体の調子で機嫌がころころ変わる父。



今、治療を全部拒否してる。



どうせ治らないからって投げやりになってるんだろうなって思う。



ちょっと前に、看護婦さんやお医者さんとか、父の為に一生懸命してくれてる人たちの事を父は悪くいった。



『所詮商売じゃ。』って。



正直、はっていた糸がぷつんって切れた感じを受けた。



どうやったら痛みが緩和されるだろうって一生懸命考えてくれてるのに、みんなみんなお父さんの為にってしてくれてるのに。



私も、介護を仕事としてやってるから、正直かなりショックだった。



お父さんは、私のこともそう思ってたんだって。



私たち家族だってそうだ。



見返りを求めているわけじゃないんだけど、あからさまにそんなこといわれたり、そんな態度をとられたりしたら・・・。



そんな感じの日々が続いて、私たちにはどうしたらいいか分からなくって・・・。



そんな時、ばったり外で訪問看護婦さんと会った。



そして家に来てくれて父にこういった。



『楽になる方法教えてあげようか』って。



『お母さんに、ありがとうって口にだして言ってみんさい。楽になるよー。』って。





私もそう思う。



これまでお母さんに対して迷惑ばかりかけてきた父。



父から母への感謝の言葉。  



それを伝えられる時まで、神様はお父さんを生かせておくのかなって。



そして苦しまなきゃいけないのかなって。



そしてこれがお父さんの背負うべき 『ごう』 なのかも知れない。って。




天国も地獄も、やっぱりこの世界にあるんだな。



あの世にあるもんじゃないんだな。