中国介護産業の商機-------------------------------------------
深刻化する少子高齢化問題
1950年代、共産党の新政府は「人口は国の基盤」という人口拡大方針の下で一連の出生奨励政策を実行したため、中国の人口は急速に膨張し、1950~1973年の期間、年平均20%以上の人口成長率を続けてきました。
その一方で、人口爆発により食料不足や貧困の深刻化等の弊害が生じたため、人口増加に歯止めをかけるべく、1979年より人口規制政策である「一人っ子政策」に転換しました。そのような政策の大転換に伴い、人口爆発期に生まれた世代が徐々に高齢化する一方で、少子化が急激に進行し、中国人口の少子高齢化問題は益々深刻になりつつあります。
国連は、高齢化率(65歳以上の人口が総人口に占める割合)が10%を超えることを「高齢化社会」、14%を超えることを「高齢社会」と定義しています。中国国家統計局によると、2011年末の時点で、中国の総人口は約13億4700万人で、そのうち65歳以上の高齢者が1億2300万人あり、これは全世界の高齢者人口の1/5に相当するもので、中国の総人口に占める割合は2002年の7.3%から9.1%にまで上昇しました。
つまり中国は既に高齢化社会に入りつつあり、そして高齢社会の到来も間近に迫ってきている状況です。
また医療技術の進歩と生活品質の向上に伴い、中国人の平均寿命が更に長くなり、2050年の時点には80歳以上の老齢人口も1億人に達すると予測されています。
高齢化社会のマイナス影響としては単純に労働力欠乏の問題だけではなく、年金基金等の社会保障制度を支える労働人口の負担増や養老介護施設の不足など様々な問題が予見されます。
問題点
1、年金備蓄の不足
定年退職者の人数の増加と支給時間の延長に伴い、年金備蓄の不足は大きな社会不安を起こしている。中国社会科学院の『中国養老金発展報告2011』は、2011年末現在までに基本養老保険基金の合計残高は1.94兆元あると示しているが、この数字は多くの経済学者に疑問視され、むしろ今後数年のうちに中国の養老基金に1兆元程度の不足が発生するとの見通しが主流となっている。
中国国務院及び中国人力資源社会保障省は年金基金の積立不足を解決する1つの方策として、定年退職年齢の引き上げを検討しており、年金支給年齢を1歳引き上げる毎に基本年金総額が40億元(約500億円)ずつ増大し、基本年金の赤字が200億元(約2500億円)ずつ減少できるという試算が行われた。
年金基金の備蓄不足に伴い、定年年齢の引き上げはどうしても必要なことであり、実施は時間の問題となっています。
もう一つの問題は、老後生活を全て年金に頼り切れないため、中国人の多くが自らの貯蓄を最後の頼みの網として若い頃から一生懸命に貯金をしている。中国の老人にとっては社会保険や年金制度、医療及び介護制度は決して充実しておらず、個人が貯蓄をして老後の生活を確保する必要があります。
このように老後に備える思慮が普遍的に存在し、普段の生活消費が大きく抑制されているため、中国の家庭消費の経済全体に占める比率は2010年の時点で僅か35%のみで、米国の71%や欧州の57%を大きく下回っています。
2、「80後、90後」の負担が重過ぎる
1980年代以降、中国政府は人口方針を調整して「計画生育」の政策を徹底したが、その後に出生した世代は「80後」又は「90後」と呼ばれ、80後は殆ど既婚で、90後もそろそろ結婚適齢期となっている。
この若い世代が自分の子供を育てると同時に、また4人の老人(自分の父母と妻の父母)を扶養しなければならないのが現状である。
弊社ホームページ参照(2:4:1の構造)http://shenyang-cn.com
中国媒体である瀟湘晨報が2000人の「80後」を対象にアンケートを行ったところ、回答者の45.4%が「両親の介護費を負担する経済状況にない」とし、61.2%が「現在、両親に経済的援助はしていない」と回答しています。
また、33.9%は「月額1000元を援助している」が、「たとえ援助できるとしても、両親の日常生活をまかなう程度」と考えている回答者が25.9%となりました。
84.9%が「将来の介護については特に計画・準備していない」と回答し、その理由は主に「住宅・車のローン返済と子供の教育費で手一杯だから」となっています。
現在は現役世代(15~59歳)5人で1人の高齢者(60歳以上)を支える構図となっていますが、2040年までには、現役世代2人で1人を支えるようになるとみられています。
このように1970年代後半に導入された「一人っ子政策」と平均寿命の伸びにより、若い世代の経済的負担が益々重くなると予想されています。
3、失独家庭
中国では、大事に育てた一人っ子に先立たれた家庭を「失独家庭」と呼んでいます。
中国衛生部の統計によると、近年、このような失独家庭の数が増え続け、近い将来に1000万世帯を超える見通しです。
失独家庭の老夫婦はほとんど50歳を超えており、失意の中で過ごすという精神面の問題だけでなく、彼らの面倒を今後、誰が見るかという新たな問題も浮上しています。
北京市政府は2007年頃から失独家庭に毎月200元1人の扶養金を給与する制度を実施しました。
しかし高額の養老費用と比べてその扶養金はあまりにも少額で、焼け石に水となっています。
失独家庭の養老問題を根本的に解決するには、政府による政策的援助だけでなく、社会からの寄付や関心も欠かせないものだと、専門家は指摘しています。
4、「空巣老人」
経済発展の地域格差が大きいため、近年、農村部にある故郷を離れて大都会へ就学、就職に行く若者が増大し、故郷に残された彼らの両親は失独家庭と同様の養老問題に直面せざるを得なくなっています。
北京大学中国社会科学調査センターの「中国民生発展報告2012」によると、子どもが巣立った後に1人または老夫婦だけで暮らすいわゆる「空巣老人」の割合が13.2%に増加しています。
既婚の子供のうち75.2%が実家の両親と同居しておらず、専門家は「今後は高齢者の介護や精神的なケアも含めた問題が課題となってくる」と予測しています。
5、介護施設の欠如
最近、『寺に移住する老人たち』という記事が話題となっています。
その記事によると、農村部では、収入が少なく、子供も身辺にいないため、生活に苦しむ一部の老人は止む得ずお寺に移住したということです。 お寺から住む所や食物を与えられ、しかも何の料金も取られないため、そこに移住する老人の数がどんどん増加しているということです。
老後の生活をお寺の慈悲にすがるのは悲しい話だが、中国の養老施設欠乏の現状を的確に反映しています。
しかし、お寺が充分あるわけではなく、入居可能人数は極少数に限られ、老人達に医療やケアなどのサービスを提供することもできないので、養老 難を緩和する対策としては殆ど意味がありません。
養老施設が少ない上、医療施設が完備されておらず、物価、特に医薬品の価格が高いことも大きな社会問題となっています。
今後の見通しと商機
これまで長い期間、政府は高齢化問題を十分に重視しておらず、本土系企業も高齢者向け製品の開発や養老施設の建設に対する資本投入が少ない状況でした。
このような現状は外資系企業の中国養老市場への進出に大きな可能性を提供しています。
現在、高齢者向け製品は慢性的に不足しており、市場ニーズとのギャップが大きい状況となっています。
高齢者向けの保健食品、健康機器、医薬品、服装、住宅など幅広いニーズが期待されています。2020年までに、高齢者向け用品市場が2兆元(約26兆円)に拡大すると試算されており、巨大なビジネスチャンスが潜在しています。
また日本経済新聞の報道によると、中国の養老・介護分野の市場は2020年に5000億元(約6兆3000億円)を超える規模になると見通されています。この巨大な市場に進出しようと考えている日本企業としてはどのような心構えと取組みが必要でしょうか。
1、人材の育成とサービスの向上
中国では養老施設に入居している高齢者は約260万人で、そのうち身の回りのすべてのことが自分でできない高齢者は25万人程度。
一方、養老施設に入居していないが日常生活に何らかの支障がある高齢者や身の回りのすべてのことが自分でできない高齢者は1100万人以上も存在しています。
養老施設に入居した老人であろうが、在宅養老の老人であろうが、専門知識を有する介護者によってその世話をするのが好ましい状況にもかかわらず、中国には高齢者の介護に従事するヘルパーが30万人余りしかおらず、そのうち資格を有するものは10万人に満たない状況です。
さらに多くの介護者は老人介護の専門知識が乏しく、極低いレベルのサービスしか提供できないのが現状です。
介護サービスの深刻な不足はしばしば指摘されるので、その対策として中国政府は「ソーシャルワーカー人材整備計画」を制定し、2015年までに専業のソーシャルワーカーを200万人にまで増やす方針を打ち出しています。
中国の各大都会では、富裕層の増加に伴い、より行き届いた養老介護サービスが要求されています。
日本の養老介護事業はサービスのレベルが高く、特に老人の立場に立って配慮することが大きな特長であり、日本式のきめ細かい介護サービスを導入すれば、中国の介護の質を大幅に高めることができると、業界の専門家は提案しています。
現在、上海や大連などの都市では、日本式の介護技術や接待マナーを教える育成セミナーが開設され、1年で高級介護人材を30人ほど養成する規模となっています。
この事業により、当面の技能が低い→給与が安い→人手が足りない(介護事業に従事したいと思う人が少ない)という悪循環に陥っている現状を断ち切り、高い技能→高い収入という新しい流れを作り、より多くの人材を高齢者介護事業に引寄せて良い循環を作ろうと考えられています。
このように高い技能を持った人材育成が日系企業の中国展開にとって重要なポイントとなると思われます。
2、中国政府との提携を強化し、ハイエンド市場のシェアを獲得する
中国には現在各種の高齢者施設が3万8060カ所あり、ベッドは266.2万床、利用者は210.9万人に達しています。とは言っても、中国の高齢者施設のベッド数は高齢者総人口の1.59%に過ぎず、先進諸国の5~7%ばかりか、一部の途上国の2~3%の水準にも及ばないのが現状です。
こうした状況に対応するため、中国政府は2015年までに高齢者1000人毎に介護用のベッドを30床設置し、更に日常のケア用ベッド及び養老施設のベッドを約340万床増設するとともに、既存の養老施設のベッド数の30%(約90万床)の改善を目指しています。
しかし、この巨大なプロジェクトを実現するのは資金力はあっても運営ノウハウに乏しい中国政府の力だけでは到底無理なことで、民間資本や海外資本の参入がどうしても必要です。
12年10月、日本で有料老人ホームの運営に携わってきた日本人職員が設計や運営を担当する有料老人ホームが大連市の郊外に開かれました。
施設は約500室の個室がある他、食堂や重度要介護者向けのケアセンターを併設しています。
入居金は上限約43万元(約540万円)、家賃は食費込みで月額2700元程度に設定されています。
主に富裕層の入居を見込んだ施設ですが、大連市の養老難の緩和に一つのソリューションを提供しています。
現在、比較的早期に中国市場に進出した日系の介護関連企業は日本で培った豊富な介護経験を生かして、徐々に中国の養老介護分野のハイエンド市場に定着しつつあり、事業の更なる発展を目指していますが、如何に中国政府とタイアップして行くかが、継続的な成功の重要な鍵を握っています。
このようにノウハウが圧倒的に不足している中国の介護市場では、介護ノウハウが長年にわたり蓄積されている日系企業に熱い視線が注がれており、現在、弊社にも現地政府から日本企業との共同介護プロジェクトの要望が複数寄せられております。
これらの機会を上手く活用すれば、中国介護業界において先駆者メリットを享受する事が可能です。
ご要望・ご質問等ございましたら、いつでもお声掛け頂ければと思います。
【発行者】
遼寧省中日シルバー産業推進検討会
瀋陽大鑫成商務諮詢有限公司
http://shenyang-cn.com
遼寧省中日友好協会・理事
遼寧省瀋陽市鉄西区興工街北二東路17号
邮编〒:110025 栄富飯店
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