翌日、仕事が終わってからいろいろ考えた。
姉ちゃんの家は夫婦2人暮らし。
姉ちゃんに会いに行こうと思っていたけど、
どんな顔をして会いに行けばいいのかわかんない。
私が泣いてしまって、逆に迷惑かけるかもしれない。
こんなとき、元気付けられるような言葉なんて浮かばない。
そんなこと思いながら、姉ちゃんのだんなさんに電話してみた。
旦那さんは、「お前、はよこい。」って。
日頃から不器用で言葉の少ない旦那さんだけに、
私は電話を切った後涙が止まらなかった。
急いで支度して姉ちゃんちにいくと、
旦那さんだけが家にいた。
姉ちゃんは月曜日から入院のために仕事を休まなきゃいけないからって、
残ってる仕事片付けてるらしい。
結局帰ってきたのは22時くらい。
姉ちゃんが帰ってくるまでの間、夜ご飯を作って、旦那さんといろいろ話をした。
姉ちゃんが、夏まで持たないって自分で思ってること。
葬式は家から出してほしいって願っていること。
そのほかにもたくさん。
そうこうしてると姉ちゃんが帰宅。
私がこれまで見たことない、不安や恐怖でいっぱいの表情をした姉ちゃんがいた。
目が合うなり唇をかみ締め、涙をこらえた姉ちゃん。
私は後ろから肩を2回叩いた。
一緒にガンバロってキモチをこめて。
結局、その日はご飯を3人で食べて私は家に帰ったのだけど、
ご飯を作ってたことにすごく喜んでくれて、
行ってよかったって思った。
子供がいない姉ちゃん夫婦だけに、
私は、姉ちゃんたちの子供のような存在でずっといたいと思った。