川くん。こちらはとても立派な体格、こちらもすぐにパンフで身長体重確認(^.^)。

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なるほど…。すると背番号13ながらスタメン4番で登場、やはり打席では迫力がある。その見た目の期待を裏切らないいい当たりのヒットも放ったが今日もっともよかったのは6回無死1・2塁での送りバント。この場面、ホントにバントがあるのかどうか興味深く見ていたがきっちり打球を殺したいいバントを決めた。この犠打が0-0の均衡を破る先制点につながったので重要なプレーとなった。まだ2年生、次は豪快な一発が見てみたいm(__)m。

鹿児島南の1番・セカンドは小斉平くん、極端なオープンスタンスから踏み込んで打ちにくる。

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脚もあるいい選手だ。強烈なライト線へのツーベースがあったが今日はセカンドの守りも良かった。ロースコアの接戦となったのはやはり両チームの守りがよかったことが大きいと思う。
特に両チームのレフトがいい守備を見せてくれた。鹿児島南は右田くん。

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今日の鴨池球場はレフトからライトへ結構強い海からの風が吹いていて外野は守りづらかったと思うがきわどい打球をよくさばいていた。
鹿屋中央のレフト・篠田くんも右田くんを上回る好プレーを連発。

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特に6回1死2・3塁の場面、左中間へ「抜けたかなー」といういい当たりを背走して好捕、犠牲フライで1点は失ったがもし抜けていればさらに失点につながっていた。最少失点に食い止めるいいプレー、そのプレーは最終回裏の打席につながった。9回表にもミスから1点追加され0-2と鹿屋中央ビハインド、ランナー1,2塁と食い下がるも既にツーアウト。ここで打席が回ってきた1番に入る篠田くんはファールで粘る。

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粘った末に左中間へ打ち返し土壇場で同点に追いつく2点タイムリーツーベース、これは本当によく打った。見ていてちょっと鳥肌が立った。スタメン唯一の2年生、攻守に楽しみな選手。

そして試合は10回裏、鹿屋中央の攻撃。2死2塁から打者は空振り三振も投球がワンバウンドとなり振り逃げで1,3塁とチャンスは広がる。そしてここから連続四球を選び押し出しで勝ち越し、9回もう後がない状況から追いついた鹿屋中央が苦しみながらも逆転で初戦を突破した。

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鹿児島南としては三振、チェンジで11回に突入するはずのところから敗戦。勝利まであと一歩のところまで迫っていたが惜しくも初戦で姿を消すことになった。

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この夏初めての校歌は鹿屋中央。

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うん、これも夏らしくていい。
鹿屋中央の勝利は見事だが鹿児島南の桐野くんは最後まで本当によく投げた。

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9回2死からこの日唯一打たれた長打で同点にされ最後はまさかの押し出し、力尽きたという感じだろうか。桐野くんからは改めて制球力と緩急の大切さを感じさせられた様な気がする。ナイスピッチング。

試合後半、一人で観戦しながら思わず「あっ」と「オーッ」とか声が出てしまったがそれくらいのめり込まされるいい試合だった。

昨年の夏は佐賀大会を最初に観戦したが高志館vs塩田工、佐賀東vs鳥栖工の2試合がいずれも延長にもつれる試合となり、その後観戦した熊本や福岡の試合もなかなか「簡単に終わらない」試合ばかりだったが今年もいきなりの大熱戦。今年の夏は何試合見れるかわからないが今年は「ヒマオヤジ史上最高の夏」(?)になるかも。

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夕刻、実家近くの高校をのぞいてみた。地元では唯一シードされている球磨工のグラウンドは無人。

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母校のグラウンドも同様に無人だったが来週からの開幕に向け遠征に出かけたのだろう。グラウンドはのぞいていないが多良木は今年から新入生の募集を停止、2・3年生だけで夏の大会に臨む。
球磨・人吉から初の甲子園へ。今日の試合を見て地元の高校にも本当に期待したくなった。

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さて糸島Eは久留米Pとの決勝トーナメント、後半逆転で敗れてしまったようだ…。来週はチームに帯同できることを楽しみにしていたが残念。試合内容は全然わからないが強豪相手に接戦の末の敗戦、力をつけていることには間違いないと思うが勝ち切れない何か、それが何なのかはわからないがいずれにしても残す大会は再来週に開催されるポニー九州の嬉野大会のみとなった。

何とか有終の美が飾れるようになりふり構わぬ思い切りのいいプレーを期待したい。