老舗の老舗「五太夫きくや」さんに興味があり、訪ねること3回目。やっと本日店が開いていました。お店は,JR袋井駅正面に有ります。
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このお店の創業は、「小牧・長久手の戦い」(羽柴秀吉陣営と織田信雄・徳川家康陣営の間で行われた戦い)があった年で、1584年(天正12年)なんだって。イメージ 2
この店の銘菓に「村一つ」がありますが、その謂われは・・・・・・。
正岡子規がまだ高等中学校の学生だった明治22年の12月、この年開通した東海道線で郷里の四国松山へ帰省する途中に 袋井を通りかかりました。
 汽車の発車時刻は午後6時7分、すでに あたりはうす暗く、「ふくろい~」「ふくろい~」の駅員の声にさそはれ、袋井停車場付近を詠んだ俳句
                                                                「冬枯れの中に家居や村一つ」
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当時の面影をそのままに伝える俳菓が「五太夫きくや」さんの“村一つ”なんです。村一つは、一つ一つが上品な紙に包まれ、包みの角には「きくや」の押印がしてあります。これだけでも老舗の菓子といった趣があります。イメージ 3
  いざ開けてみると びっくり!!薬の粒のような物が3つ・・・?(想像もしていませんでした。)干菓子の半生とでも言いましょうか?麦焦がしのような味、昔食べたことのあるような・・・?材料は、大豆・和三盆・水飴・胡麻・葡萄なんだって。葡萄・・・・?へえ~~~っ!イメージ 9
もう一つの銘菓は、「葛布氷(かっぷごおり)」です。何これっ・・・?
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袋井市は、静岡県の西部にあります。その北隣に「森の石松の生誕地」で知られる森町があり、袋井・森とも古くから葛(くず)の産地で知られていました。その昔、森町の山間部にある滝の周辺に葛のつるが繁茂していて、その蔓(つる)が滝の流れに洗われて繊維が白い布のように見えた。そのことからこの滝を「葛布(かっぷ)の滝」と呼ぶようになったんだって。
 
この滝壺裏の洞穴では、天然の氷がとれ、美味しい「葛布氷(かっぷごおり)」として、袋井などで売られていました。 ”残念ながら、明治44(1911)の大洪水で洞穴が崩落し、製氷は途絶えた”とのことです。
このことから 伝説のくず湯「葛布氷」という名前にされたとのこと。五太夫きくやは、今は袋井駅前にお店がありますが、元々は森町で商いをしていたようです。イメージ 5
【くず湯葛布氷の召し上がり方】
お椀にくず湯葛布氷を入れ、熱湯を八分目(150cc)注ぎ、スプーンでよく撹拌して固まりが溶ければ出来上がりです。イメージ 6
葛には、もともと薬効があり、くず粉に熱湯を注いで溶かした”くず湯”は、冷めにくく、体が温まり、消化にも良い為、病み上がりの食べ物として食べられてきました。とろとろのくず湯をスプーンで一口頂くと 癒されるような感覚で、しばしの幸せな時間を過ごすことができますよ。
 
ひまわり 五太夫きくや (ゴダユウキクヤ) ひまわり
住所:静岡県袋井市高尾町25-7
TEL0538-43-4178
交通手段:袋井駅から95m
営業時間:90019:00
定休日:木曜