不倫発覚前の妻の異変がいくつもあった。
その一つに「ゴミ」。
その日私は、地域のごみ捨て場の掃除当番だった。この当番は順番に「札」回ってきて、その札を受け取った家庭は、何曜日でもいいので一回掃除をしないといけない。
またその曜日の捨てていいゴミの種類が間違っていた場合、捨てた主が持ち帰るか、当番の家庭が次のごみの日まで持っておかないといけない。なのでゴミ収集車が去った後、何か残っていたら当番が対応しないといけない。
その日私は、「燃えるゴミ」の日だったのでゴミ捨て場の掃除にむかった。
大きなゴミ袋が一つ残っていた。「マジかよ」と思いながらそのごみを持ち上げたら結構重い。そして張り紙が貼ってある。
「これは燃えるゴミとして持っていけません。粉砕ごみの日にお出しください。個人特定できる情報は処置してください」と清掃員の方のメモがあった。
「ほんとだよな清掃員さんにも迷惑かけてどの家庭だよ。」
と思っていると、私の名前が半透明の袋の中から見えた。「俺んちかよ!」と思い、袋を持ち帰り中を確認した。中身は…
「アルバム」だった。主に結婚式の写真だが、どれも半分に破られている。そう妻は二人並んだ写真の自分の方だけ分からないように破り捨てて、私の写真は見える状態で捨てられていた。驚くことに子供たちが生まれたときに型取りした、「手の押し型と足の押し型」と子供たちの写真もゴミ袋の中に。
この時はやっぱり妻は「ノイローゼ」になっていると思っていました。不倫が発覚するまでは。この頃からすでに子供を遺棄して出て行くつもりだったのだろう・・・
出て行くならわざわざ捨てなくてもいいのに、多分私の知らないところで、思い出の品を捨てて、私にも子供の思い出を無くす、嫌がらせだったのだろう。
実際、何個もなくなっているものがある。