未完成の青#191970
Amebaでブログを始めよう!




明日に手を伸ばすこと

明日に背を向けること

似てるようで違うかな

違うようで似てるかな


ランランランらっらら
ランランランらっらら


昨日にサヨナラしても

昨日に捕まっていても

ボクハ今此処にいるし

ボクハ今個々にいるし


ルゥルルるるるルルル
ルゥルルるるるルルル









妻が食器を洗っている。

僕はソファーで横になりながら耳ダンボ。
テレビなんて見ない。
水の音さえ、邪魔なくらいだ。


「くしゅん」

キター、これきたー、萌えー
もういっちょ、ダブルで来い!
ほら、ほら、早く、早く

えっ、えっ、
単発?単発なの?

えっ、えっ、嘘、
そんなー

「ねぇ、今度の日曜日、たまには・・・くしゅん」

うおおおおお、キタコレー
たまらん、もうたまらん
なんたる萌えー
しゃーわせってこういうことさ
これ以上、何を望むってのさ

行くさ、映画でも海でも
買うさ、服でも靴でも



「ねぇ、たまには一人でお留守番お願いしてもいいかな」


ずこっ






ターゲット:仕事帰りのサラリーマン。娘と上手くコミュニケーションがとれない。娘からは嫌われてる。でも娘が大好き。
目的:愛のキューピット。
変装:花の移動販売車、売り子はスギちゃん似の男性似。
時刻:18時30分~21時30分
場所:郊外の駅前から郊外の家まで。
品名:「入試応援花」あるいは「挿入花」
付属品:サラ手書きのメッセージカード。
禁句:「頑張って」あるいは「たまにはいいだろ」



仕事を終えたサラは疲れきっていた。
{なかなか仕事がうまくいかない。ふぅ、これから先どうすればいいんだ?}
ため息をつきながら改札を出る。
降りてゆく階段の先には、いつものコンビニが待っていた。

{ん?なんにゃ?}
コンビニの横に停めてある青い車が気になった、
{たこ焼き屋?}
近づいてみると、車の横に看板。
<告白しません花>
手書きでそう書いてあった。
少し武骨で不器用そうな、そんな文字。
テーブルには小さい、ちいさい花。が並んでる。
白くて儚い。
オスギと目が合った。
そこはかとなく妻に似てるような似てないような。


オスギ「うふ」
サラ「、、、うぅ」
オスギ「好きだー!」
サラ「えっ、え」
オスギ「って、唐突に相手から告られたらドン引きアフレイドでしょ?」
サラ「ぅ、」
オスギ「300円!!」
サラ「へっ?」
オスギ「だ・か・ら・・・今夜、勇気を出して初めての告白よ!」
サラ「わっ、」


サラはびっくりしていた。
手にはいつものビールじゃなく、儚い花。を持っている自分自身に。
勇気の取扱い説明書を読みながら歩く。


----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
お嬢様には<応援してるわよ>
奥様には<今夜、初めて出会った頃のように行儀良く貴女を抱きたいわ>
さあ、オスギはどっち?
----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------


たった三行の取説。

{危険な香りがプンスカするぜ}
{ワイルドだぜ}
サラは薄気味悪く、声を出して笑った。


いつもの徒歩9分の道のりが3分にも30分にも感じられた。
気づけば家の前だた。

{ふっ}
やるしかねぇか。。


そっと玄関を開けると娘の靴があった。
{今日に限って、もう帰ってきてるのか?}

{ただいま}
なんて、独り言さ。誰も返事なんてしてくんねぇくんねぇ。
{はいはい、ゆうれいゆうれい、柳じゃねぇよ}





ムス、自室の戸を開ける。

{げっ、なんだこれ}

床には、ちっちぇ花。
その下に紙。
<応援してる>

{ん? なんだこれ}
{汚ったねぇ字だな}

{まさか、あのうすらはげが置いてったのか}

ムス、しゃがむ。

{ふん、なんのつもりだよ}

白い花を見つめる。
ミクロな花びらをつついてみた。

{・・・・・}



{あいつ、あたしが妊娠してるってこと知ってたんだ・・}