結局、一週間かかってしまったが、それだけの費用対効果はあったと思います。
 最後の大阪城のシーンは凄かった。まだ、興奮が冷めやらぬ。そのままの勢いで、最初から、もう一回読んでやろうか。そんなことを一瞬思いました。面白かった。
 
 5年くらい前の僕に「好きな作家は?」と問うたら万城目さんの名前が4番目くらいに出てました。
 『鴨川ホルモー』『ホルモー六景』『鹿男あをによし』『プリンセス・トヨトミ』『偉大なる、しゅららぼん』。どれも、ごっちぁんでした。
 最近は、ずっと、ご無沙汰で、この本も2年以上積み上げ本状態。持っていたのを思い出しラッキーでした。

 薬に入れるはずの「らっきょう」と「にんにく」を面倒だと間違えたままにして、人が死んでしまったことで伊賀忍者を破門となった風太郎は、京都にやってきて、清水寺の近くの産寧坂の瓢箪屋に就職する。
 ひょうたんに取りついた因心居士というモノノ怪にトリツカレて瓢箪を育てることになる。その瓢箪繋がりで、高台寺に住む秀吉の正室のねね様と知り合い。
 ひさご様という太った公家と祇園園の見物に向かうが、そこで京都所司代の配下の残菊って奴らに襲撃される。この ひさご様が豊臣秀頼。
 因心居士の瓢箪を完成させる職人を ねね様に紹介して貰ったところから、話しは急展開。残菊たちに殺されかけるわ、大坂夏の陣は始まるわ。
 挙句の果てに、ねね様と因心居士から頼み事。戦さ真っただ中の大阪城に侵入、因心居士の術と仲間たちの助けで、やっとこさ ひさご様(秀頼)に目的の物を渡すのだが、逆に、秀頼の子を脱出させてくれと頼み事をされてしまう。
 大阪城は落城寸前、徳川方の残菊たちは待ち構えている。そんな中、仲間と力を合わせて敵と戦い。赤ちゃんを守って城を脱出するという話でした。
 このラストの大阪城のシーンは、映像化したら、かなり楽しめると思います。
 宮藤官九郎あたりで、映画化してもらいたいなと思いました。
 悪役の残菊は、もちろん、足袋屋でございます。
 時代ものと言っても、司馬遼太郎とか藤沢周平のような真面目なものでなくて、モノノ怪が変身したり、風で空を飛んだり、気配がわからないから相手から見えなかったりと、どちらかというと山田風太郎と和田竜をごちゃまぜにした雰囲気です。
 純粋に、エンタメを楽しみたいと思う人には良いかと思います。
 750ページです。
 読むのに覚悟がいります。

ページ数:752
読書時間 20時間くらい
読了日 3/31