ついに念願かなって、世界に2箇所しかないと言われるブルーファイヤーを見に行ってきました!
その場所は、東ジャワのイジェン山というところにあります(孤独の山という意味だそうです)。

この青い光は夜しか見れないそうで、したがって夜間登山でした( 要するに不眠不休!)。

インドネシア生活の中でおそらく最大と思われる大冒険だったのですが、美しく怪しく光る青い光に感動でした。

 

この日は新月、漆黒の空。

そして雲どころかチリ一つない澄み渡った晴天の空気。

10度を切っていると思われる気温で、空気もキリッピリッと気持ちよい。

吐く息が白い。。。これは今の私の憧れの冬だ。

 

登山前の待機中熱いコーヒーを飲みながら(もちろん粉粉で沈むタイプ)、満点の星を仰ぎ見ることができました。

もうそれだけで満足!と思っていたら更なる過酷な大冒険が始まったのですが。

 

 

マランから6時間ちょっとかけてイジェン山のふもとに着いたのは1時前。

2時に山のゲートが一斉に開きます。

そこからブルーファイヤーに向かって場所争奪戦の登山が始まりました(すごい人)

実は前週休日出勤&仕事の大イベントが続き水曜日あたりは既にもうヘロヘロ。

そして木曜日朝4時半に起きてマランへ到着、早速朝からまあまあガチなハイキングをこなし(後日またブログに書きたいと思います!)、そのまま寝ないでこの登山に来たのです。

こりゃもう死ぬかも知れん。。。と思っていましたが、大丈夫でした。どうやらまだまだいけそうです(笑)

 

 

長い登りの山道を進み(何回も言いますがまあ大変)、ついに頂上に到着したと思ったら下山はけっこうな崖。

山と言えば、インドネシアで何度かブロモ山に行ったのですが、その時は拍子抜けする楽々ツアーで、かなり近くまで車で接近でき、ちょっと頑張ったのは火口へ行く階段の上り下りぐらいでした。

なのでイジェンもそんな感じかなと勝手に思っていたら、、、

なめてました。この夜間登山はかなりのハードさで、まあまあな危険度でした。

 

忘れていたのですが中国旧正月の連休と重なってしまい、すごい人。

ヘッドライトをつけた人々が危ない崖の下り道をぎっしり埋め尽くしていました。
(結果的にとても明るく、大渋滞で崖を降りるのも超ゆっくりなため怖くなかったのかもしれないけど)

 

有毒ガスがすごくてこのような有様です。↓

それでも地球が生きているのを間近で見れて、二度とできない経験をしたと大感激。

活火山なので火山活動が活発な時は立ち入りを制限され、また事故発生時やコロナ禍でも入山できなかった時期があり、天候によってもブルーファイヤがたくさん見れるかどうか変わるらしいので今回間近で大きな火山活動が見れたことは本当に幸運でした。

 

Stunning Electric-Blue Flames Erupt From Volcanoes (nationalgeographic.com)

 

ブルーファイヤーが見れる場所もずっと大渋滞。

この辺りはもう、防ガスマスクとゴーグルなしでは絶対無理なぐらいの毒ガス大噴出です。

毎日このガスを吸っている硫黄取りの労働者は健康を害して寿命が短いという話もあります。

いや本当に、もしお持ちの方は自分の防ガスグッズを持参ください。

現地でガイドさんが100,000ルピアでゴーグルと防ガスマスクを貸してくれますが、かなりの使いまわしですので(笑)。

 

 ブルーファイアの場所近くには、硫黄の塊で作られためっちゃ手作りのお土産が売られています。

今思えばせっかく行ったのに買えばよかったと大後悔!

何せ人が本当に多くてすごいガスで、早く登らないと日の出に間に合わないとのことで焦って足早に通り過ぎてしまいました。

誰か次に私の友達でイジェンに行ったら絶対お使いを頼もう。

 
崖の登りもさらに大渋滞で、残念ながらだんだん日が昇ってしまい、尾根まで上りきるのが間に合わず、途中で日の出を迎えることに。
でも山の端が段々ミルキーな色に変わっていって青い空が少しずつのぞいてくる様は神がかりの美しさでした。
2時に開門し、約2時間の(まあまあタフな)登り、その後1時間ほどの崖下り、帰りも同様のルートで本当に本当に大変だった夜間登山なのですが、この景色や体験はほかに比べられない素晴らしいものでした。
 
もくもくとけむりが昇っているあたりがブルーファイヤー地点。
お日様の光でもうすっかり黄色い土地になっていました。
それにしても地球って生きている、すごい、美しい!
そして、ガイドさんに向かって思わず「インドネシア・インダー」ってつぶやいてしまいました。

 

硫黄火山の側面はこのように死の大地。

草木が生えることがなく、荒涼としたスターウォーズの風景です。

映画のロケ地としても利用されたことがあるそうです。

 

硫黄取りの人たちが採取していた硫黄の塊はこんな感じ。

ちょうど流れている間に固まった鍾乳洞のような形で、持たせてもらったらとっても重かったです。

自分だけが登るのだけでも大変なのに、こんなものを担いで危険を冒して下山するなんてすごいなあ。

 

硫黄のガスがすごく、山肌もこんな感じに。

他にも、真っ赤な土の地層もあってとても山の断面の観察も面白かったです。

ガイドさんに質問してみたところ、「この山はかつては海だった」ことはなく、火山の溶岩や噴火によってできた地質だそうです。

 

下山途中に見えた遠くの山々。

360度素晴らしい遠くの山の景色が拝めました。

スッキリ澄み渡る快晴の天気にまたまた感謝!

イジェン山は地理の関係か雨季でもまだ雨が少ない場所のようです。

それでも前日雨が少し降ったりしたら登りの道がかなりぬかるんで苦労するそうです。

雨に濡れてしまうとブルーファイヤの光も少なくなるだろうし、今回はとても運が良かったです。

 

こちら、ランボルギーニと呼ばれているタクシー?!。

なんとお値段往復1.2Juta(約12000円)。最近だんだん値上がりしているそうです。

この手押し車も崖の前までしか行くことはできず、ブルーファイヤを見るのは自力で崖下りは頑張らなければなりません!

ちなみに、頂上から門までひたすら降りるのだけのタクシーの値段は確かパジェロという名前に変更され、5000円でした。

かなりのスピードで降りていくので、もしもオジサンが事故的に間違えて手を放してしまったら、この高級車とともに奈落の底に、、、考えただけで怖いので私は絶対自力で登山します(もともと超健脚ですし!)

びっくりしたのは、利用していたのはちょっと年上の方ではなく、ほとんどみな中華系の(お金持ちとみられる)若者たちでした。。。

 

帰り道ではたくさんのかわいい植物に出会いました。

これは野イチゴ。

食べてみたらおいしいよと言われ、挑戦。我ながらチャレンジャーですね。

甘酸っぱくて素朴な味でした。小鳥たちが好きそう!

 

ミモザのような花をつけた木。

すごくたくさん生えていました。

確かイジェン山あたりの固有種という説明をしてもらったような。。。

 

朝露の奥に見える碧い山がとてもきれいでした。

空気がきれいで自然豊かなところに来ると気持ちが本当にすがすがしくなりました。

 

ついに登りスタート地点の門まで戻ってきました!

そのあたりにはたくさんの果物屋さんも。

このお店で買った大好きな果物の「サラッ」はとっても大粒でおいしかったです。

後ろのテントもすごい数ですね、でもここでテント泊は本当に本当に寒いと思います。

戻ってきたのはだいたい朝7時過ぎ。

これで既に約27時間はほとんど寝ずに起きていたことになりました。

自分で自分がすごいと感心(笑)

 

 

おまけ

 

ふもとにはたくさんワルンがあって、おなかペコペコ、ソトアヤムを朝ごはんに食べました。

とってもおいしくてほっこり温まり大満足。

ソトはどこで食べてもとてもおいしいのだけれど、イジェン山夜間登山でブルーファイアを見た後のおいしいさは一生忘れないでしょう。