父の手





『きみの て』 この曲を耳にしたのは今年に入ってから。


なんだかこの曲の歌詞が父とリンクして、


それ以来、この曲は私の携帯の着信音になった。


父の足をマッサージしている時、いつもこの曲がうかんでた。


父が近い将来いなくなることが分かっていたから。


一度だけ、父がこの曲を口ずさんだ事があった。


いつも携帯の着信音で流れるのを父はきいていたんだろうな。


あの時はちょっと嬉しかったのを覚えています。



  


 「きみの て 」Every Little Thing


さっきから 降り続いたままの 秋の誘いを連れる雨


見事な程、この僕を隠すように。


君にいえたらよかったコトバ 「ありががとう、沢山の日を」



僕もまた こうして少しずつ 忘れてしまうのかな



楽になるためでなく いい人ぶるつもりでもなく



僕の好きな笑顔を もう 絶やさないで


僕へと触れ続けた その手は やさしかった 


何気なく そして 強く


僕は いつも まもられてた


この部屋から見えるもの すべて 今また 違って見える 


君がいた


それで もう 僕の 特別だった


諦めではなく 無理しているつもりでなく 


思いのまま 遠くへ 愛を 解き放って


僕へと触れ続けた その手は やさしかった


何気なく そして 強く 僕は いつも 守られてた


君がふれた僕の この手が 握り締める 


さりげなく だけど  強く


僕は行くんだ 君から行く


繰り返しながらも どうしようもなくなりながらも


ままならぬ僕は 愛を見つけて 見つめて 想い果てぬまで


僕へと触れ続けた その手は やさしかった なにげなく そして強く


僕は いつも 守られてた


まだ降り止まぬ雨は やがて花を咲かすだろう 


僕を隠すためじゃなく 僕もまた 咲かすのだ、と

1日中、降り続いていく 秋を誘い入れる雨