ヒンズー教寺院に最初に出会ったのが20代序盤のシンガポールで、あのカラフルなどぎつい装飾にびっくりした思い出があります。
 
その後、ずいぶん経ってからインド系の会社に勤務していたため本場インドに行く機会があったのですが、同じくてんこ盛りの装飾にヒンズー教ってなんかすごいなあとしみじみ思っていたのでした。
 
ところが、インドネシアに赴任して、しかもジャワに残る渋好みの廃墟的寺院に出会ってからはかなりツボで、ことあるごとにそういう遺跡を巡っています。
またバリはバリでシックだけど華やかさもあり、ジャワに残るおじいさん的なヒンズー寺院は違うんですよね。。。(勝手な意見ですけど)

 

マラン近郊も山がちなところゆえか、たくさんの遺跡がありました。

 

二番目に行ったのがCandi Singasari
Singhasari temple - Wikipedia

 

マランのヒンズー寺院の入場は基本的にお布施形式になっていて、いくらにしたらいいか外国人は悩ましいところ。

でも庭もきれいに整備されているので緑色の20,000ルピア札にしておきました。

 

特にジャワのヒンズー遺跡でとても胸が痛むのが、首から上を切り落としたり破壊した像が多いこと。

 

首を落としたら死ぬ、というのは生き物すべてに共通で、そうすることで宗教を途絶えさせたということなのかしら、、、と思いました。

 

それでも人が何かを信じる気持ちや神々しいものにすがる気持ちを止めることはできなくて、きっと昔のヒンズー教徒は勢力に追われ追われ、どんどん山の上に逃げて、そこでこっそり信仰を守っていたのかもしれないと思いました。

たとえ石造であっても首を落とすという残虐さを見てしまうと、すごく辛い気持ちになりますね。

 

多分、中部・東ジャワはマップで検索してもかなりのヒンズー教寺院跡があり、掘れば掘るほどゴロゴロ出てくるのだと思います。

 

次に訪れたのがCandi Badut

Badut - Wikipedia

 

ふと、CandiとPuraの定義が気になって調べてみたら、Candiはヒンズーや仏教も含め、お墓や門など石の遺跡のいろいろなもの全体を指しているようです。

一方、Puraはヒンズー教の宗教的な礼拝所を指しているそうでサンスクリット語では門という意味があるようです。

確かに、ヒンズー寺院は必ず割れ門がありそこを通って祈りの場所に行きますもんね。

 

こちらのCandiの像も首から上が破壊されていました。

それにしてもマランは山々が多い石の街、その場所にふさわしい寺院群です。

 

庭がきれいに整備されていて、ちょっと心落ち着きます。

私個人がヒンズー教寺院を何となく好むのは、この庭の豊かさにあるかもしれません。

建築物が好きなのでモスクも立派だなと感心するのですが、さすがに砂漠ではぐくまれた宗教なのか、そういえばほとんど樹がありませんね。

 

こちらも頭を破壊された何かの像(狛犬みたいな動物像?)。

それとちょっと落書きが多かったのも(掘り込まれた誰かの名前)、悲しい気持ちになりました。

といってもその掘られた名前ももう苔蒸していましたが。


マハーカーラはインド神話に登場する人物だそうです。 ジャワでは、この人物はシヴァ神を祀る寺院の入り口の横にパートナーのナンディーシュワラとともに彫られているそうです。 これらの 2 人の人物はシヴァ神に光をともす門番の人物と考えられているそうです。

この神様は仏教にも残っているみたいです。フムフム、Wikiってすごい。

マハーカーラ - Wikipedia

 

ヒンズー教が途絶えてしまった一方で、まだまだジャワに残るのがワヤンの文化。

インドのラーマーヤナのお話が残って語り継がれているのは面白いですね。

 

 

この寺院の前にすごくアーティスティックな壁絵がありました。

インドネシアはあちこちでグラフィティアートがすごいのですが、マランはなかなかすごいものが多かったです。

ジャワでは高原の街は芸術の街。

 

これもなんかいいですね。

 

 

寺院の見学を終えてあとは果物市場(マランは果物がとっても豊富な町です)に行きたいと車に乗り込んだら、途端に雨がぽつぽつ。

 

 

おまけ

 

果物市場は雨に濡れないので助かりました!

いろいろ買いたいのだけど飛行機で運ぶのを考えると断念。

旅のおやつに食べる分を少しだけ買いました。

(ブドウひと房、サラッ5つ、リンゴ3つで300円ほど!)

 

 

ホテルに着いたら大雨に。

8時間運転手さんをお願いしていたけど、朝早くて疲れちゃったのでもうリリースしてお部屋で休憩にしました。(つまりこういうところが結構ゆるいんです)
大雨がバサバサ降るのを見ながらあったかいお茶とか飲むの、結構好きです。