2020年10月10日土曜日

 台風がやってきた。中途半端に。上陸予定だったがくるりとUターンして、ふらふらと日本の近くをうろついている。よし!台風だ!と備えてはいたけれど、いざとなったらこない。雨は降ったので内職は進んだけれど、もったりとしたセピア色の空が気分を酷く落ち込ませた。万年うつ病のI氏は大丈夫だろうか。そう言えばしばらく連絡が来ていないな。薬をやめてしまっているとは言え、今日のような天気はかなり気分を落ち込ませる。なんで自分は生きているんだろう。なんのために?どうしたらいいのかわからない。そんなことを考えながら牛乳がないので雨が止み次第買い物に走った。重い空が今にも世界を押しつぶす、そんな空間なのに、人々は至って普通だ。薬局ではレジのパートさんのミスに時間がないと怒鳴る心の狭い人、スーパーにもたくさんの主婦、世界は天気なんかでは変わらないのだ。弱い私だけが、弱い人間だけが引っ張られて食われて、落ち込んで、埋もれていく。

 

 心臓がバクバクする。生理のせい?バセドウ?寒くなってきたから?天気のせい?ずっと思っていた。この私の体を通る血液は限りなく私だ。それなのに他人の何かのようにバクンバクンと私から離れたがっているようだ。ここではないどこかへ、行きたいのだろうか。ちょうど去年の10月私はピークを迎えていた。イライラもストレスも何もかもピークで毎日疲れて、毎日怒って、毎日嫌だ嫌だと思っていた。少しずつ仕事を減らしていた。そして10月に仕事をやめて、家に閉じこもり、塞ぎ込んだ。朝から窓際で太陽の光を浴びて昼寝をして、ボーッとして、何もせずに過ごした。それなのに、今、私は内職をしている。それだけで十分なのに、これじゃダメだ、働かないと、子供産まないととさえ思っている。また焦り出している。人と関わることはいいことだけど、焦らなくても大丈夫だろう。大丈夫。仕事辞めて、今何もやってない、違う、やってるよ。毎日ちゃんとやってる。毎日を生きてるよ。何もなくないよ。私のことを何もない、何もしていない、価値がないという人間がいるけど、やっぱり気にするけど、そんなことは関係ない。生きているだけで十分だ。私は生きているだけできっと誰かを助けれている。信じよう。落ち込む心を確かに感じるけれど、これもまた生きるということ。今はたくさん何かを出来ない。それだけはわかって、焦らず毎日をただ生きる。